地域と一緒に子どもを育てる

チーム光ヶ丘”で子どもたちを育む/「柏市立光ヶ丘小学校」 並木校長先生


JR「南柏」駅東口より歩いて10分ほどの住宅地に囲まれた「柏市立光ヶ丘小学校」。昭和32(1957)年の開校より63年目を迎える歴史のある学校で、保護者はもちろん「麗澤大学」や地域とのつながりも強い地域に根ざした学校だ。2016(平成29)年度より「3カ年計画」で取り組んできたプロジェクトも最終年度を迎え、令和2(2020)年4月よりはじまる新学習指導要領に合わせた次なる取り組みが始まろうとしている。今回は令和元(2019)年4月に校長として着任した並木孝樹先生を訪ね、「光ヶ丘小学校」の特色や取り組み、地域とのつながりについてお話を伺った。

「柏市立光ヶ丘小学校」正門
「柏市立光ヶ丘小学校」正門

昭和32(1957)年の開校より63年目を迎える歴史のある学校

――「光ヶ丘小学校」の歴史、概要についてご紹介ください。

並木校長先生:「柏市立光ヶ丘小学校」は、昭和32(1957)年に開校して今年で63年目を迎えます。当時の資料によると、児童数は各学年1クラスの6学級217名で、教職員は7名でスタートしたようです。
本校の取り組みについてはホームページ(HP)の「学校経営」からもご覧いただけますが、「豊かな人間性と健やかな心身の育成」を教育目標に掲げ、「かしこく・なかよく・たくましく」という目指す児童像の具現化に向けてさまざまな取り組みを行なっています。

トロフィーは校内に大事に飾られている
トロフィーは校内に大事に飾られている

現在の児童数は26学級843名でここ数年は微増の傾向にあり、来年度は850名を超える見込みです。
私が校長として着任したのは去年の4月のことですが、毎朝校門で子どもたちを迎えたり、国語科の単元で子どもたちから取材を受けたりする中で感じるのは、「光ヶ丘小学校」の子どもたちは賢くて、知的好奇心も強くて、真面目でしかも素直です。

2016(平成29)年度から取り組む「柏市立光ヶ丘小学校を創造する3カ年計画」

――力を入れている取り組みや特色のある学習活動等について教えてください。

並木校長先生:本校では、平成29年度より「柏市立光ヶ丘小学校を創造する3カ年計画」に基づいた取り組みを進めておりまして、今年度はその最終年度に当たります。

光ヶ丘小学校校歌
光ヶ丘小学校校歌

概要は、同じくHPの「学校経営」からご覧いただけますが、「学びづくり」「心づくり」「夢づくり」「体づくり」という4つのプロジェクトを柱にして、組織的な対応を進めて来ました。
例えば「学びづくりプロジェクト」では、基本的な学習習慣の定着を図るとともに、一人一人の力を伸ばすための効果的な学習指導を行うことを方針に掲げ、3・4年生の少人数指導を行っています。
「ステップアップ教室」というのは市の事業で、平日の放課後に教室等を利用して行う補充学習のことなんですが、本校では5・6年生を対象にして実施しております。
高学年を対象にしているのは市内でも数少なく、中学校に入学する前に基礎的な学力をきちんと身につけさせてあげたいというのと、自分で学ぶ自学の力を養えるだろうというねらいもあり高学年にしています。
ほとんどの子どもたちは「柏市立光ヶ丘中学校」に進学するのですが、本校の近くには中高一貫の「麗澤中学校」もあり、今年度は卒業生の16%が私学への入学を希望しています。

地域のつながりも感じられる12月の持久走大会@麗澤大学

――特色のある学校行事やクラブ活動等についても教えてください。

並木校長先生:大きな行事としては5月の運動会や11月の学習発表会、12月の持久走大会や1月には書き初め大会も行われます。持久走大会は、「麗澤大学」の敷地をお借りして行われたのですが、「麗澤大学」とのつながりは他にも研修の案内をいただいたりモラロジー(道徳科学)の研究に関する情報をいただいたり、「地域とともに歩む学校」を目指す本校としても大変お世話になっています。
その他にも特色のある取り組みとしては、2月に「光ンピック」というイベントが3日間にわたって行われました。10年ほど前から続いている取り組みで、今年度はクラスごとに一致団結して長縄の八の字跳びの記録に挑戦しました。
また火曜日は「光っ子デー」と言って、普段よりも長い40分間のロング昼休みを取り入れて思いっ切り遊べるようにしています。さらに「光なかよしデー」という取り組みもありまして、異学年同士で遊ぶ機会なども定期的に設けています。
クラブ活動では、吹奏楽部の取り組みが熱心で今年度は31名の児童が参加しました。柏市は吹奏楽の活動が盛んで保護者の方も協力的ですし、本校の歴史ある取り組みのひとつです。

体育館の様子
体育館の様子

地域のボランティアが主体で運営されている毎週土曜日の「虹のひろば」

――地域との関わりや交流について、具体的な取り組みを教えてください。

並木校長先生先:先ほど、「麗澤大学」とのつながりについて少し触れましたが、地域との関わりという点では、「青少年健全育成推進協議会」や「地域安全対策会議」、毎週土曜日(13〜16時)に行われている「虹のひろば」という事業も地域の方が主体になって運営をしてくれています。
「虹のひろば」というのは子どもたちの居場所づくりを目的とした取り組みで、ボードゲームや紙しばい等、遊びを中心とした活動が行われています。夏祭りやハロウィン、クリスマスといったイベントもあって、本校の児童以外も参加できるオープンな取り組みです。
また「地域安全対策会議」では、子どもたちの登下校の様子とか、危険な場所は無いか、また不審者の情報等についても情報を共有し、日々の安全指導に生かしてくれています。本校は登校班が無く自由登校なので、地域で子どもたちを見守ろうという協力体制があるのは有り難く、地域のあたたかさを感じています。

