地元に愛される「大島中の橋商店街」の魅力とは。

様々なイベントで地域を繋ぐ/大島中の橋商店街振興組合


多くの地元密着型商店街が今も元気に残っている江東区大島。その中でもひときわ活気づいているのが、都営新宿線「大島」駅から少し東へ行った「大島中の橋商店街(サンロード中の橋)」である。大島にある全8つの商店街の中では一番規模が大きく、さらに1年を通して行われる様々なイベントも注目されている。今回は「大島中の橋商店街振興組合」の方々にご協力頂き、この商店街の魅力を紐解いていくことにする。

――まず、「大島中の橋商店街」の歴史について教えてください。

内藤さん:もともとこの大島という地域は、中川、竪川、横十間川、小名木川という4本の川に四方を囲まれた地域で、昔は少し南の元八幡通りから向こうが海でした。その後、100年前に「中の橋」が架けられたことから、地図に「中の橋通り」という名前が載るようになり、そして江戸時代にはだんだん家やお店が増えていきました。そして明治通りに古くからある「羅漢寺」を囲うように商店がいくつも並ぶようになり、その中でもこの「中の橋商店街」は大島では2番目に古い商店街だと言われています。

「大島中の橋商店街」
「大島中の橋商店街」

新しいお店も続々オープン!さらに変化する商店街
新しいお店も続々オープン!さらに変化する商店街

「夏まつり」の際に行われる「幼稚園児パレード」の様子
「夏まつり」の際に行われる「幼稚園児パレード」の様子

大島の魅力を語る内藤さん
大島の魅力を語る内藤さん

多くの人が行き交う
多くの人が行き交う

内藤さん:大島の歴史を語る上で外せないのは、今の「川の駅」と「船番所資料館」がある場所ですね。ここには昔「中川御番所」という番所があり、交易の要衝として房総半島や東北方面から年貢や塩などが運ばれていたという歴史があります。詳しくはぜひ一度訪れてみてください。

「夏まつり」で行われた「綱引き大会トーナメント」
「夏まつり」で行われた「綱引き大会トーナメント」

年に一度のハロウィンイベントでは来場客に無料でお菓子を配布
年に一度のハロウィンイベントでは来場客に無料でお菓子を配布

――約100年を数える歴史ある商店街ですが、現在の活動を教えてください。

福井さん:大島は亀戸や深川といった有名な神社仏閣があるような地域と違い、昔から「大島には観光名所がない」と言われていました。そこで私たちは、2017(平成29)年に大島の8つの商店街が加入している「江東区大島文化観光協会」を立ち上げ、「船番所」、「川の駅」、「横十間川」といった歴史にゆかりのある場所をアピールしながら、豊かな川に囲まれた良い街であるということを広めていきたいと思っています。

近藤さん:また、この協会の最終的な目標は「将来にわたって住みやすい安心・安全な街をつくること」です。子どもたちがのびのび育ち、老後もそこでまた暮らしていけるように街を整備しています。そんな中で今一番力を入れているのは商店街のイベントですね。

内藤さん:商店街のイベントは、「地域が子どもを育てる」というテーマで行っているものが多いです。例えば、夏祭りでは地元の子どもたちが鼓笛隊として楽器を演奏してくれたり、ちびっこを集めてプールに1万個の水風船を投げ合ったりね。子どもが主役のものが多いんですよ。

近藤さん:あとは、ハロウィンのイベントもすごいんですよ。子どもだけで1000人、父兄も含めると3000人くらいがパレードに参加しています。夏祭りとハロウィンはとても盛り上がるので、ぜひ一度見に来てほしいですね。

福井さん:その他、独自の取り組みとしては「多言語対応」があります。大島周辺には外国の方向けの語学学校が点在しているので、商店街の中には多言語化した看板を置いたり、各商店にも多言語のマニュアルを渡してあります。下町の商店街で多言語対応をしているというのは、うちの商店街の特徴だと思います。

商店街では様々なイベントが開催される
商店街では様々なイベントが開催される

――最近できた新しいお店や、街の見どころについて教えてください。

福井さん:最近は専門的なパン屋さんが増えましたよね。「メイカセブン」さんは前からあるお店ですが、最近は食パン専門の「一本堂」さんや大島3丁目から移転された「ラウンドベイクハウス」さんも。

