スペシャルインタビュー

整備再開発事業で変貌を遂げる国分寺駅北口エリア/国分寺市まちづくり部駅周辺整備課 久保さん、蜂須さん

JR中央線「国分寺」駅の北口側で進められている再開発事業「国分寺駅北口地区第一種市街地再開発事業」。半世紀以上前から計画されていたこの事業は、ここ10年ほどで一気に工事が進み、2018(平成30)年の春に駅直結の2つの再開発ビル「cocobunji WEST」と「cocobunji EAST」が完成、さらに現在は、広々とした交通広場を整備するために工事が進められている。
今後、国分寺エリアはどのような姿に変わっていくのか。今回、国分寺市のまちづくり部駅周辺整備課の久保さんと蜂須さんのお二人にお話を聞いた。

再開発ビルの1つ、「cocobunji WEST」
再開発ビルの1つ、「cocobunji WEST」

再開発でさらに魅力を増す「国分寺」駅北口エリア

――まず、この再開発事業の位置づけと、今後の整備スケジュールを教えてください

久保さん:「国分寺駅北口地区第一種市街地再開発事業」は、市が開発対象のすべて土地を所有しているというわけではなく、以前から住んでいらっしゃる方々の建物を集約して、その有効性を追求するという目的のもと進められてきました。最初に開発の案が出たのは今から50年以上も前、1965(昭和40)年のことになります。(「国分寺」駅北口側には)狭小な建物がたくさんあり、街の安全性や、快適な環境という面で課題を抱えていましたので、その課題を解決しよう、ということが始まりだったようです。

それから半世紀を経て都市計画として決定しまして、ようやく2017(平成29)年度、駅前の再開発ビル部分の工事が終わったという段階です。今は再開発ビルの北側に広がる、交通広場の整備を進めておりまして、これについては2019年度末の工事完了、2020年度4月以降の供用開始を目指して進めています。

久保さん
久保さん

再開発ビル「cocobunji」(ココブンジ)について

――再開発地区全体に「cocobunji」(ココブンジ)というタウンネーミングを付けられていますね。この名前はどのようにして生まれたのでしょうか?

久保さん:この名前は市民の方からの公募で決まったもので、約380の案の中から選ばれたものです。有識者、地元の商店会の代表者、市民公募の方などで組織される検討委員会で、応募のあった全ての案を様々な視点から検討して、3案まで絞り、市民投票を行いました。その結果、子どもたちから特に支持された「cocobunji」が、2位に約1600票差を付けて選ばれました。

この名前の応募者は市内在住、在勤の方なのですが、「coco」は「communication」と、「宇宙開発」にちなんだ「cosmic」の頭文字を取っており、そこに国分寺の名前を合わせています。宇宙開発というのは、昔、国分寺にある早稲田実業でペンシルロケットの水平発射実験に初めて成功した、というエピソードがあり、「宇宙開発の発祥の地」であるという点にちなんでいるんです。

市民投票により決まったタウンネーミング「cocobunji」
市民投票により決まったタウンネーミング「cocobunji」

久保さん:再開発ビルはあくまでも民地ですので、本来は権利者さんたちの所有なのですが、今回、国分寺駅から交通広場に至る自由通路の部分については、「国分寺市が維持管理の相当分のお金をビルの管理組合にお支払いして、公共の通路として通させてもらう」という協定を結びまして、24時間、誰でも通れるようになっています。こういった、「民間のビルの中に公共の通路がある」というケースは、全国的にも非常に珍しいかと思います。
ほかにも、ビルの外周には、建物をぐるっと廻るように歩行者デッキが設けられていまして、いろんな方向に抜けられるような作りになっています。

「cocobunji EAST」
「cocobunji EAST」

――「cocobunji WEST」の5階には、市の施設である「cocobunjiプラザ」がありますね。これはどういった施設なのでしょうか?

久保さん:こちらは文化振興課所管になりますが、わかる範囲でお話ししますと、ここには、市の部署としての文化振興課が配置されておりましてさまざまな業務を行っています。そのほか、もともと西武多摩湖線の橋梁の下にあった「市民サービスコーナー」の機能を、同プラザの開設と同時に移転させています。

「cocobunjiプラザ」内にある「市民サービスコーナー」
「cocobunjiプラザ」内にある「市民サービスコーナー」

それ以外のスペースについては、「リオンホール」をはじめ、セミナールーム、カフェスペースに分かれていまして、これらについては市の直轄ではなく、委託事業者に運営してもらっています。「リオンホール」は遮音性が高いホールですので、商業的なコンサートも可能ですし、先日は結婚式をホールで開いて、カフェで二次会をされた、という方もいらっしゃいました。将来的には、もっといろいろな使い方をしていただけるような体制を整えていきたい、と考えております。

また、カフェについては、市内にある「カフェスロウ」というお店が、支店として「カフェローカル」という店舗をやってくださっていて、地産野菜などを使用したメニューを召し上がっていただけます。館内にはフリーWi-Fiも整備しており、誰でもご利用いただけるようになっています。

「cocobunjiプラザ」内にある「カフェローカル」では地産メニューを楽しめる
「cocobunjiプラザ」内にある「カフェローカル」では地産メニューを楽しめる

