氷川参道で創業から半世紀、世代をこえて愛される/氷川だんご屋(埼玉県)
JR「大宮」駅から15分ほど、「氷川神社」へと続く参道の一角に軒を構える「氷川だんご屋」。創業は1970(昭和45)年、駅前に田園風景が広がる頃から団子を提供し続けてきた同店は、地元住民なら知らない人はいないというほどの有名店だ。2020(令和2)年8月にはリニューアルオープンし、現在も大宮に訪れる人や住民が憩う店として親しまれている。
2代目を務める蓜島炭男さんに、創業者のご両親から続くこだわりや、愛されるお店である秘訣、そして生まれ育った大宮エリアの魅力について伺った。
親子二代で営業を続ける老舗甘味処、近年店舗をリニューアル
――氷川神社参道沿いで甘味処を開かれた経緯、創業から今日までの歩みを教えてください。
蓜島さん:もともと家柄が商家であったのですが、当時「氷川神社」の近くでお店を開こう考えた際に、お客さんが参拝の帰りに気軽に食べられて、営業も一人でもできるだんご屋を選んだと聞いています。 以前は「平成ひろば(参道内にある並木道)」の辺りで店を営業していましたが、参道が公園として整備されるのに伴い、今の場所に移りました。
――2020(令和2)年8月にリニューアルオープンされたということですが、どのような点が変わりましたか?
蓜島さん:喫茶スペースも広く、明るく開放的な空間になり、これまで以上に多くのお客様にご利用いただけるようになりました。実はリニューアルに合わせて新メニューも考案していたんですが、お店が広くなった分、忙しくなっちゃってしまい(笑)。新メニューはもう少し落ち着いてから始めようかと画策中です。
――新店舗と合わせてSNS(インスタグラム)も開設したようですが評判はどうですか?
蓜島さん:インスタグラムではお店の最新の情報などを紹介しています。最近ではゴールデンウィークから七五三(11月15日)頃まで提供予定のかき氷を掲載しました。おかげさまで「かき氷はいつまで食べられますか」という問い合わせを多くいただきます。
これまでに一番反響があったのは、メニューではなく店先で飼っているメダカの写真だったんですけどね(笑)。そんな情報も含めて、お店の近況を発信していますのでぜひご覧いただければと思います。
その日売る商品は、毎朝作る。日々大切に向き合っていること
――「氷川だんご」で受け継がれているこだわりや、定番メニューについて教えてください。
蓜島さん:ずっと続けていることは、その日に売る分を毎朝作るということですね。当店の商品は添加物ゼロのため、作り置きはしていません。上質なだんごが持つ独特の風味・甘味・色つやを堪能してもらいたいですね。「だんご」や「あげまんじゅう」が人気ですが、30年以上続けている「きしめん」もおすすめです。
――毎朝はすごいですね。仕込みは何時頃から始めているんでしょうか?
蓜島さん:釜に火を入れるのは朝4時ごろで、それから9時30分の開店に向けてだんごを作り始めます。準備できる量にも限りがあるため、申し訳ないのですが、早めに売り切れになってしまう事もあります。
――お店に来るお客さんはどのような方が多いのでしょうか?
蓜島さん:連休や祝日、初詣の時期は氷川神社の参拝と合わせて来られる方が多いですが、平日は近所に住まわれている方がほとんどですね。幼稚園や公園が近くにあるので、おやつとして買ってくださるファミリーや、昔から通ってくれている常連さんなど、幅広い年齢層の方が利用してくれます。若い女性やカップルには、だんごやかき氷が人気ですね。
お店をリニューアルしたタイミングががちょうど新型コロナウイルス感染症が流行している時期だったのですが、その頃は気分転換に参道を散歩している方も多くいらっしゃいました。当店の商品は対面形式で販売するため、散歩などのついでに気軽に立ち寄ってくださる方も多いですね。
――お店が長く愛される秘訣や、今後の展望をお聞かせください。
蓜島さん:『日々の仕事をしっかりやる』ことです。美味しいものを毎日作り続けていれば、お客さんにその気持ちが伝わるんだと思っています。年に2回だけ連休を貰いますが、年間300日はお店を開けています。たまに連休をとると近所の方から「何かあったの?」って心配されちゃうんです(笑)。そのくらい毎日の仕事を大切に、真摯に続けていくことが大事だと思っていますね。
歴史深い「氷川神社」やスポーツ振興、大宮エリアならではの住環境の魅力とは
――大宮エリアならではの特色・魅力を教えてください。
蓜島さん:やはり、まずは「氷川神社」とその参道ですね。毎年12月10日に行われる「十日市(とおかいち)」や「大湯祭」などの祭典は街の風物詩として定着しています。1,200もの屋台が参道に並ぶ様子は圧巻です。お正月の初詣の人出も全国トップ10常連で、埼玉県では一番多くの人が訪れます。
――大宮の住みやすさはどんな点にあると思いますか?
蓜島さん:ある調査で「住みたい街ランキング3位」になったということで、最近取材を受けることも多くなりましたね。まずは暮らしに不自由を感じない点が大きいのではないでしょうか。「大宮」駅前に出ればショッピングにグルメになんでも揃い、単身者も子育て世代も暮らしやすいと思います。都心へのアクセスも優れていますし、身近に豊かな自然環境も広がっています。
あとは、防災面でも安心できる環境というのもポイントかもしれません。万が一、荒川が氾濫したとしても大宮までは距離がありますし、土砂崩れが起きるような山もありません。ハザードマップでも安全性の高いエリアになっている点も、大宮が選ばれる理由かもしれませんね。
――大宮の魅力や楽しみ方を教えてください。
蓜島さん:大宮はスポーツが盛んですので、そちらもぜひ楽しんでもらいたいです。サッカーなら「大宮アルディージャ」や「大宮アルディージャVENTUS」のホームタウンとして、街を上げて応援しています。また、埼玉県営大宮球場ではプロ野球も年に数回開催されます。その他にも世界のアスリートが集う「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」や、オリンピック代表選手選考会も兼ねた「さいたま国際マラソン」も注目です。
市のスポーツ振興課の方々も本当に頑張って取り組まれています。その姿を普段から見ているということもあり、スポーツイベントは「積極的に応援しよう!」と思いますね。ちなみに、「大宮競輪場」も近くにあるので、スポーツ競輪も楽しめますよ。
――最後にこれから大宮に住む予定の方々にメッセージをお願いします!
蓜島さん:大宮はどなたでも暮らしやすくて、イベントや催しもたくさんある楽しい街です。一緒に大宮ライフを満喫しましょう。そして、ぜひ「氷川だんご屋」にも気軽にお越しください!
氷川だんご屋
2代目 蓜島 炭男さん
所在地:埼玉県さいたま市大宮区高鼻町2-12
電話番号:048-644-3782
URL:https://www.instagram.com/bingchuandangowu/
※この情報は2022(令和4)年9月時点のものです。
氷川参道で創業から半世紀、世代をこえて愛される/氷川だんご屋(埼玉県)
所在地:埼玉県さいたま市大宮区高鼻町2-12
電話番号:048-644-3782
営業時間:9:30~18:30(イートイン~16:30)
定休日:月曜日
https://www.instagram.com/bingchuandango..