浦安市 総務部 防災課 インタビュー

浦安市と市民が一体となり、高まる防災対策。


“自助・共助”による自主防災組織の運営を促す浦安市の“防災によるまちづくり”

2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災により、大きな被害を受けた浦安市では「地域防災計画」が改定されました。市域の86%に及ぶ地域で発生した液状化は、道路、公園、上・下水道、電気、ガスなどの都市基盤施設や住宅など市が未だかつて経験したことのない被害をもたらしましたが、同時に、市民が協力し助け合いながら復旧活動を行う中で人々の絆の大切さの再認知にも繋がりました。こうした経験を活かした改定には“公助(行政)”だけでなく、市民・事業者がみずから“自分たちのまちを自分たちで守る”という“自助・共助”の役割について、全面に打ち出した内容となりました。今回は浦安市総務部防災課の山崎明人さんに浦安市が取り組む“災害に強いまちづくり”の要点やその特色についてお話を伺いました。

浦安市 総務部 防災課 防災計画係
係長 山崎明人さん

東日本大震災を教訓に改定される「地域防災計画」

―まず、「地域防災計画」の改定のポイントや特色について教えてください。

山崎さん:「浦安市地域防災計画」とは、災害対策基本法に基づき、市の災害への「予防」「応急対策」「復旧・復興」についてまとめられた災害対策の計画のことで、2015(平成27)年3月に「浦安市地域防災計画(震災編)」を改定し、「浦安市地域防災計画(風水害等、大規模事故編)」も平成28年度中に改定版を発行します。

改定のポイントとしては、まず、現時点で本市に最も被害が及ぶことが想定される首都直下地震の影響を踏まえて最大クラスの地震の想定や液状化対策を中心とした防災まちづくり、自助・共助・公助などの7項目の計画の修正方針を定めて計画に反映しています。

“防災によるまちづくり”に取り組む浦安市
“防災によるまちづくり”に取り組む浦安市

「浦安市役所」
「浦安市役所」

転入手続きの際に「防災セット」を無償配布

―“防災によるまちづくり”において、特に力を入れている取り組みはありますか。

山崎さん:まず、各世帯での防災備蓄のきっかけ作りとして、浦安市に転入してきた世帯に「防災セット」を無償で配布しています。「非常飲料水袋」、「簡易トイレ」、「非常用持ち出し袋」の3点セットと、「浦安市防災マップ」、「防災の手引き」、「水害ハザードマップ」、「非常持出品チェックリスト」を合わせて、1975(昭和50)年より配布しています。

また、浦安市の市民・事業者を対象(1世帯又は1事業者に1台)に「防災ラジオ」の有償(1,000円)配布も行っています。浦安市防災行政用無線(屋外スピーカーから流れる放送)が聞き取りにくい世帯等への対策として2014(平成26)年から始めたもので、こうしたものも活用していただければと思います。また、フリーダイヤルで防災無線の内容を確認できるシステムも導入しています。 0120-431-067(専用電話番号)に電話をかけると、24時間以内に放送された内容と放送された時刻も確認できるようになっています。もちろん携帯電話からでもかけられるので、ぜひ活用してください。

有償配布されている「防災ラジオ」
有償配布されている「防災ラジオ」

転入時に配布される「防災セット」
転入時に配布される「防災セット」

災害時の井戸設備及び避難場所を地図にまとめた「浦安市防災マップ」

―災害時の避難場所や施設についても教えてください。

山崎さん:浦安市では災害時の飲料水を確保するため、市内3ヵ所に井戸設備を敷設し、地下水を活用した給水対策にも取り組んでいます。元町にある「当代島公民館」、中町にある「老人福祉センター」、新町にある「日の出公民館」の3ヵ所では、災害時に1施設1日あたり60トンの飲める水を供給することが可能です。