交通広場の整理で、より便利になる駅前

――これから駅前に完成する交通広場の特徴と、新しく生まれる利便性について教えてください。

久保さん:もともと「国分寺」駅北口周辺に関しては、道路整備が脆弱で、駅前に緊急車両が入れない、といった課題がありましたので、その解決が今回の目的のひとつになっています。ですので、駅前を再開発したことで、新しい交通渋滞を生み出すことがないように、今回の再開発事業では、「駅前に車を入れ込まずに、自転車や歩行者を優先する」ということもコンセプトにしています。

また、この交通広場の中には5つのバス停留所と、2つのタクシーの乗降場を集約していく予定ですが、一般自動車については基本的に乗り入れ禁止にしました。「kiss-and-ride(キスアンドライド)」といって、車を一時的に寄り付けて、降車後にすぐ離れてもらうような形をとっていきます。また、これらの乗降場はすべて屋根のある通路で駅とつなげまして、雨の日でも濡れずに駅の中まで行ける、あるいは、駅からバス乗り場に行ける、といった形にして、利用者の利便性を図りたいと考えています。こちらの図を見ていただければ、一目瞭然でしょうか。

「国分寺」駅交通広場の完成予想図
「国分寺」駅交通広場の完成予想図

――駅前から北に伸びる、新しい道も敷設予定されているそうですね。

久保さん:そうですね。交通広場から北に向かって新しい道路(都市計画道路3・4・12号線)が整備される予定です。こちらは5年後くらいの供用開始を目指していまして、幅員22メートルという広い道路になる予定です。

再開発をきっかけに安心・安全な街へ

――ここ数年の街の変化について、どのようにお感じですか?

久保さん:私は国分寺の生まれ育ちなので、昔に比べると「ずいぶんきれいになったな」と感じますね。ビルができて一気ににぎやかになりましたし、商店街のにぎわいも戻ってきたと思います。
街はより明るくなったと思います。以前は狭隘な道が多くて、車が入れないようなところも多々あったのですが、電柱もなくなって、歩道も広くなって、特に子どもを持つ世代、年配の世代の方を中心に、安心して、楽しみながら歩ける環境ができてきたと思います。

蜂須さん:私も同感ですね。やはり以前の狭隘だった駅前空間から、見通しのいい空間になった、というところで、「安心・安全」といったイメージを持つ街になったと思います。店舗についても、工事中に一旦撤退されたチェーン店などが、再開発ビルの中にまた入ってきましたし、もちろん権利者さんの店舗も入っていますので、街の人にとっては「昔のなじみのお店が戻ってきた」と感じていただけているのかな、と思います。

蜂須さん
蜂須さん

久保さん:国分寺は学生さんが非常に多い街なのですが、とくに最近は、駅前周辺の学生の利用が、非常に多くなってきていると思います。芝生の広場(「cocobunji WEST」5階にある「リヨン広場」)の部分については、親子連れの方の利用も多いですし、放課後になると、学生さんが芝の上で座ったりごろ寝をしながら、談笑をしたり、お茶を飲んだりという和やかな姿も見られます。

あと、最近は町会の方が非常に積極的ですね。この駅前地区にはもともと4つの町会があったのですが、再開発ビルができたことをきっかけに、「国分寺全体を盛り上げていくためには、町会がまとまらなければ」という思いから、1つの町会にとりまとめる動きが進んでいます。この再開発をきっかけに、「街をもっと良くしていこう」という雰囲気は、すごく出てきていると思います。

――街のみなさんがこの開発によって、明るい気持ちになっているんですね。

久保さん:そうですね。ただ、今の段階ではまだ「点整備」ですので、今後新しい道路によって「線」が生まれて、そこからさらに「面」になっていくのかな、と思っています。まだまだこれから、街が変わってくると思いますので、期待していただきたいですね。

――最後に、これから国分寺市に住みたいという方に向けて、メッセージをお願いします。

久保さん:今回の再開発は、50年も前から進められていた、まさに「市民待望」の大きな事業ですので、今後も末永く市民に愛される、素晴らしい街並みを作っていければと考えています。ますます便利で、魅力的な街になる国分寺に、ぜひ期待していただければと思います。

蜂須さん:今はようやくビルが立ち上がったという段階ですが、これから交通広場と、ゆくゆくは道路も整備していきますので、今まで以上に安心、かつ便利に暮らせる街になっていくかと思います。一度国分寺の街を見に来ていただいて、気に入ったらぜひ、お住まいになっていただければと思います。

国分寺市役所
国分寺市役所

国分寺市まちづくり部駅周辺整備課

係長 久保崇徳さん(左)、蜂須英嗣さん(右)
所在地 :東京都国分寺市戸倉1-6-1
電話番号:042-325-0111(代表)
URL:http://www.city.kokubunji.tokyo.jp/faq/soshiki/1006832.html
※この情報は2019(平成31)年1月時点のものです。

整備再開発事業で変貌を遂げる国分寺駅北口エリア/国分寺市まちづくり部駅周辺整備課 久保さん、蜂須さん
所在地:東京都国分寺市戸倉1-6-1 
電話番号:042-325-0111
開庁時間:8:30~17:00 ※毎月第2土曜日(4・8月は除く)9:00~12:00に一部窓口を開庁
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3)
https://www.city.kokubunji.tokyo.jp/