優秀建築作品賞受賞歴のある市中枢機関

人と人を繋ぎ、街の流れを作り出す「西川パフォーマー事業」/岡山市庭園都市推進課街なかにぎわい推進室 服部さん

“晴れの国”と呼ばれ温暖で降水量が少ないことで有名な岡山県、その中心地であり交通の結節点として利便性にも富む岡山市。近年は人と自然に優しいことをうたった緑道整備などが全国で盛んに行われているが、岡山市では高度成長期のさなかに「水と緑の回廊」として緑道整備された区間がある。それが「西川緑道公園」だ。現在まで幾度となくリニューアルが行われ、その整備事業と並行して行われてきたユニークな「西川パフォーマー事業」。その詳細を岡山市担当者にうかがった。

いちはやく取り組んだ 都市のなかでの自然と人との関係

「水と緑の回廊」として整備された「西川緑道公園」
「水と緑の回廊」として整備された「西川緑道公園」

――はじめに「西川緑道公園」が整備された経緯や概要について教えてください。

服部さん:1974(昭和49)年から1982(昭和57)年までの9年間、“緑と花・光と水の街づくり”というコンセプトで市内中心部の約2.4㎞の区間を「水と緑の回廊」として整備したのが始まりです。高度成長期に入ると全国各地で用水を埋め立てて道路にする整備が行われましたが、岡山市では水や緑の景観にも配慮しながら市民の憩いの場にしようと考えました。

――再整備事業ではどんな整備が行われたのでしょうか。

服部さん:再整備は時期や内容によって何段階かに分けて行われてきました。大きなものだと1989(平成元)年に、「下石井公園」など沿道近くの大きな公園の整備やリニューアルを行いました。もうひとつ大きなものでは2007(平成19)年から2011(平成23)年に、老朽化した施設を撤去し、必要な樹木を移植して街路灯を整備することで、安全で見通しのいい歩道空間を確保しました。

一時期はうっそうと樹木が茂り暗く歩くのが怖いというような声も聞いていましたが、明るく開放的な空間になったことで再び市民の憩いの場として復活させることができました。

市民主体で作る新しい都市環境の価値

「西川パフォーマー事業」のひとつ、「ハーモニーフェスタ」
「西川パフォーマー事業」のひとつ、「ハーモニーフェスタ」

――「西川パフォーマー事業」が始まった経緯について教えてください。

服部さん:「西川パフォーマー事業」とは市民が「西川緑道公園」を活用して自主的・主体的に企画・実施するイベントを市が公募して選考し、認定した事業です。「西川緑道公園」の活用を促して魅力を高め、まちなかに質の良い継続した賑わいを創出することを目的とする市民活動の一環、という位置づけです。

契機となったのは、2009(平成21)年に、「第26回全国都市緑化おかやまフェア」が開催されたことです。「西川緑道公園」や「後楽園」、「岡山城」など岡山を代表するスポットで様々なイベントを行ったのですが、その後も「西川緑道公園」を賑わいの場として活動を続けたいという声が上がりました。そうした声を受けて、翌年の2010(平成22)年度に「西川パフォーマー事業」を立ち上げました。企画・運営は市民が行い、手続き・広報は市が行うという形態で、現在登録されているパフォーマー団体は41団体になっています。

「有機生活マーケットいち」
「有機生活マーケットいち」

――具体的な事業をご紹介してくださいますか。

服部さん:「有機生活マーケットいち」は“循環可能なまちづくり”がコンセプトになっているマルシェです。東北の震災を期に食の安全を中心につなぐ場として開催しています。人がマーケットで顔を合わせて繋がり、繋がった人たちが街中で繋がる、この2つが循環することで優しくて新しい暮らしを増やそうというものです。30店舗余りが「西川緑道公園」の沿道に並んで活気のあるマルシェになっています。

「満月BAR」は4月から10月の満月に近い土曜日の午後5時から午後9時まで、「西川緑道公園」で生演奏を聴きながらお酒や料理を楽しめるイベントです。2012(平成24)年6月から始まったもので、運営は20代や30代の若者が中心となっています。

