スペシャルインタビュー

早稲田の街でライフスタイルを彩るお店を。日本初のブリュレフレンチトースト専門店/ForuCafe(フォルカフェ)代表取締役 平井幸奈さん


「早稲田」駅からから早稲田通りを少しだけ高田馬場寄りに進むとある「ForuCafe(フォルカフェ)」は、「早稲田大学」出身の店主が、在学中に立ち上げた小さなカフェ。看板メニューは“日本初”でもあり、“世界初”でもあるという「ブリュレフレンチトースト」。その珍しさからマスメディアなどの注目を集めた時期を経て、現在は落ち着いた地元密着型のカフェとしての雰囲気も感じさせる。

店主の平井幸奈さんは、“世界一の朝食”で知られるあの人気カフェ「bills(ビルズ)」のフレンチトーストに魅了され、シドニーの本店でも働いたという、好奇心あふれる笑顔の素敵な女性だ。現地の人々の豊かな日常に刺激を受け、帰国後「日本の女性たちのライフスタイルを彩りたい」という思いを胸にこの店を開いたそう。現在はカフェ経営以外にも、オリジナル商品の販売やプロデュースにも精力的に取り組んでいる。今回はそんな平井さんを訪ね、「ForuCafe」のこだわりと、早稲田の魅力についてお話を聞いた。

大学在学時にお店をオープン

「ForuCafe」を経営する平井幸奈さん
「ForuCafe」を経営する平井幸奈さん

――まずは、お店のコンセプトについてお聞かせください。

平井さん:2013(平成25)年9月にオープンしたお店で、「日本初のブリュレフレンチトースト専門店」という肩書をつけています。ブリュレとはフランス語で“焦がす”という意味がある言葉なのですが、甘いフレンチトーストの表面に、カソナードというお砂糖をまぶして、バーナーで焦がし、パリッとした新食感のフレンチトーストにしています。お食事系のフレンチトーストも提供していますから、ランチや軽い夕食などとしてもお召し上がりいただけます。

――「ブリュレフレンチトースト」は平井さんが考案されたということですね。

平井さん:はい。私が開発した、ここだけの独自商品です。メディアなどでも紹介していただき、今では関西圏で出していただけるお店もありまして、スタッフの間で「本当に“日本初”になったね!」なんて言っています。嬉しいですね。

看板メニューの「ブリュレフレンチトースト」
看板メニューの「ブリュレフレンチトースト」

――ご自身が「早稲田大学」在学中にお店を開業されたそうですね。その背景には、どんな思いがあったのですか?

平井さん:私が大学2年生の時に表参道の「bills」でアルバイトを始めたことがきっかけです。もともと留学したいという思いもあり、両親に相談したところ「お金は自分で用意しなさい」とひと言。それなら働きながら留学すればいいと思い、料理長に頼み込んで、シドニーの本店で働かせてもらえるように手配していただいたんです。それからオーストラリアに渡り、ワーキングホリデーの制度を使って本店で働かせていただきました。その時にプロフェッショナルな料理人と触れる機会もありまして、自分でも何かをやってみたいという思いが芽生えてきました。

ワーキングホリデーの間は総料理長のアシスタントもやらせていただいてすごく良い経験になったので、何か形にして発信できたら、と思いながら帰国しました。それからは料理教室やカフェのプロデュースをするなど紆余曲折を経て、まずは小さくても自分がすべてをプロデュースするお店をつくろうということで、この店が生まれました。

「bills」は“女性が憧れを持つお店”ということをひとつのポリシーにしているんです。美味しいだけではなく、『それを食べている私』という体験までをひとつのパッケージとして提供している店です。私もそういった体験をしてもらえるお店をつくりたい、という思いがありました。

――そんな思いが詰まった店を出すロケーションに、早稲田を選んだのはなぜですか?

平井さん:最初は表参道や代官山で場所を探していたんですが、やはりすごくお金がかかることがわかり頓挫してしまいました。それからは別の地域も探すようになり、土地勘がある場所がいいという思いもあったので、自分が暮らす早稲田の街に決めました。

暮らしを彩る数々のアイディア

愛着のある早稲田の街の一角にオープン
愛着のある早稲田の街の一角にオープン

――「ブリュレフレンチトースト」以外にも、「フォルグラノーラ」「ドラフトコーヒー」と、他店にはない商品が看板商品となっていますね。これらの特徴を教えてください。

平井さん:メインの「ブリュレフレンチトースト」は“五感を刺激するフレンチトースト”がテーマになっています。見た目も華やかで、食べて美味しく、見て楽しい、さらにこの空間も含めて、『それを食べている自分』に価値や幸せを感じていただければと思っています。

「フォルグラノーラ」は、フレンチトーストの次に商品化しました。もとはスタッフのまかないとして作っていたグラノーラを、美味しいから商品化してみようという話になったのがきっかけです。カフェの2階にある工房で作っていまして、高島屋や東急プラザなどでも販売しています。持ち帰りや常温保存が可能な商品なので、今後いろいろな可能性が広がると思っています。

カフェ内の工房でつくっている「フォルグラノーラ」
カフェ内の工房でつくっている「フォルグラノーラ」

「ドラフトコーヒー」は、「フォルグラノーラ」の販売促進でシンガポールに行った時に、現地の方がビールサーバーからコーヒーを注いでいたのを見て、“面白い!日本に持ってきたい!”と思ったことがきっかけです。コーヒーを7時間かけて水出しし、樽詰めをして、窒素を注入たうえで提供しているんです。見た目は黒ビールのようですが、窒素ならではのまろやかな口当たりを楽しんでいただけます。

