「花の街づくり運動」を通して地域とつながる/合格通り商店会(埼玉県)
1976(昭和51)年に発足したJR「西川口」駅東口の「合格通り商店会」。駅前から産業道路へと続く通りには色とりどりの季節の花が植えられ、商店会を中心に行われている「花の街づくり運動」は地域に憩いとやすらぎをもたらしています。 今回は「合格通り商店会」事務局を訪ね、会長の中村さんと理事の坂本さんに「花の街づくり運動」の経緯や並木エリアの街の魅力についてお話を伺いました。
1988(昭和63)年頃から続く「花の街づくり運動」
――「花の街づくり運動」について、活動をはじめたきっかけについてお聞かせください。
商店会で花植えが始まったのは1988(昭和63)年頃と聞いています。放置自転車やゴミのポイ捨てといった課題があり、商店会の先輩方がどうにかして街を綺麗にしようとゴミ拾いや花を植えはじめたようです。
実際に歩いていただくと、樽型のプランターや目線の高さで花が楽しめるようなフラワーポットなど、いろいろな工夫が見られると思います。過去には東京駅前の旧丸ビルの基礎杭だった丸太を再利用して、街路樹の周りに花壇を作って花を植えたこともありました。
このような活動が評価されて、1994(平成6)年に「第4回 全国花のまちづくりコンクール」で都支局長賞をいただいたのをはじめ、1997(平成9)年には埼玉県の「彩の国埼玉環境賞」を受賞、1998(平成10)年には「第8回 全国花のまちづくりコンクール」で建設大臣賞を受賞しました。また2005(平成17)年には国土交通省の「緑化推進運動功労者」として内閣総理大臣賞を受賞したこともあります。
春夏秋冬、年に4回行われる花の植え替え
――現在の活動状況について教えてください。
花植えは年4回あり、春はベゴニア、夏はマリーゴールド、秋はナデシコ、冬はパンジーやストックなど季節ごとの花を植えています。花の苗は川口市から現物出資というかたちで支給してもらい、そのうち1回は商店会の予算で購入しています。
「西川口」東口駅前から産業道路まで約700mあり、道の両側にプランターが設置されているので花植えは全部で150箇所、花も3,500〜4,000本もの本数になります。そのため草むしりや土の手入れだけでもかなりの作業で、2回に分けて花の植え替えを行っています。
参加人数はその都度変わりますが、おおよそ15〜20人くらいが参加しています。商店会のメンバーはそれぞれ自分の商売もありますし、高齢になってだんだん参加することが難しくなって来ている状況もあるので、後継者の育成や花植えに参加していただける人を増やすのは今後の課題のひとつになっています。
商店会のHP(http://goukakutoori.jp/app-def/S-102/goukakutoori/)には花植えに関する情報や参加に関する問合せのフォームも用意しております。ボランティア保険との兼ね合いなどもありただいま受け入れの準備を進めている段階ですが、興味のある方はぜひお問い合わせください。
花植え活動を通して地域の人々とのつながりが生まれる
――花植えを通じた地域の方々とのふれあいなどはございますでしょうか?
