「みて、ふれて、感動体験」を実践/所沢第六文化幼稚園 園長 阿部泰己先生


所沢第六文化幼稚園
園長 阿部泰己先生

「みて、ふれて、感動体験」を実践
ホタル舞う自然観察園で感性を培う

西武鉄道池袋線「小手指」駅の南西、茶畑に囲まれたのどかな環境にある「所沢第六文化幼稚園」。法人付属の自然観察園でホタル観賞会を行うなど、自然の中での実体験を通したユニークな保育で知られ、メディアでもたびたび紹介されている全国的にも評判の私立幼稚園だ。充実した保育環境でのびのびと成長していく子どもたちの様子と小手指エリアの魅力について、園長の阿部先生に語っていただいた。

まずは「所沢第六文化幼稚園」の概要や教育目標について教えてください。

所沢第六文化幼稚園外観
所沢第六文化幼稚園外観

開園は1977(昭和52)年、現在の防音園舎が完成したのは1989(平成元)年です。年長3、年中3、年少3の計9クラスで、年長は約30名、年中は20数名、年少は約20名の園児が通っています。
当園を含めて「所沢文化幼稚園」では、「みて、ふれて、感動体験」が一番大きなテーマです。子どもたちが実際に見て・触れて・感じて、五感を通しての体験をたくさん取り入れていく保育を目指しています。

所沢第六文化幼稚園教室
所沢第六文化幼稚園教室

そのうえで、教育目標としては、「一人ひとりを大切にする保育」「感性を大切にする保育」「基本的な生活習慣を大切にする保育」を掲げています。先生が園児一人ひとりと向かい合い対応することで、豊かに育ってほしい。実際の体験を通して、感性を培ってほしいと願っています。

また、小学校へ上がる前に社会生活の基礎となる生活習慣やルールをしっかり教えて、積み重ねながらそれぞれの個性を引き出していく保育が必要だと考えています。

「所沢文化幼稚園」といえば所沢市内の私立幼稚園の約3割を占める大規模園ですが、その中でも第六文化幼稚園の特色、子どもたちの様子をお聞かせください。

所沢第六文化幼稚園 園庭
所沢第六文化幼稚園 園庭

学校法人の「所沢文化幼稚園」は、幼稚園6つ、保育園3つ、児童クラブ1つ、自然観察園、本部事務局と、所沢市内に12の施設があります。第六文化幼稚園の特色としては、まずは環境の良さが挙げられます。周りは茶畑に囲まれ、高い建物がないので、窓を開けると風がよく通ります。都心近くでこうした環境はなかなかないのではないでしょうか。

園庭は広い庭と、砂場や遊具で遊べる中庭のふたつあり、使い分けることができます。運動会など行事の間近で広い庭が使用できないときも、中庭で遊べるので、子どもたちが気持ちを発散できて事故が減るという効果もあります。

所沢第六文化幼稚園 陸カメ
所沢第六文化幼稚園 陸カメ

それから、門のそばの小屋には、体重が30キロぐらいある陸ガメの“リッキー”がいます。陸ガメがいるのは文化幼稚園の中でも当園だけ。子どもたちは家から野菜を持ってきて食べさせたり、すごく親しんでいます。

自然観察園の利用頻度や活動内容を教えてください。

所沢第六文化幼稚園 滑り台
所沢第六文化幼稚園 滑り台

「みて、ふれて、感動体験」というテーマを最も具現化している施設が、荒幡にある自然観察園です。動物園と植物園と公園が一体化したような施設で、一日思い切り遊ぶことができます。ロバやヤギなどいろいろな動物がいて、禽舎にはクジャクやガチョウもいます。植物の種類も数百種類以上あり、四季を感じられます。本物の石炭を使って走るミニSL、全長71mの日本一長いローラー滑り台まであるんですよ。

所沢第六文化幼稚園 ひよこ
所沢第六文化幼稚園 ひよこ

子どもたちは月に2回程度、バスで自然観察園に出かけます。春から夏にかけてウサギやヒヨコを抱っこして触れ合い、夏には金魚が泳ぐ川で金魚をつかまえたり、秋には落ち葉のプールで遊ぶなど、その季節ならではの遊びを楽しみます。

所沢第六文化幼稚園 焼きいも
所沢第六文化幼稚園 焼きいも

9月にはお月見でお団子を焼いて食べ、10月には芋ほりで収穫した芋を鉄板で焼いて食べるということもしています。また、第2~第4 土曜日は10時~15時まで「開放日」という形で在園児親子らに園を開放し、一緒に遊んでもらえるようにしています。多い時だと1日1,000人近くが訪れる日もありますよ。

年間行事の中で、特徴的なものがありましたらご紹介をお願いします。

所沢第六文化幼稚園 ホタル鑑賞会
所沢第六文化幼稚園 ホタル鑑賞会

6月には、文化幼稚園で一番大きな行事である「ホタル観賞会」を自然観察園で行っています。10月頃から子どもたちと一緒に園内の川にホタルの幼虫を放流し、5月末に年長組で観賞会をした後、6月にかけて夜間に園を開放し在園児親子らにホタルを観賞していただいています。本物のホタルを見る機会は今滅多にないので、目の前で飛んで光っているホタルを 見ると、すごく感動してもらえます。

ホタルは人の手で触られることにとても弱い生き物なんですが、何十年も観賞会を続けてきて、ホタルを手でつかんでしまうような園児はひとりもいません。それだけ、感性や心が育っているのだなと感じています。

