市民と行政が一緒につくる、防災と子育てに強い弥富市/弥富市役所 秘書企画課
名古屋や関西へのアクセスが良く、平坦で住みやすい環境から、子育て世帯が増え、活気づく弥富市。一方で弥富市は安全で安心な暮らしのために市民と一緒に防災対策を推進している。都市と自然が調和する弥富市のまちづくりや防災と便利になる新庁舎について、弥富市秘書企画課をはじめ、各課の担当者にお話を伺った。
名古屋市とのアクセスが良い、日本有数の金魚のまち
――まずはじめに弥富市の概要について教えてください。
総務部 秘書企画課 横井さん:弥富市は海抜0メートル地帯が広がる平坦な地形です。江戸時代から始まった干拓により、農地や市街化地域の広がりが進み、現在に至ります。名古屋市の西側20km圏内ということもあり、筏川以北に住宅地が広がり、名古屋のベッドタウンとなっています。近年は新しいマンションや戸建住宅も目立ってきています。また、筏川以南は主に水田が広がり、港湾付近は工業地帯となっています。
開発部 商工観光課 梶浦さん:弥富市といえば金魚。金魚3大産地の1つに挙げられています。江戸時代に東海道を旅していた金魚売りが金魚を休ませるためにこの辺りに池を作って放ったことが弥富金魚の始まりとされています。水や土が金魚の飼育に適していたため、その後どんどん養殖が発展していったそうです。金魚農家数は減少していますが、今でも91軒あり、生産量と登録品種数は全国トップクラスを誇ります。
誰もが使いやすい、いざという時の防災拠点となる新庁舎
――現在、「弥富市役所」が建替工事中ですが、どのような庁舎になるのか教えてください。
総務部 庁舎建設準備室長 伊藤さん:現在の庁舎は1966(昭和41)年に建てられたものなので、老朽化が著しく、防災拠点としての役割を担う庁舎として必要な耐震基準を満たしていませんでした。今後懸念されている東南海地震等に備えることを考慮し、新庁舎は災害時の防災拠点となるように現在建替工事を行っています。また、どなたでも気軽に来庁していただけるように、ユニバーサルデザインはもちろん、使いやすくてわかりやすい庁舎になるよう設計しています。駐車場からそのままベビーカーで入ることができ、また、庁舎の中に保健センターも入るので、子育て世帯の方には便利に利用していただけると思います。また、市民ギャラリーを設けるなど、オープンな市役所庁舎にしますので、市民と行政の交流の場となることも期待しています。新庁舎完成は2020(平成32)年1月末を目指しています。
若い人の意見を取り入れて進める市民協働のまちづくり
――発展を続ける弥富市ですが、まちづくりの将来像について教えてください。
横井さん:まちづくりについては、2009(平成21)年度から10年計画で策定した「第1次弥富市総合計画」にある将来像「みんなでつくるきらめく弥富 自然と都市が調和する元気交流空間」に基づいて進めてきました。この計画は2018(平成30)年度をもって終了するため、2019(平成31)年度からは「第2次弥富市総合計画」を策定し、これをまちづくりの指針としていきます。
――「第2次弥富市総合計画」は策定中ということですが、どのように進められているのでしょうか。
横井さん:市民のみなさんが理想としているまちを実現するために、「市民ワークショップ」を行いました。参加者40名ほどが「都市整備」「生活環境」「保健・医療・福祉」「教育・文化・スポーツ」「産業」「人権・協働・行財政」の6つのテーマに沿ってグループに分かれ、弥富市の良いところと悪いところを出し合い、どのように解決すれば良いのかを討議しました。市民はもちろん、市の若手職員、連携協定を結んでいる愛知大学の学生も参加し、若い人の意見を取り入れています。ほかにも、一般市民や市内の全中学生からのアンケートも参考にしています。なかでも愛知大学の学生は、弥富市の課題を見つけるために弥富市の各課でヒアリングをしてくださいました。その研究結果を論文に、市民や市向けに発表してくださいます。また、同計画の愛称とロゴも市民から募集するなど、市民の方を巻き込みながらまちづくりを進めています。
地域で助けあう「共助」を、「市民ワークショップ」で考える
――まちづくりの重点としているうちの一つ、防災に関してはいかがでしょうか。防災に関しても「市民ワークショップ」を開かれたそうですが。
総務部 危機管理課 岩田さん:2016(平成28)年度は「津波」をテーマに、2017(平成29)年度は「共助」をテーマにした「弥富市防災ワークショップ」を行いました。2017(平成29) 年度は全7回、述べ600人以上の方が参加し、実際に災害が起きた時、高齢者や障がい者、乳幼児等の要配慮者を地域でどのように助けていくのかを話し合いました。行政と地域、保育所の所長さんにも参加していただき、相互に助け合えるまちづくりを築いています。
