土曜日開庁も行う複合施設

多様な方向性から待機児童解消に取り組む/相模原市こども・若者政策課


神奈川県北部に位置する相模原市は、緑区、中央区、南区の3区で構成される政令指定都市だ。市の面積のうち、8割近くを占める緑区は、他2区と比べ待機児童数が少ないという。

今回は、相模原市こども・若者政策課の担当者の方に、相模原市の子育て支援策や力を入れている取り組み、緑区や橋本エリアの魅力を聞いた。

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母子手帳アプリや情報メールでサポート

――まず、こども・若者政策課さんが担っていらっしゃる役割を教えてください。主にどのような内容を担当されていますか?

担当者Aさん:こども・若者政策課の業務は、こども・若者支援課、こども家庭課、保育課など、こども・若者未来局内で進められる妊娠・出産期から子育て期に係る切れ目のないこども・若者に関する様々な施策の調整のほか、子ども・子育て支援事業計画の推進、保育所等の待機児童対策に関する業務など、多岐にわたります。

「相模原市役所」
「相模原市役所」

――具体的に、相模原市ではどのような子育て支援事業に取り組んでいますか?

担当者Aさん:「子育て支援センター」を各区に設置して、妊娠・出産・育児に関する相談に応じている他、気軽に参加できる親子の交流の場「子育て広場」や「ふれあい親子サロン」を実施しています。また、妊娠週数や子どもの月齢に合わせた情報を定期的に届けて、保護者の孤立を防ぐ「きずなメール」、健診や予防接種などの管理ができる母子手帳アプリ「さがプリコ」なども提供しています。

子育てアプリ「さがプリコ」
子育てアプリ「さがプリコ」

――中でも特徴ある取り組み、今力を入れている取り組みがあれば教えてください。

担当者Aさん:特徴ある取り組みは、「子ども・若者未来基金」と「ブックスタート・セカンドブック事業」です。2017(平成29)年12月に設置した「子ども・若者未来基金」は、市民や企業から寄付を募り、主に子どもの貧困対策や学力保障、子育て支援、若者の自立支援などに活用しています。

担当者Bさん:基金額は2019(平成31)年3月末時点で486,058,578円。2019(令和元)年度は給付型の奨学金、児童養護施設などで暮らす子どもの自立支援、地域子育て支援に使っています。2018(平成30)年8月から実施している「ブックスタート・セカンドブック事業」は、絵本の読み聞かせを通じて親子の愛着形成を促すもの。4カ月児と2才6カ月児を対象に、市から絵本をプレゼントしています。

保育所の新設や人材確保で待機児童を解消

――上記に関連して、「相模原市子ども・子育て支援事業計画」について教えてください。

担当者Aさん:現行の計画は、安心して子どもを生み育てられるまち、将来を担う子どもの成長と若者が社会的に自立し活躍できるまちを目指し、子どもたちの健やかな成長を支える取り組みを計画的に進めるため、2015(平成27)年3月に策定したもので、地域の子育て支援や、子どもの貧困対策、若者の自立対策などについて定めています。

市役所本館4階の、子育て情報コーナー
市役所本館4階の、子育て情報コーナー

2019(令和元)年度末で現行の計画が終了することから、2020(令和2)年度から2024(令和6)年度を計画期間とした第2次となる計画の策定を進めています。2016(平成28)年の国民生活基礎調査によれば、日本の子どもの7人に一人が相対的貧困の状況にあるそうです。この状況を踏まえ、次の計画では貧困や虐待などの対策を手厚くする予定です。

――2015(平成27)年度から2019(令和元)年度までが計画期間となっていますが、この計画で相模原市の子育て環境はどう変わってきましたか?

担当者Aさん:計画に基づいて支援体制の充実を図ってきたことで、2015(平成27)年4月に130カ所だった市内の認可保育所等の施設は2019(平成31)年4月には191カ所に、受け入れ定員は10,921人から13,845人に増えました。橋本では2019(平成31)年4月に「りとせ橋本保育園」「ぬくもりのおうち保育橋本園」「ぬくもりのおうち保育 第2橋本園」の3園が新しくオープンしました。

市役所本館4階の、子育て情報コーナー
市役所本館4階の、子育て情報コーナー

――緑区は待機児童数が他の区と比べて少ないと伺いました。待機児童対策として、具体的にどんなことに取り組んでいらっしゃるのでしょうか?

担当者Aさん:保育施設の新設と受け入れ定員の拡大に加え、保育人材の確保にも取り組んでいます。保育士の処遇向上、保育士資格を持ちながらも保育施設で働いていない潜在保育士の再就職支援などですね。また、保育所などでの勤務経験を持つ保育専門相談員「すくすく保育アテンダント」を各区に3名配置し、保護者への丁寧な案内を心がけています。

こういった地道な取り組みによって、2018(平成30)年度は相模原市全体で595人、緑区では129人の認可保育所などの定員増を実現しました。

「相模原市役所」
「相模原市役所」

―子育てに関する政策に関して今後の目標、展望があれば教えてください。

担当者Aさん:就学前の児童の数は前年に比べて減ったものの、女性の就労増加などから保育所や児童クラブの利用申込数は増えています。保育所に関しては、2019(平成31)年4月1日現在の申込者数は前年比513人増の13,406人と過去最多となっています。まだ当面の間、保育需要の増加傾向が続くと思われるので、今後も引き続き認可保育所などの整備や保育の質の向上を含め、妊娠・出産・育児と切れ目ない支援に取り組んでいきます。また、放課後の子どもたちの居場所の確保、ひとり親家庭や社会的養護を必要とする子どもへの支援、引きこもり対策などにも精力的に取り組んでいきたいと思っています。

リニア開通で高まる利便性と美しい里山の風景

―緑区や橋本エリアの強み、子育て環境の魅力などを教えてください。

担当者Aさん:緑区には便利な都市部と自然豊かな農村部と2つの顔があり、どちらの恩恵も得られるところが魅力です。相模原市緑区区民会議が2015(平成27)年度に実施したアンケートによれば、「子育てしやすい環境にある」と答えた人が5割を超えているんです。さらに、商業施設や文化施設が集中する市街地である「橋本」駅周辺には、2027(令和9)年にリニア中央新幹線が開業予定です。この線を使えば約10分で東京都心まで行けるようになり、さらなる発展が見込まれます。通勤・通学もいっそう便利になるはずです。

担当者Bさん:緑区は、面積の75%以上を山林や河川、湖が占める自然の宝庫です。津久井湖や相模湖といった湖が5つもあり、美しい山並みの間を相模川や道志川といった清流が流れています。この里山の風景は、市民が誇りにできるものだと思います。春は、津久井湖畔や大島の河原の桜がきれいですよ。

 

相模原市のマスコットキャラクター「さがみん」
相模原市のマスコットキャラクター「さがみん」

神奈川県相模原市 こども・若者未来局 こども・若者政策課

所在地:神奈川県相模原市中央区中央2-11-15
TEL:042-769-8316
FAX:042-759-4395
※この情報は2019(令和元)年9月時点のものです。

多様な方向性から待機児童解消に取り組む/相模原市こども・若者政策課
所在地:神奈川県相模原市中央区中央2-11-15 
電話番号:042-754-1111
https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/