所沢第六文化幼稚園 オオムラサキ放蝶
所沢第六文化幼稚園 オオムラサキ放蝶

自然観察園では国蝶のオオムラサキ、国の天然記念物であるミヤコタナゴも特別に飼育しています。ホタルもそうですが、昔の武蔵野の自然と同じ環境に戻そうという目的で、今年度は6月に第六文化幼稚園の子どもたちがオオムラサキを放蝶しました。
そのほか、季節の行事としてぶどう狩りや芋ほり、運動会、こどもフェスティバル、音楽会などがあります。フェスティバルはいわゆる秋の子ども祭りで、餅つきやお店屋さんごっこ、おみこしを担いだりするパレードを楽しみます。

先生方が日常の保育にあたり心がけているのはどんな点でしょうか。

所沢第六文化幼稚園 稲
所沢第六文化幼稚園 稲

感性を培ってもらえるように、園庭で子どもたちと一緒に野菜を育てて、収穫して給食の時に食べたりしています。また、小さい虫を見つけて飼いたいと言う子がいたら、餌を調べてあげたりと、子どもたちが自分から興味を持ったことを大切にしながら、先生が言葉がけするようにしています。
感性を培うためには、体験をしながら子どもたちが発した言葉を先生たちも拾って返してあげる、そういう言葉のキャッチボールが大切です。ですから、園児一人ひとりを大切にし、すごく細かいところまで見ています。

明るく元気で楽しい幼稚園ということも、大きなテーマにしています。先生たちが笑顔で子どもに接すれば、子どもたちも笑顔になり、そうすると保護者も笑顔になってくれる。保護者の方が安心して子どもたちを送り出してくれる環境が作れるように心掛けています。そのほか、正門に電子錠を付けて来園者にはこちらがインターホンで確認してから入っていただくようにしたり、バスの送り迎えの際には保護者の方にお子さんのネームカードを首にかけてもらうなど、安全面にも留意しています。

第六文化幼稚園で受けられるクラブスクールについて教えてください。

サッカークラブとバトンクラブ、ECCジュニア教室をそれぞれ週1回、保育後の14時~16時の間に設けています。どれも年中から入ることができます。

年長になると、サッカークラブは、文化幼稚園主催の大会、所沢市内の幼稚園チームによる大会、埼玉県内の幼稚園やサッカークラブの子どもたちが参加するわんぱくサッカー交流大会など、年に3回ぐらい大会へ出場します。
バトンクラブは、秋に所沢航空記念公園の野外ステージ、春に所沢市民文化センターミューズの中ホールでと、年2回発表があります。サッカークラブもバトンクラブも、身体を動かすことの楽しさを知ってもらうことが大きな目的です。そのうえで、サッカーなら、「負けて悔しいけど、次頑張ろう」とか、気持ちの部分でも成長してほしい。バトンも、幼稚園のお遊戯と違って最新の曲を使って早いテンポで体を動かすので、リズム感が養えます。

預かり保育にも力を入れていらっしゃるそうですね。

所沢第六文化幼稚園 うさぎ
所沢第六文化幼稚園 うさぎ

これまで最大18時まで預かり保育を行っていたのを、今年度から早朝の預かり保育も始めました。通常8時50分までに登園していただいていますが、預かり保育は7時半から行っています。時間も延長して18時半までとし、トータルで11時間お預かりしています。さらに、ご両親がフルタイムで働いている場合、常時預かりという形で時間内にいつでも預かり保育を使えるサービスも提供しています。保護者の方たちからは、保育園で預けていたのと同じぐらい長い時間、低料金で預けられるので助かりますと、たいへん好評です。子育て支援という部分で幼稚園でも預かり保育を充実させ、お子さんを安心して預けてほしいと思っています。

最後に、小手指エリアの街や子育て環境の魅力について、お聞かせください。

所沢第六文化幼稚園 庭
所沢第六文化幼稚園 庭

当園の周辺もそうですが、緑が多くて公園がたくさんあるので、子どもたちが自由に遊んでいますね。公園があると、大きい子と小さい子が混在し、異年齢の関わり合いの中で成長する面があるのかなと思います。

また、小手指は交通の便もよく、西武線が頻繁に運行していて、バス路線も複数あります。大きな道路が走っているので、いろいろな商業施設へも車ですぐに行くことができます。近所のおじいちゃん、おばあちゃんが声を掛けてくれたり、畑で採れた野菜をくれるなど、住んでいる人たちも気さくです。

このあたりは古くからの地主で、3世代で住んでいらっしゃるというご家族が多く、文化幼稚園を卒園したという保護者も結構いらっしゃいますよ。一方、周囲にどんどん戸建てやマンションができているので、新しいコミュニティができてさらに住みやすい街になっているのかなとも感じています。

所沢第六文化幼稚園 園長
所沢第六文化幼稚園 園長

今回、話を聞いた人

所沢第六文化幼稚園

園長 阿部泰己先生

所沢第六文化幼稚園
所在地:所沢市北野1-1-22
電話番号:04-2948-1311
URL:http://www.toko-bunka.ed.jp/

※2015(平成27)年7月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

「みて、ふれて、感動体験」を実践/所沢第六文化幼稚園 園長 阿部泰己先生
所在地:埼玉県所沢市北野1-1-22 
電話番号:04-2948-1311
教育時間:8:30~14:00
休園日:土・日曜日、祝日、夏季・春季・冬季、年末年始
預かり保育:あり(7:30~8:30、14:00~18:30)
http://www.toko-bunka.ed.jp/kindergarten..