読書活動とICT教育に力を入れる小学校

地域と共に子供を育てる/前橋市立桂萱東小学校 星野校長


群馬県の中南部にある前橋市は、都市の利便性と、赤城山を望む豊かな自然が共生した人気のエリア。開発が進む「前橋ローズタウン」は、県内各所にもアクセス良好の閑静で利便性の高い立地が魅力です。「前橋ローズタウン」通学区にある「前橋市立桂萱東小学校」は、60年以上もの歴史がある伝統校。地域からの信頼も厚い同校を訪れ、星野大校長に教育方針や地域の魅力について話を伺いました。

60年以上も地域に愛される、子供たちの元気が溢れる伝統校。

星野大校長先生
星野大校長先生

――「前橋市立桂萱東小学校」の概要についてお聞きします。

星野校長先生:本校の前身である「前橋市立桂萱小学校堤分校」から「前橋市立桂萱東小学校」として独立したのが1959(昭和34)年4月になり、昨年2018(平成30)年に独立60周年記念式典を行いました。1学年3クラス編成の全18クラスと特別支援学級2クラス、全校生徒数524名で、前橋市の中でも5,6番目に規模の大きな小学校になります。前橋市内では1学年1、2クラス編成の学校も多い中、本校は子供たちが多く住むエリアにあり、運動会や遠足等でも子供たちは皆賑やかに活発に活動しています。知徳体の調和のとれた児童の育成を目指し、「児童が確かな学力を身につける学校」「児童の豊かな心を育む学校」「地域を大切にし、地域と連携してともに歩む学校」づくりを推進。今年度も、「小さな事の積み重ね」を大切にし、児童一人一人に寄り添いながら、「身につけるべき事をしっかり身につける」「当たり前のことが当たり前にできる」指導を、学校・職員全体で取り組んでいます。

かしこく、なかよく、たくましく子供を育てる学校

広々としたグラウンドで、子どもはのびのびと育つ
広々としたグラウンドで、子どもはのびのびと育つ

――「桂萱東小学校」の教育方針や教育活動を教えてください。

星野校長先生:学校に来るとお友達に会えるし勉強ができるようになる、学校が子供たちの瞳が輝くような楽しい場所になって欲しい…、という思いを込めて「かがやく ひとみ かいひがし」をキャッチフレーズに「明るく 楽しく 元気な学校」を目指しています。教育目標は、「高い知性と豊かな心を持ち心身共に健康でたくましい実践力のある子の育成」。具体的には、“進んで学ぶこと”、“みんなとなかよくすること”、“心と体をきたえること”を目標としています。子供たちが進んで学べる環境づくりの為に、本校では「わかる」「できる」授業の推進をしています。毎日学校で5、6時間過ごす中、勉強が分からないのは子供たちにとって苦痛。分かる授業とは一体何なのか…?何を勉強して、何が分かるように出来るようになれば良いかを職員一丸となって日々授業研究を行なっています。例えば今日は、掛け算九九の七の段を覚えることができたらOK、三角形の面積の求め方が分かって例題が1,2問解ければクリアなど、授業の到達点を毎回明確に示しているのが特徴です。与えられた課題について、まずは一人でじっくり考える“一人学び”、友達同士で学び合う時間、先生がヒントを与える時間、まとめの授業という流れが基本スタイルになります。勉強は子供たちが大好きなテレビゲームと似て非なるもので、クリアできて楽しいこと、スモールステップを達成することが重要と考えます。

児童が考えるより良い学校づくりの為に、「がんばろうプロジェクト」の推進も行なっています。今でこそ地域の方からお褒めの言葉を頂くほど皆あいさつができる落ち着いた校風ですが、以前は挨拶が学校全体の課題だった時期もあった様子。その頃、学校に何が必要かを子供たちで考えようと始まったのが「がんばろうプロジェクト」です。本校ではあいさつをしっかりしよう、下足やサンダルをそろえよう、チャイム着席をしよう、しっかり無言で掃除しよう、の4つを課題に挙げ、より良い学校づくりを推進中。毎学期末には何パーセント課題を達成できたかを自己採点できる「よい子のふり返りカード」の配布も行ない、子供たち一人一人の意識を高めています。

また読書活動の推進を行なっているのも本校の特徴。現代はインターネットの普及で情報は豊富で知識の広がりはありますが、奥行きがなく断片的。読書の習慣をつけ深い知識を身につけるには、本の好きな子を作ることが重要と考えます。朝の読書活動の時間には、地域の方や保護者の皆様にお願いをして低学年だけではなく中、高学年のクラスでも読み聞かせの時間を設けています。表情や表現豊かに読み聞かせをしてくださるので、子供たちは皆真剣で興味深々。ALT(Assistant Language Teacher)の先生にも、英語の絵本で読み聞かせをお願いしています。さらに児童会の図書委員会には読み聞かせができる児童(ブックレンジャー)の在籍もあり、学校全体で読書が身近な環境が整備されていると言えるでしょう。

――「桂萱東小学校」の生徒たちには、どんな子が多いですか。

星野校長先生:前述の通り、子供たちに挨拶が定着している素晴らしい校風があります。挨拶はコミュニケーションの第一歩。おはようございます、こんにちは、さようなら、よろしくお願いします、いただきます、ごちそうさまでした、ありがとう、ごめんなさい等、時には相手を笑顔にさせるような気持ちの良い挨拶ができる子に育って欲しいと思います。全体的に明るく元気な子が多いですね。

地域と連携した安心・安全の環境づくり

やわらかな雰囲気が流れる
やわらかな雰囲気が流れる

――周辺地域の方々との関わりはありますか。

星野校長先生:学校の授業では地域の習字教室の先生をお呼びしたり、5,6年生の家庭科の授業でミシンの使い方の補助に入ってくださったりと、学校支援ボランティアの皆様にはいつもお世話になっています。1,2年生の下校時には、保護者や地域の方が一定の区間を一緒に歩いてくれる「ウォーキングバス」にご協力いただいています。全体の4分の1の児童は「前橋ローズタウン」から通学していますので、その方面に「ウォーキングバス」で仲良く下校する姿もよく見かけますね。ご家庭や地域と連携して子供たちを見守る体制が整備されているのではないでしょうか。

地域や人との繋がりが深まる学校でありたい。

人と人との繋がりが求められる時代に、学校として出来る事を考える
人と人との繋がりが求められる時代に、学校として出来る事を考える

――今後の前橋エリアは、どういった変化を迎えるとお考えでしょうか。

星野校長先生:前橋というよりは全国的な傾向ですが、都会を中心に核家族化が進み、より人と人との繋がりが求められる時代に移行すると考えます。学校本来の業務とは異なりますが、学校が中心となって地域の自治会や子育て施設と連携をして地域力を高め、子供の安全と保護者との繋がりを強化していくことが必要になっていくのではないでしょうか。

星野大校長先生
星野大校長先生

前橋市立桂萱東小学校

星野大校長先生
所在地:群馬県前橋市堤町471
電話番号:027-269-0935
URL:http://menet.ed.jp/kaihigashi-es/
※この情報は2019(令和元)年12月時点のものです。

地域と共に子供を育てる/前橋市立桂萱東小学校 星野校長
所在地:群馬県前橋市堤町471
電話番号:027-269-0935
http://menet.ed.jp/kaihigashi-es/