内藤さん:うちの特徴としては、八百屋さんが多いですね。あとは他の商店街に比べて、人通りが多いというのも特徴です。それはお客さんはもちろん、商売人から見ても魅力に映ると思うんですね。だから、ほかの商店街から移転してくるお店もあるんだと思います。

近藤さん:最近だとユニークなのはコスプレですかね。商店街の南に「Booty」という都内でも有数のコスプレスタジオがあり、そことタイアップをして、商店街のイベントの日には、コスプレイヤーさんに街を自由に歩いていいですよということにしているんです。こちらも他にはない商店街独自の取り組みですね。

近藤さん「商店街への加盟率の高さは団結力の強さでもある」
近藤さん「商店街への加盟率の高さは団結力の強さでもある」

――来年は100周年を迎えるとのことで、それに向けて何か準備されていることはありますか。

内藤さん:夏祭りなどのイベントとは別に100周年のイベントを開催したいと思っています。ただ今はまだ「乞うご期待」という言葉に留めておきます(笑)

――「大島中の橋商店街」が今でもこれだけ盛り上がっている理由とは何でしょうか。

近藤さん:理由の一つは、商店会への加盟率が高いことだと思います。普通の商店街はおそらく半分も加入していないことが多いのですが、うちは約98%が加盟しています。その理由はこの商店街がナショナルチェーンではなく、個人商店が中心となっているからだと思います。各商店のオーナーはお店の近くに住んでいることが多いので、この商店街の取り組みにもとても協力してくださいますね。加盟率の高さは団結力の強さでもあり、だからこそ「地元を良くしていこう」「商店街を残していこう」という想いが商店街の活性化にも繋がっているのではないかと思っています。

――みなさんが思う、大島の地域の魅力について教えてください!

近藤さん:なんと言っても「人が良い」ということですね。魚屋でも八百屋でも、食材の美味しい食べ方を聞いたらみんなすごく丁寧に答えてくれますよ。そういう「人の温かさ」がうちの商店街の一番の良さだと思ってます。

福井さん
福井さん

美しい川に寄り添う
美しい川に寄り添う

内藤さん:あとは全体的に「物価が安い」ということも魅力でしょうね。あとは交通の便が良いところ。電車はもちろん、車で移動する時も平井大橋から常磐道や東北道に行けますし、船堀橋からは湾岸線、錦糸町からは都内へも行きやすいです。どちらの方面に行くのも出やすいです。また、お年寄りの方は都営線が無料で乗れるというのもポイントだと思います。
※「東京都シルバーパス」を利用すれば、一定収入以下の70歳以上は年間1000円で都営線・都営バスを利用可

大島中の橋商店街
大島中の橋商店街

――これから大島で新生活を迎える方に、ぜひメッセージをお願いします!

内藤さん:この街では地域で子どもを育てているので、例えばうちの商店街でも小中学生の体験学習をすごく受け入れていますし、そんな中で子どもたちが健全に育ってくれたらいいなと思っています。また、大人の方にも商店街のお祭りや地域のお祭り、盆踊り、お神輿など色んな形で地域に関わるチャンスがあるので是非一緒に楽しんで頂きたいなと思っています。

福井さん:私の家は商売を始めて私で4代目で、大島に住んでから3代目になります。小学校も中学校も、親子3代で同じ学校に行っているので、地元にはとても愛着があります。これからも大島が活気のある街であるように、ふるさととして誇りを持てる街であるように頑張って活動していきたいと思っています。

近藤さん:商店街ではとにかく様々なイベントを行っているので、まずはそちらにお越し頂きたいですね。また、普段でも夕方3時から夜8時までは歩行者専用通路になっていますから、ぜひこの「大島中の橋商店街」で、安心・安全な買い物を楽しんで頂ければと思います。

大島中の橋商店街振興組合

活性化委員会 内藤喜三郎さん
活性化委員会 福井好生さん
副理事長 近藤康弘さん
住所:東京都江東区大島7-3-9
電話番号:03-3684-2321
URL:http://o-nakanohashi.com/
※この情報は2018(平成30)年8月時点のものです。

様々なイベントで地域を繋ぐ/大島中の橋商店街振興組合
所在地:東京都江東区大島7-3-9
電話番号:03-3684-2321
http://o-nakanohashi.com/