地元の名産品を強みに、ユニークなまちづくり活動を展開する「柿生中央商店会」/柿生中央商店会 会長 赤本昌応さん

日本最古の甘柿とされる「禅寺丸柿」が地名の由来という柿生。街の窓口である「柿生」駅は、小田急小田原線が開通した1927(昭和2)年に開業した麻生区で最も古い駅だ。都心へのアクセスもよく、駅周辺には商店街や生活施設もあるので暮らしやすさには定評がある上、昔からのレトロな雰囲気を引き継ぐ街並みは、日々の暮らしにどこかほっとできる安心感を与えてくれる。
近年、街ではご当地ゆるキャラの制作をはじめ、地元をPRするプロモーションビデオ(PV)を撮影するなど、積極的に街の活性化活動を展開している。今回は、「柿生中央商店会」の会長である赤本昌応さんを訪ね、そうしたまちづくりの取り組みや柿生周辺エリアの魅力について、お話しを伺った。

 

地元企業や学生・地域と連携して地域活性を図る

―まず、「柿生中央商店会」の歴史や概要を教えて頂けますでしょうか。

赤本さん:商店会がいつ頃始まったかは残念ながら記録に残っていないのですが、加盟店舗数は現在42店舗で、ここ10年くらいはこの数はほとんど変わらず推移しています。お店の業態としては、菓子店や美容室が多いです。
駅前にアーケード街などがあるというわけではなく、加盟店が分散しているためこじんまりとした印象ではあるかと思います。ただ、毎年「禅寺丸柿まつり」という大きな催しがあり、その際には集まって一緒に情報発信、PR活動等を活発に行っているという点がこの商店会の特色と言えると思います。

「禅寺丸柿まつり」の賑わいの様子
「禅寺丸柿まつり」の賑わいの様子

―商店会の活性やまちづくりの取り組みとして、具体的にどのようなことを行っているのですか?

赤本さん:まちづくりの一環として、麻生区の木としても制定されている「禅寺丸柿」にちなんだキャラクター、「かきまるくん」を数年前につくりました。元々は専修大学の学生の“柿生商店会のキャラクターを作ったらどうか”というアイディアからスタートし、地元の小中学校に応募用紙を配って地域の子どもたちからキャラクターのイラストを募りました。そして集まった作品の中から1点を採用し、それをベースにキャラクター化して「かきまるくん」が誕生しました。その後、麻生区役所の協力を得て、着ぐるみを作りました。「かきまるくん」は今、麻生区のゆるキャラとしてあらゆる場所で活躍しています。

禅寺丸柿をモチーフにしたゆるキャラ「かきまるくん」
禅寺丸柿をモチーフにしたゆるキャラ「かきまるくん」

 

2018年で20回目を迎える「禅寺丸柿まつり」

―地域の一大イベントである「禅寺丸柿まつり」について詳しく教えてください。

赤本さん:「禅寺丸まつり」は、「柿生中央商店会」が主催となり、毎年10月に「柿生駅南口広場」や駅近くの駐車場を会場に開催しています。毎年3,000人程が来場する柿生エリアの一大イベントで、今年(2018年)で20回目を迎えます。参加者は地元住民の方が中心ですが、お祭りの時に販売する貴重な「禅寺丸柿」を購入するために遠方から来られる方もいらっしゃいます。

柿生中央商店会 「禅寺丸柿」の即売に大勢の人が集まる「禅寺丸柿まつり」
柿生中央商店会 「禅寺丸柿」の即売に大勢の人が集まる「禅寺丸柿まつり」

柿生の地域資源である「禅寺丸柿」のPRと、地域全体を盛り上げるために、さまざまなイベント企画も行っており、抽選会やダンスグループのステージパフォーマンスの他、「柿の種飛ばし大会」や「柿の皮むき大会」、専修大学生企画の屋台やゲーム、地元の「HEAT UP」というプロレス団体による屋外プロレスといったユニークなプログラムもあり、とても盛り上がりますよ。

「HEAT UP」主催の屋外プロレスの様子。「かきまるくん」も参戦!
「HEAT UP」主催の屋外プロレスの様子。「かきまるくん」も参戦!

「柿まつり」以外の商店会の恒例イベントとしては、毎年1月下旬に地元の神社で「だるま市」があり、「柿生」駅が比較的玄関口になりやすいので、そこで商店会がお餅の販売や甘酒の無料配布などを行ってお客さんを歓待しています。その他にも、 「川崎フロンターレ」の選手握手会や、3月から4月にかけて開催される「麻生川桜まつり」期間に商店会として参加したりもしています。またイベント以外のまちづくりの取り組みとしては、規模は小さいですが、駅前の花壇に花を植えるなどの街の美化活動なども行っています。

まちを盛り上げるための、さらなる取り組み

―柿生のプロモーションビデオ(PV)の撮影を進められているそうですが、このユニークな取り組みはどのように生まれたのでしょうか?