また、公民館や学校など市内に50ヵ所ある「避難場所」をはじめ、介護の必要な高齢者や障がい者等に配慮した「福祉避難所」も公共、民間施設と合わせて32ヵ所あります。避難所となる学校や施設、公園などには避難場所標示板を設置し、道路上の主要な箇所には避難場所誘導板が設置されています。 地図上に避難場所をまとめた「浦安市防災マップ」は印刷物のほか、浦安市公式HPからもご覧いただけるため、いざというときに備えて日頃から確認しておくように心がけましょう。

市内の避難場所をまとめた「浦安市防災マップ」
市内の避難場所をまとめた「浦安市防災マップ」

自主防災組織の運営を促す「浦安市自主防災組織連絡協議会」

―市民や事業者が担う“自助・共助”の役割についても教えてください。

山崎さん:大規模な災害が発生した際に被害の拡大を防ぐためには、“公助(行政)”には限界があり早期に実効性のある対策をとることが難しいため、2012(平成24)年11月10日、市内にある全自治会が、「浦安市自主防災組織連絡協議会」を発足し、自主防災組織の運営を推進しています。 具体的には、各自治会からそれぞれ「防災担当者」を選出し、元町・中町・新町の3地区に分かれた地区ごとの部会を開催されています。自治会の自主防災組織相互の情報交換や、防災に関する知識の普及などを目標として研修や訓練を通じて、自主防災組織の防災力を高めています。

また、浦安市では、自主防災組織育成のため、設立や運営に対する補助金、またその活動に必要な防災資器材(例:トランシーバー、リヤカーなど)の購入にも補助金を交付しています。

災害時に役立つ実践的な体験コーナーもある「浦安市総合防災訓練」

―最後に市民の方へメッセージをお願いいたします。

山崎さん:浦安市では、「浦安市地域防災計画(震災編)」や「浦安市地域防災計画(風水害等、大規模事故編)」を基本として、市を含む防災関係機関、市民、事業所、自治会自主防災組織等がその全力をあげて市民等の生命、身体及び財産を災害から守るために対策に取り組んでいます。

こうした対策は防災関係機関等による連携訓練等で確認され、本年においても2016(平成28)年9月25日(日)に明海の「浦安市総合公園」において「浦安市総合防災訓練」を実施します。訓練ではその他、仮設トイレの組み立てやロープの結び方など市民の皆さんが体験できる訓練を多く行いますので日頃の備えやいざという時の対処を学ぶ機会としてご家族また地域の方とお誘い合わせのうえぜひご参加ください。

市役所は災害時の中枢機能も果たす
市役所は災害時の中枢機能も果たす

市内に設置された指定避難所の標識
市内に設置された指定避難所の標識

多言語表示など日々改善に取り組む
多言語表示など日々改善に取り組む

~液状化被害への対策~

復旧・復興から新しい取り組みへ

震災後、浦安市は「浦安市復興計画」を策定し、各部署が復旧・復興の取り組みを進め、2016(平成28)年7月現在、ライフラインの復旧はほぼ完了しています。今後は新しい取り組みの一つとして、市域の86%で発生した液状化被害への対策についても、「復旧・液状化対策プロジェクト」チームが中心となって一部戸建て市街地の液状化対策も順次進めていく予定です。詳細については市HPのトップ画面右下にある「浦安市災害復旧・復興情報 絆 未来に向かって」より、イラスト化され市民の方にもご覧いただきやすい内容になった最新の「復旧・復興工事進捗状況」(pdf)もあるため、お住まいの地区の情報については浦安市公式HPをご覧ください。

※2016(平成28)年7月実施の取材にもとづいた内容です。記載している情報については、今後変わる場合がございます。

今回、話を聞いた人

浦安市 総務部 防災課 防災計画係

係長 山崎明人さん

浦安市 整備部 復旧・液状化対策プロジェクト

管理担当 主任主事 河本聡親さん

浦安市と市民が一体となり、高まる防災対策。
所在地:千葉県浦安市猫実1-1-1 
電話番号:047-351-1111
http://www.city.urayasu.lg.jp/