クリーミーな口当たりが特徴的な「ドラフトコーヒー」
クリーミーな口当たりが特徴的な「ドラフトコーヒー」

基本的には日常生活の中で、これいいかも、と感じたものを商品化していくという流れですね。その時は、女性ならではの視点を大事にしています。カフェにも社名にもついている「フォル」は「FOR YOU(U)」という意味を込めていますので、人々のライフスタイルを彩るような商品を、今後もどんどん発信させていただきたいなと思っています。

――サービスや空間づくりについて、女性ならではの思いやこだわりがあれば教えてください。

平井さん:空間も、同じく「FOR YOU」がコンセプトですので、「ハート」のモチーフを店内のさまざまなところに隠していたりします。入った瞬間、「あ、可愛い」と感じていただけたら嬉しいですね。小さなお店ではありますが、ゆっくりと楽しく過ごしていただけるように心がけています。

街の人に愛されるお店へ

装飾一つ一つにも女性らしいセンスとこだわりが詰まっている
装飾一つ一つにも女性らしいセンスとこだわりが詰まっている

――どのようなお客様が多いのでしょうか?

平井さん:立地上もちろん学生さんも多いのですが、夕方や夜、特に週末は女性がひとりで来られたり、ご家族一緒だったり、幅広いお客様に使っていただいています。夜は「ナイトアフタヌーンティー」をやっていますので、その時間帯は20代、30代の女性の方の利用が多く、年間を通しても一般のお客様が中心のお店です。

――今後の展開の予定や、平井さんご自身の夢についてお聞かせください。

平井さん:「ForuCafe」としてではなく、会社「フォルスタイル」としてのビジョンになりますが、「ブリュレフレンチトースト」をはじめとした一つひとつの商品ブランドを強くすることが大事だと思っているので、しっかりプロデュースをして、世の中に広げていきたいと思っています。

また一方で、これからどんどん会社が成長していく中、自分たちの生活の中にある“あったらいいな”を、新しいブランドとしてプロデュースできればと思っています。ゆくゆくは、食を基点に人々のライフスタイルを彩っていきたいというのが私の夢ですね。その中で「ForuCafe」については、地元の方に愛されるというのも大事なフェーズだと思っていますので、今後も地元の方を大切にしたお店づくりをしていきたいです。

魅力溢れる早稲田という街

――続いて「街の魅力」についてお聞きします。早稲田と言えば学生街のイメージが強い場所ですが、大人の女性の視点から、街の魅力や個性はどのような点にあるとお感じですか?

平井さん:私も早稲田に6年ほど住んでいますが、住みやすい街だと感じますね。大学があるので治安は良いですし、都会のガヤガヤ感がないです。それでいて、どこへ行くにもアクセスが良く、飲食店やスーパーも多いので生活するうえではとても便利です。

買い物や生活利便施設も揃い、暮らしやすい環境
買い物や生活利便施設も揃い、暮らしやすい環境

飲食店についても、学生街だと「安くてボリューム満点」というようなお店が浮かびますが、早稲田には繊細で凝った料理を出す店もたくさんあるんです。選択肢も多いので、そうした飲食店を巡るのも楽しいと思います。

私は「早稲田大学」の学生だったので、この場所に特別な愛着があるのですが、客観的に見れば、高田馬場や神楽坂、新宿といった特徴的な街に囲まれていながらも、落ち着いて静かに暮らせる街なのかと思います。

――この街のおすすめの過ごし方、おすすめのお店や場所などがあれば教えてください。

神田川沿いの遊歩道
神田川沿いの遊歩道

平井さん:一番は「ForuCafe」ですね(笑)!また「大隈庭園」も素敵ですし、春は神田川沿いの桜もきれいですよ。飲食店では「montee(モンテ)」というカジュアルフレンチのお店や、学生は入れない大人向けの「キッチンブイ」というバルがあったりして、私も時々行っています。一方で、昔ながらのうなぎ屋さんや老舗そばの「金城庵」もあり、幅広い年代の方が楽しめる街だと思います。

――最後に、これから早稲田に住みたいという方に向けて、メッセージをお願いいたします。

平井さん:早稲田は各方面へのアクセスも良く、コンパクトにいろいろなものがまとまっているので、すごく暮らしやすい街だと思います。その街の中で、私たち「ForuCafe」も気軽に来ていただけるようなお店を目指していますので、ぜひお越しください。

ForuCafe (フォルカフェ) 店主 平井さん
ForuCafe (フォルカフェ) 店主 平井さん

Foru cafe(フォルカフェ)

株式会社フォルスタイル 代表取締役 平井幸奈さん
所在地 :東京都新宿区西早稲田2-4-26
TEL :03-6233-8739
URL:http://forucafe.com/
※この情報は2017(平成29)年4月時点のものです。

早稲田の街でライフスタイルを彩るお店を。日本初のブリュレフレンチトースト専門店/ForuCafe(フォルカフェ)代表取締役 平井幸奈さん
所在地:東京都新宿区西早稲田2-4-26 1F
電話番号:03-6233-8739
営業時間:11:00~18:00(L.O.17:30)
定休日:年末年始
https://forucafe.com/