シンプリィショップ インタビュー/シンプリィ・ショップ山本真樹さん
「シンプリィショップ」は佐鳴台のホワイトストリート沿いにあるおもちゃの専門店。ご近所はもちろん、他県からも絶え間なく人が訪れる人気ショップです。こちらが扱うのは木のおもちゃ、シュタイナー教材など。ヨーロッパを中心に、世界から集まるおもちゃで囲まれた店内は温かな雰囲気を醸し出し、子どもでも大人でも思わずワクワクしてしまうような空間です。そんな「シンプリィ・ショップ」のオーナー山本真樹さんにおもちゃ、教育への想い、そして地域の魅力についてお話しを伺いました。
感性を育てる「シンプリィ・ショップ」のおもちゃ
―シンプリィ・ショップを始めたいきさつを教えてください
山本さん:「シンプリィ・ショップ」を始める前は、広告やデザインの仕事をメインに活動していました。1991(平成3)年には独立して事務所を開きました。そんな中でフランスのあるおもちゃメーカーの国内プロモーションを担当することになったんです。それで素材を触ったり、形を見たりするためにいろいろなおもちゃを集めて。事務所がおもちゃ屋さんのような状態だったんです。
ちょうどその頃事務所を移転する話があり「じゃあそのままおもちゃ屋もやっちゃおう」と話が決まり、1998(平成10)年に「シンプリィ・ショップ」が始まりました。今は5丁目にありますが、当初は同じ佐鳴台の4丁目にあり、そちらで16年間。今の場所に移転して3年目になります。
―佐鳴台エリアを選んだ理由を教えてください。
山本さん:私は浜松生まれで浜松育ち。佐鳴台ではありませんが、近くに実家がありました。その頃は店の前の道路も途中までといった具合で何にもなくて自然がいっぱい。佐鳴湖にもよく遊びにいっていました。そうしたなじみがあるエリアで佐鳴湖にもすぐ行けるというのが理由ですね(笑)。
―取り扱い商品でシュタイナー教材とありますが、どんなものですか?
山本さん:シュタイナー教育はドイツ発祥のものですが、様々な体験を積んで感覚を磨いていくというスタイルの教育法です。その教育に関連するおもちゃですが、木、蜜蝋、草木染めなど、自然素材が主になったおもちゃですね。シュタイナー教育はつめ込み型の教育ではなくて、自分で考えるという教育なんですね。中には「それで大丈夫?」と心配される方もいますが、自分でいろんなことができるようになるので学習能力が高く、リーダーになるような子どもが多いと言われます。だからおもちゃも安全な素材はもちろん、さまざまな遊び方を見つけることができる、そんな子どもたちの感性を育てるおもちゃを扱いたいと思っています。
さまざまな体験を通して「つながり」を伝えたい
―これまで実施したイベントを教えてください。
山本さん:年に1~2回「ウォルドルフ人形教室」を開催しています。これもシュタイナー教育の一つですが、母親が子どものために手作りの人形を作るんです。材料は自然素材を使い、人形の中に入れる綿も羊毛を使います。時間をかけてひと針ひと針一生懸命作るんですが、そのときに子どものことを考えるその過程が大切なんですね。かれこれ10年ほどこちらは続けています。そのほかにも「シュタイナーの手仕事」「シュタイナーの遊び」などの呼び名でコンサートやワークショップなどさまざまな催しを開催しています。いろんな方に体験をしてもらい、楽しさや心地よさといった気持ちを共有できたらと思っています。
―お客様の層や印象を教えてください。
山本さん:本当に幅広いお客様が足を運んでくださいます。どちらかと言えば女性が多いですが、男性もいらっしゃいます。ファミリーで来店してお子さんと一緒に楽しそうにおもちゃ選びをしたり、おじいちゃんやおばあちゃんがお孫さんのためのプレゼントをいろいろ迷いながら選んだり。また子どものためではなく大人がリハビリ用にとおもちゃを購入することもあります。
ショップを始めて20年ほどになりますが、この頃は「シンプリィ・ショップ」のおもちゃで育ったという若者たちがショップに帰ってきてくれることもあります。最近も一人訪ねてきてくれました。町内のお子さんでよく一人で遊びにきていた子なのですが、子どもの頃は暴れん坊のそぶりを見せることもあり、ちょっぴり心配していたんです。それが好青年になっていて「自分のために今度買いにきます」と言ってくれました。長くやっていることでそうやってつながっていく。それがうれしいですね。
―浜松市環境学習指導者としても活躍されていますが、活動について教えてください。
山本さん:月に1~2回、浜松市内の幼稚園や保育園に訪問して自然に関する授業を行っています。園外に出て自然に触れることももちろんありますが、もっと身近にもいろんな自然があるんだよということを知ってもらいたいんですね。例えば窓を開けて「風の匂いを嗅いでみよう」とか。「ネイチャーゲーム」と言いますが、五感を使って自然と触れ合う体験をします。この活動は子どもたちの感性を育てるとともに私自身は非常時にも役立てることができると考えています。
園外に出て道を歩くことで近所の人に顔を覚えてもらう、そのほかにも例えば「交通がマヒしたら何が必要?」という質問で答えを考えるような質問ゲームだったり。いろんなところに気づきがあって、いろんな可能性があって、いろんなことがつながっているんだよということを伝えたいですね。
―山本さんにとって“おもちゃ”や“遊び”とは?
山本さん:生きるために絶対に必要なものだと思いますね。とくに自由な遊びです。それをサポートするのがおもちゃだと思います。遊びがない人生ってつまらないですよね。ただ子どもと大人の遊びはまったく違うもの。子どもにとって遊びは仕事みたいなものです。人間としての力を養うためにも遊びをして育たなければいけない。そして大人にとって遊びは「癒し」みたいなものなのかなと思いますね。
便利で上質感のあるフレンドリーな街
―佐鳴台エリアの魅力とは?
山本さん:まずいろんな場所へ出かけるのが便利な街ということ。「浜松」駅にも行きやすく、「浜松西IC」からもそれほど遠くないので遠方に出かけるときも電車・車と手段を選べて便利ですね。また周辺には歯科、耳鼻科などクリニックも揃っているので病院関係で困ったことはありません。近くには佐鳴湖などの豊かな自然もあり、地元で上品なスーパーマーケットとして知られる遠鉄ストアも近くにあります。
佐鳴台は浜松の中でオシャレな街と言われますが、フレンドリーな街でもあると思います。「シンプリィ・ショップ」にも近所の方が散歩がてらにふらっと立ち寄っておしゃべりしていくこともしばしば。転勤者も多く、お店の情報や子育てについての情報を質問されることもよくあります。また高台なので地震での津波についても他エリアに比べて安心感は高いですね。
ドイツの木のおもちゃとシュタイナー教材
シンプリィ・ショップ
店主・ネイチャーゲーム指導員
山本真樹さん
所在地 :浜松市中区佐鳴台5-23-15
TEL :053-445-3260
URL:http://www.simply-jp.com/
※この情報は2016(平成28)年1月時点のものです。
シンプリィショップ インタビュー/シンプリィ・ショップ山本真樹さん
所在地:静岡県浜松市中央区佐鳴台5-23-15
電話番号:053-445-3260
営業時間:11:00~19:00
定休日:月・火曜日(祝日の場合は営業)
http://simply.hamazo.tv/