幅広い年代に対応した地域の子育て支援施設/共育プラザ一之江 黄木さん、鈴木さん、貫井さん
江戸川区の子育て環境について語ろうとすれば、共育プラザへの言及を避けて通ることはできない。1970(昭和45)年3月に「旧・南小岩児童館」が開館したのを皮切りに、7年間で合わせて6館が誕生。そして2005(平成17)年4月に児童館から共育プラザへと移行を果たし、現在では乳幼児とその保護者、そして小中高校生まで対応した児童福祉施設となった。今回は、「共育プラザ一之江」を訪ね、地域の子育てにおいて、施設が担う役割についてお話を伺った。
乳幼児から高校生まで、幅広い年代の子どもが対象
――「共育プラザ一之江」の概要について聞かせてください
黄木さん:当館は、区内に6館ある共育プラザのひとつです。もともと児童館だった施設ですが、2005(平成17)年4月、6館同時に共育プラザへと移行し、施設改修を経て現在にいたります。 共育プラザの設置目的は、“共育・協同の理念を実現する場として、地域における世代間の交流を通じ、青少年の健全な育成を図る”で、就学前の乳幼児とその保護者が対象の子育て支援と、中高生支援、そして世代間交流が柱となっています。
――幅広い年代層をカバーしていることのメリットについて伺えますか?
黄木:近年、兄弟姉妹のいないお子さんが増えてきたこともあり、こうした施設で異年齢の子どもたちと交流し、自然と社会性が身につけられることの意義はとても大きいのではないかと思います。利用時間は9時からで、乳児と保護者は17時、小学生と中学生はそれぞれ17時と19時。高校生は21時まで利用することができます。
子どもたちの活動をサポートする充実の設備
――「共育プラザ一之江」には、どのような施設があるのですか?
黄木:事前登録したグループ等が打ち合わせなどに使用できる「会議室」、そして待ち合いスペースが1階にあり、2階には、就学前の乳幼児とその保護者が利用できる「子育てひろば」、卓球やバスケットボールに対応した「スポーツルーム」のほかに、電子レンジを設置した食事可能な「多目的室」があります。
そして3階には、図書の閲覧・貸出を行なっている「談話室」や、静かな空間で各自自習ができる「学習室」、さらには「音楽室」、ドラムセットなどを置いた「防音スタジオ」があります。それと、当館だけの部屋として「パソコンルーム」があることも特徴に挙げられると思います。屋上に上がると、バスケットやフットサルが楽しめる「屋外球技場」もありますよ。
乳幼児とその保護者が気兼ねなく楽しく過ごせる場
――「子育てひろば」について少し詳しく聞かせてください
鈴木:“乳幼児とその保護者が気兼ねなく楽しく過ごせる場”です。また、くつろいだ雰囲気の中で安心して過ごすことができるように環境づくりには工夫しています。色々な方と交流しながら、子育てに関する情報交換もできますし、年齢・月齢に合った遊具、絵本コーナーもかなり充実しており育児本も揃えてあり、絵本の貸し出しも行います。授乳コーナーやベビーベッドもあるので、ぜひリラックスして過ごしていただけたらと思います。
そしてこれは当館の特徴ですが、1歳児から使用できる「わくわくひろば」と、0・1歳児から利用できる「よちよちひろば」が壁で区切られておらず、同じフロアにあるので、よりたくさんの交流ができる場所となっています。
――「子育てひろば」では、色々なプログラムを実施されているそうですね
貫井:「わくわくタイム」「わんぱくタイム」「0歳児あつまれ!」「ままトークのwa」「お誕生会」「お父さんといっしょ」など、利用される方のニーズに即したプログラムを用意しています。このほかにも、保育園と連携した「子育てフェスティバル」、「春フェス」や「クリスマス会」といったイベントもあります。
――地域ボランティアの方からも協力をいただけていると伺いました
貫井:大変ありがたいことに、これまでの経験やスキルを活かして力になってくださる方がいらっしゃいます。もともと利用者だった方で、お子さんが大きくなられてから恩返しがしたいと来てくださる方もいて、私たちとしては本当に嬉しく、また心強く感じています。
――子育て相談もされているそうですね
鈴木:子育てひろばでは、指導員と専門指導員が見守りをしています。子育てに不安や悩みなどをもっている時など職員が専門知識を生かして援助、アドバイスをしています。「温かく迎えてくれる」「気軽に相談に応じてくれる」といった雰囲気作りを日々心がけています。
自然豊かで、子育て世代に優しいエリア
――利用される方と接する際、特に心掛けていることはありますか?
鈴木:笑顔でお迎えし、帰られるときも“また来てくださいね”と声を掛けています。いつでも何度でも、気軽に訪ねられる雰囲気づくりに努め、また遊びに来ようと思っていただけるような施設でありたいと考えています。
――最後に、一之江エリアの子育て環境について聞かせてください
黄木:古くから住まれている方が多いせいか、人と人との繋がりがより密接なように感じます。例えば歩道にいるお子さんに自転車が接近した時に、「危ないよ」と声をかけてくれる、地域で子どもを見守っているような地域性があります。
鈴木:江戸川区全体に言えることですが、自然を身近に感じることができ、親水公園をはじめ、子どもさんが笑顔になる環境があります。人も街も子育て世代に優しいということが、一之江エリアの魅力のひとつではないかと思います。
共育プラザ一之江
黄木さん、鈴木さん、貫井さん
所在地:東京都江戸川区一之江3-13-7
TEL:03-3652-5911
URL:https://www.city.edogawa.tokyo.jp/kyoiku_plaza/plaza_ichinoe/
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。
幅広い年代に対応した地域の子育て支援施設/共育プラザ一之江 黄木さん、鈴木さん、貫井さん
所在地:東京都江戸川区一之江3-13-7
電話番号:03-3652-5911
開館時間:火~金曜日9:00~21:00、土・日曜日9:00~17:00
休館日:月曜日(祝日の場合、翌日も休館)、祝日、年末年始
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/kyoiku..