新婚世帯から高齢者を介護する世帯まで、幅広く支援
――そのほか、弥富市の特徴的な取り組みがあれば教えてください。
横井さん:市内で新生活を始められる方に活用していただきたい制度が「新婚新生活支援補助金」です。結婚に伴う新生活のスタートを弥富市で後押しするため、新居となる住宅の購入費や賃料、引越しにかかった費用について1世帯当たり24万円を上限として補助金を交付しています。2019(平成30)年度も継続していく予定なので、弥富市での新生活を始めるきっかけにしていただきたいと思います。
また、弥富市は市制10周年を迎えた2016(平成28)年に「弥富市健康都市宣言」をしました。一人ひとりがより良い生活習慣を心がけ、地域社会全体で健康作りを進めていくことを目指しており、毎年秋に開催している「健康フェスタ」は弥富市の中でも大きなイベントとなっています。
そして、弥富市の人口の25%を占める高齢者の方がいつまでも健康で生きがいをもって自立した生活を送ることができるような取り組みも行っています。例えば、市から「JA愛知厚生連 海南病院」へ委託をしている「地域包括支援センター」や「弥富市ささえあいセンター」などは高齢者の方の生活に関する困りごとを相談できる窓口になっていたり、高齢者の方をサポートする組織になっていたりと高齢者ご本人のみならず、そのご家族の支援としてもこれらの事業を活用していただきたいと考えています。
休日も楽しめる充実のイベント
――弥富市内で開催されるイベントについて教えてください。
梶浦さん:毎年秋に、金魚の美しさを競う品評会「金魚日本一大会」が開催されています。日本中の金魚愛好家が集まり、珍しい金魚を鑑賞することができます。毎年4月には「三花(さんか)まつり」と呼ぶ弥富市3大まつりを行っています。上旬には桜がメインの「春まつり」、中旬には芝桜がメインの「芝桜まつり」、下旬には藤がメインの「藤まつり」を行っています。「春まつり」では金魚の品評会が、「藤まつり」では神楽太鼓などの伝統芸能が披露され、花以外の催し物も楽しめます。さらに「三ツ又池公園」で咲く約10万株の芝桜は、2008(平成21)年度から市民と行政との協働のまちづくりの一環として植栽がはじまり、毎年11月頃に市民ボランティアの参加によって植栽され、弥富市の新しい観光スポットともなっています。
良好なアクセス、医療機関の充実、生活に便利なエリア
――弥富エリアの魅力について教えてください。
横井さん:JR関西本線や近鉄名古屋線などの鉄道、東名阪自動車道や伊勢湾岸自動車道といった高速道路が東西に走っているので、交通アクセスが便利な地域です。「名古屋」駅までは約15分、「中部国際空港」まで公共交通機関を使って最速で50分ほどで行けるので、海外へ行くときにも便利です。
また、市内にスイーツ店が多いのも特徴です。市民の中で「やとみスイートハートプロジェクト」が立ち上がり、「やとみ恋巡りスイーツマップ」を作成したり、各種イベントに出店したり、弥富市の魅力を新しいアプローチでPRして、まちの活性化を目指しています。
市街化地域に新しいマンションや戸建が増えている影響で、実際に子育て世帯が増えてきています。一方で、市民主導のプロジェクトが立ち上がるなど、若い方たちによるまちづくりが盛り上がりをみせています。たくさんの人に愛され、親しまれながら、将来を担う子どもたちの夢と希望が広がる弥富市になることを期待しています。
弥富市役所
総務部 庁舎建設準備室 伊藤重行さん
開発部 商工観光課 梶浦智也さん
総務部 秘書企画課 横井克典さん
総務部 危機管理課 岩田繁樹さん
所在地:愛知県弥富市前ケ須町南本田335
電話番号:0567-65-1111
URL:http://www.city.yatomi.lg.jp/
※この情報は2018(平成30)年1月時点のものです。
市民と行政が一緒につくる、防災と子育てに強い弥富市/弥富市役所 秘書企画課
所在地:愛知県弥富市前ケ須町南本田335
【弥富市役所】
電話番号:0567-65-1111(代表)
業務時間:8:30〜17:15
閉庁日:土曜日・日曜日・祝日、12月29日から1月3日
http://www.city.yatomi.lg.jp/
【弥富市立図書館】
電話番号:0567-65-1117
開館時間:火曜日~金曜日 9:00~19:00
土曜日・日曜日・祝日 9:00~17:00
http://www.yatomi-library.com/