赤本さん:そもそものプロジェクトの始まりは、「柿生中央商店会」では、毎年専修大学のインターンシップ生の受け入れをしており、「柿まつり」でどんな企画を行ったらいいか、色々な案を出してもらっています。その中で、“柿生の歌を作ったらどうか?”というアイディアが出てきたんです。ちょうど同時期に、下麻生にスタジオを構えるミュージシャンの「bless4(ブレスフォー)」さんからも商店会活動をやりたいとお話を頂いたこともあり、彼らに作曲をお願いできないかと相談したところ、全面的に協力していただけることになりました。

「禅寺丸柿まつり」のステージで柿生のイメージソング“かきくけかきお”を披露する「bless4」の皆さん
「禅寺丸柿まつり」のステージで柿生のイメージソング“かきくけかきお”を披露する「bless4」の皆さん

まずは「柿生」から連想する言葉集を作るためのアンケートを地元の「柿生小学校」と「柿生中学校」に配り、その回答をアーティストの育成やプロモーションを行っている「川満アート・テイメント(株)」さん(川崎市岡上)にお渡しして、回答にあったキーワードを基にして作詞をしていただき、さらに作曲と振付をお願いしました。そうして完成した柿生のテーマソング「かきくけかきお」を、去年(2015年)の「禅寺丸柿まつり」で発表しました。

それを地域の方みんなで歌って踊れるようにさらにブラッシュアップして、振付を学べるレッスンビデオを作り、この曲を使って柿生のPRのためのPVを作ることになったんです。出演者を募ったところ、現在30団体くらいから参加したいという申込があり、順番に撮影進めているところです。振付のレッスンビデオは現在商店会のホームページで公開しています。

自然豊かで生活のしやすい街。これからの賑わいが楽しみ

―柿生エリアの魅力は、どのようなところでしょうか。

赤本さん:緑が多く、犯罪がとても少なくて安全で、住まわれている方が穏やかで品のある方が多い印象です。ですから、子どもから高齢者の方までゆったりと暮らせる環境が整ったとても住みやすい、いい街だと思います。どちらかというと商売をする街、というよりも生活をする街という感じだと思いますが、これからの可能性を見出している方も結構いらっしゃって、個人経営の飲食店なども増えてきているようなので、これから賑わいを見せていく場所になっていくのではないでしょうか。

新百合ヶ丘に「昭和音楽大学」などキャンパスが多数
新百合ヶ丘に「昭和音楽大学」などキャンパスが多数

隣の新百合ヶ丘界隈は、比較的高い所得水準で質の良いものを求める方が多いので、そうしたレベルに適合できる努力をするお店が周囲に増えていると感じます。また、「新百合ヶ丘」駅の近くには昭和音学大学、日本映画大学、田園調布大学という3つの大学があり、少し離れると多摩川大学、中央大学、桜美林大学、和光大学のキャンパスがあるなど、大学が多いので若々しい活気もあります。新百合ヶ丘が牽引して柿生や上麻生全体も盛り上がりますし、柿生は新百合ヶ丘よりも物価が安いエリアでもあるので、駅回りのお店が充実してくれば若い方たちも増えて、より賑わいが出てくるのではないかと思いますね。

―これから新たに柿生に暮らす方へのメッセージをお願いします。

赤本さん:一度、街に来て歩いていただくといいと思います。川崎市の中で一番緑が多いエリアなので、黒川の方などへ行くとまだ田園風景が広がっていて川崎市のイメージではないような画が見れたり、桜の時の麻生川沿いやアジサイがきれいな「浄慶寺」の他、「香林寺」というお寺には五重塔などいろいろな見どころがあります。マンションがある現代的な風景と田舎の風景が共存している場所なので、子育て、そして老後にとても向いている街です。若い方にとっては少し刺激が足りない場所のような感じがしてしまうかもしれませんが、今だんだんとコミュニティもでき始めていろいろな仲間が集まったりする環境も整いつつあるので、これからどんどん面白くなっていく場所だと思いますよ。

春には桜が見事な、麻生川沿いの並木道
春には桜が見事な、麻生川沿いの並木道

赤本昌応さん
赤本昌応さん

柿生中央商店会

柿生中央商店会会長/麻生区商店街連合会副会長
株式会社あかもと本舗
株式会社メディスタくらしの窓新聞社
代表取締役 赤本昌応さん
URL:http://kakiochuoushoutenkai.jimdo.com/
※この情報は2016(平成28)年9月時点のものです。

地元の名産品を強みに、ユニークなまちづくり活動を展開する「柿生中央商店会」/柿生中央商店会 会長 赤本昌応さん
所在地:神奈川県川崎市麻生区上麻生5・6 
http://kakiochuoushoutenkai.jimdo.com/
https://www.facebook.com/%E6%9F%BF%E7%94..