「満月BAR」
「満月BAR」

――「西川イルミ」「花・緑ハーモニーフェスタin西川」「ホコテン!」などの事業も行われているのですね。

服部さん:「西川イルミ」は「西川緑道公園」をLEDでライトアップするイベントです。2016(平成28)年には8万個だったLEDの数が、2017(平成29)年は「光のオーケストラ」と題して12万個とより豪華に、期間も前年より1か月延長して11月中旬から2月中旬までの4か月間とグレードアップして行いました。

「花・緑ハーモニーフェスタin西川」は年に3回程度、ステージでの生演奏やバザール、各種ワークショップなどを行う催しです。「ホコテン!」は道路空間の使い方の提案ということで「西川パフォーマー事業」とは趣旨が異なりますが、「西川緑道公園」に沿った片側道路240m区間を歩行者天国にして他のイベントの期間に同時開催されることもあります。

歩行者に優しくなると街にも活気が生まれる 歩行者先進都市岡山を目指して

歩行者天国にもなる「西川緑道公園」沿いの道
歩行者天国にもなる「西川緑道公園」沿いの道

――市として、この事業を継続していくねらいはどこにあるのでしょうか。

服部さん:中心市街地にありながら、水と緑が豊かな「西川緑道公園」の魅力を活かし、街なかのにぎわいと回遊性の向上を目指すことを目的としています。今は、車中心の社会です。車で目的地を訪れて、目的を果たせば帰るといったような状況であれば、まちの回遊性やまち全体のにぎわいは生まれません。にぎわいであったり、「歩いて楽しい」仕掛けを作って人の徒歩での回遊性に期待しているという部分があります。

――県外から「西川パフォーマー事業」を目的に訪れる方はいらっしゃいますか。

服部さん:イベントの時にアンケートを取ったことはありますが、観光でいらした方が「西川パフォーマー事業」が目的だったのか、岡山観光のついでという形だったのかという明確な意図まで拾い上げられていないのが現状です。これからの情報収集や、観光目的につながる魅力のアップにも期待して市も応援していきたいと考えています。

“晴れの国”岡山のさらなる魅力アップを目指して

「歩いて楽しい街づくりを実現していきたい」と語る服部さん
「歩いて楽しい街づくりを実現していきたい」と語る服部さん

――今後のますますの活性化に向けて、展望をお聞かせください。

服部さん:このエリア一帯が「おもしろいな」「ここに来ればなにかやっているな」というイメージが定着する、賑わいのある街づくりを目指していきたいと思います。徒歩で行動しやく、歩いて楽しい街づくりを実現していきたいですし、もっとこんな風にしてほしいという声が挙がることにも期待しています。これからも「西川パフォーマー事業」が継続・発展していくように市民の皆さんと協力していきたいですね。

――岡山市の街の魅力はどんなところだと感じますか。

服部さん:岡山といえば“晴れの国”と言われるほど温暖で天候が良い街です。そして交通の便がよく、近畿と九州、山陰と四国を結ぶ交通の結節点に位置していて、鉄道・高速道路・空路などの交通網が集中しています。新幹線は「のぞみ」も「ひかり」も「こだま」も全て停まりますし、ほとんどが平野部で坂が少なく自転車で移動がしやすいのもポイントですね。桃やマスカットなどが名産でフルーツ王国とも言われています、本当においしいですよ。

温暖で天候が良いのが岡山の魅力
温暖で天候が良いのが岡山の魅力

――これからこの街に住む方へのメッセージをお願します。

服部さん:私自身ずっと岡山育ちですが、どこかに行くたびに岡山っていいなとあらためて思います。温暖な気候で、買い物や交通アクセスも便利です。新しく住まわれる方にもその魅力が伝われば良いなと思います。ぜひ一緒に岡山を盛り上げていきましょう。

岡山市役所 服部さん
岡山市役所 服部さん

岡山市 庭園都市推進課 街なかにぎわい推進室

服部さん
所在地:岡山市北区大供1-1-1
電話番号:086-803-1393
URL:http://www.city.okayama.jp/toshi/teien/teien_00024.html
※この情報は2018(平成30)年8月時点のものです。

人と人を繋ぎ、街の流れを作り出す「西川パフォーマー事業」/岡山市庭園都市推進課街なかにぎわい推進室 服部さん
所在地:岡山県岡山市北区大供1-1-1 
電話番号:086-803-1000
開庁時間:8:30~17:15
休庁日:土・日曜日、祝日、年末年始
https://www.city.okayama.jp/index.html