地域の方をゲストティーチャーとして招いて行なわれる多彩な教育活動

お話くださった並木校長先生
お話くださった並木校長先生

――地域資源や周辺環境を活かした教育活動等がありましたら教えてください。

並木校長先生:本校では外部人材の活用や交流という点にも注目していて、例えば、「柏警察署」の方に来ていただいて不審者対応訓練をやったり、「柏市消防局」の方による救急救命講習会、1年生は歯科衛生士による歯磨き指導があったり、地域の「ヤクルト」が出前授業としてやってくれる「おなか元気教室」など、地域の方をゲストティーチャーとして招いてさまざまな取り組みを行っています。
また生活科のまち探検では、保護者の方にも引率いただいて「南柏」駅前のスーパーマーケットや地元の商店等をまわりました。
他にも1月の「書き初め大会」に向けて、地域の習字の先生や保護者の方が指導に来てくれたり、今年度はパラアスリートの方をお招きして「車椅子バスケット」の体験や、車椅子での生活についてお話を伺いました。

このような取り組みは、学校だよりの「ひかりっ子」やHPのブログ「今日のぴかぴか」でも紹介していますので、ぜひご覧ください。

「南柏」駅前の「カスミフードスクエア」
「南柏」駅前の「カスミフードスクエア」

HPを活用して情報発信に取り組みチーム力の向上をはかる

――HPを通じた情報発信にも力を入れていらっしゃるようですが、保護者や地域の方の反応はいかがですか?

並木校長先生:HPは教頭が担当していまして、「光ヶ丘小学校」の良いところを日々発信しています。また私も「笑顔」という校長室便りを週2回ほど出していて、HPにも掲載しています。
「3カ年計画」で組織として対応することについて触れましたが、このような情報発信をすることが“チーム光ヶ丘”として組織力を向上させるひとつの要素になるだろうと考えていて、HPを活用して学校の取り組みを発信しています。
学校の取り組みって、みなさん分かっているようで分からないことが多いと思います。私も長年教諭として現場を経験してきましたが、今の学校って日々変わって来ていると思いますし、だからこそ発信しなきゃいけないなと思っています。
先日、保護者の方が校長室を訪ねてくれて、「校長先生、いつも笑顔見ています」と。学校の様子が良く分かるといった声も多数いただいて、発信することって大事だなと手応えを感じています。

保護者も“チーム光ヶ丘”の一員です。連携して一緒にやっていきましょう!

――「光ヶ丘小学校」へ入学、転校を検討している方へメッセージをお願いいたします。

並木校長先生:これは2月に行われた報告会でも保護者のみなさまにお伝えした内容です。まず子ども達に「学校は何をするところか」について問い、「学校は何をやるところなんですか?」の問いに対して、「勉強をするところ、仲良くするところ」と伝えました。
また自分は教えて褒めることが基本だと考えていることも伝えました。「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」という山本五十六の言葉を引用し、保護者のみなさまも“チーム光ヶ丘”の一員で、連携して一緒にやっていきましょうと。

しつけについても「挨拶、返事、靴を揃える・椅子をしまう」この3つが大切で、こういうことができれば他のこともできるという話もしました。ですからご家庭でも子どもたちの机の整理整頓や部屋の片付け等をお願いしますと。
本校では、4月からはじまる新学習指導要領に合わせて今まさに来年度以降の計画を立てているところですが、「3カ年計画」で取り組んできたプロジェクト制による取り組みは引き続き行っていく予定です。
また新しい取り組みとして、10分間の朝読書に毎日取り組むことや、百人一首を取り入れて伝統文化についても触れる機会を増やそうと考えています。

交通の便の良さと商業施設も充実した利便性の高さが魅力のひとつ

――学校のある南柏エリアについて、住環境や子育てをする上での魅力とは?

「イオンモール柏」
「イオンモール柏」

並木校長先生:南柏は、交通の便の良さと近くに便利な商業施設があるというのも魅力のひとつかなと思います。国道6号沿いにショッピングモールもありますし、「麗澤大学」の近くにも大きなスーパーケットがありますね。
また「青少年健全育成推進協議会」や「地域安全対策会議」等の地域のつながりも活発で、学校運営に対しても協力体制があるというのがこのあたりの特色かなと思います。なんでもお手伝いしますよという雰囲気がありますね。
子育てをする環境としては、住宅地の中に小さな公園があって子どもたちが遊べる環境もありますし、近くの神社では地域のお祭りもあって、新しく移り住む方にとっても自然なかたちで人と人とが触れ合えるあたたかい街だなと思います。

南柏インタビュー
南柏インタビュー

柏市立光ヶ丘小学校

校長 並木孝樹校長先生
所在地 :千葉県流山市向小金4-20-1
電話番号:04-7173-7130
URL:http://www.hikari-e.kashiwa.ed.jp
※この情報は2020(令和2)年3月時点のものです。

チーム光ヶ丘”で子どもたちを育む/「柏市立光ヶ丘小学校」 並木校長先生
所在地:千葉県流山市向小金4-20-1
電話番号:04-7173-7130
http://www.hikari-e.kashiwa.ed.jp/