そうですね、通りすがりの人に「綺麗になったね」と声をかけていただけるようになったことや、当時、花植えに参加してくれた「川口市立並木小学校」の卒業生が社会人になってから私たちに声をかけてくれたこともありました。「川口市立並木小学校」とは花植えを通して繋がりがあり、毎年12月になると児童をはじめPTAや先生方も一緒になって花植えに参加してくださいます。なかには6年間通して花植えに参加してくれたお子さんもいました。去年と一昨年はコロナ禍の影響によって実施できなかったため、今年は開催できると良いなと思っています。
合格を願う気持ちがたくさん集まる「合格祈願祭」
――花植えの他に特色ある取り組みがあれば教えてください。
「合格祈願祭」というのを毎年1月から2月にかけて行っていまして、願い事を書いてもらった絵馬を商店会にある「合格稲荷」に奉納して神主様に祈願していただきます。10年ほど続く取り組みで、毎年300〜400枚もの絵馬が集まります。今年も商店会の会員でもある「Beans西川口」さんでは合格の鐘キャンペーンと称し、「西川口」駅3階に絵馬をかける場所を設置していただきました。コロナ禍ではありましたが400枚近くもの絵馬が集まりました。駅構内のお店の販売促進と、地域の盛り上げのためご協力いただいております。
「合格新聞」で街の情報発信をスタート
――新たに取り組んでいる活動があれば教えてください。
新しい取り組みとしては、2022(令和4)年3月に「合格新聞」第1号を発行しました。A4見開き4ページの印刷物で、花植えのことや商店会で維持管理している街路灯をLEDに変えたことなどについて記事にしました。また30年以上もの歴史がある「珈琲館 西川口並木店」をはじめ、地域でおすすめのカフェの情報も載せています。
――「合格新聞」を発行したきっかけについてお聞かせください。
「西川口」駅東口には「合格通り商店会」の他にも、「並木商店会」や「青五商店会」、「中通り商店会」、「観音通り商店会」といった複数の商店会がありましたが、「観音通り商店会」は2020(令和2)年に解散、「中通り商店会」も2022(令和4)年4月で解散することになり、駅前では「並木商店会」「青五商店会」「合格通り商店会」を残すのみとなりました。「合格通り商店会」の現在の会員数は発足当時と比べて少なくなってしまったので、人に来てもらうのにはどうすれば良いかを考えて、情報紙を発行することにしました。これをきっかけに街への愛着を持っていただいたり、他の街からも来ていただけたりするようになると嬉しく思います。
通勤通学に便利で、近くには大きな公園もある恵まれた生活環境
――東口側に広がる「並木エリア」の魅力についてお聞かせください。
駅に近いので通勤通学に便利ですし、買い物ができるスーパーやお店もたくさんあるので生活するのに便利だと思います。また飲食店も比較的多いんじゃないかと思います。「ロイヤルホスト 西川口店」は1980(昭和60)年代から続くお店ですし、「珈琲館 西川口並木店」もいつも多くの人で賑わっています。生活環境として見た場合は、産業道路の向こうに「青木町公園」という大きな公園もあるので、ジョギングやテニス、プールをする方などには良い環境かなと思います。
花植えを通して地域とつながり、子どもたちやお年寄りも安心して過ごせる街へ
――これから「並木エリア」周辺に住まわれる方へメッセージをお願いします。
近年、西川口にはマンションが増えて新しく移り住む方も増えていますが、やはり人同士の交流って必要なんじゃないかと思います。地域で子どもたちやお年寄りを見守るのにもお互い知り合いになるきっかけが必要で、そのためにも花植えという機会を大切にしていきたいと思っています。
きっかけは何でも良いと思うんです。顔を合わせて一緒のことをやったという達成感が大切で、花植えに参加していただければいろんな人と会話もできるし、自分たちの住む街が綺麗になるのを感じられると思います。私もはじめの頃は花に見向きもしなかったですけど、自分が植えたんだと思うと自然と目が行くようになって、水をあげなきゃって気持ちになるものですよね。
商店会では花の植え替えや街路灯の維持管理を行なって、自分たちの街がより良く過ごしやすくなるように頑張っています。商店会に興味のある方はもちろん、花植えに参加してみたいという方もお待ちしておりますので、これから交流していきましょう。
西川口東口駅商店街「合格通り商店会」
会長 中村茂さん
理事 坂本武蔵さん
所在地:埼玉県川口市並木3-4-26-807
電話番号:(048)256-3303
URL:http://goukakutoori.jp/app-def/S-102/goukakutoori/
※この情報は2022(令和4)年7月時点のものです。
「花の街づくり運動」を通して地域とつながる/合格通り商店会(埼玉県)
所在地:埼玉県川口市並木2 ほか
電話番号:048-256-3303(合格通り商店会事務局)
http://goukakutoori.jp/app-def/S-102/gou..