済生会湘南平塚病院

地域に根ざし、誰からも親しまれる病院を目指す/湘南平塚病院 院長 武内典夫 先生


2017(平成29)年7月1日に新築移転し、新たなスタートを切ることとなった「済生会湘南平塚病院」。一般病棟に加えて地域包括ケア、回復期リハビリテーション病棟を擁することで、近隣の病院と担当分野を棲み分け、地域医療を総合的に充実させるという狙いをもっている。今回は「済生会湘南平塚病院」を訪ね、同院の武内院長に病院の歴史や理念などのお話を伺った。

土地区画整理事業に伴い、新しい病棟と診療体制へ

新築移転から1年が経った「湘南平塚病院」
新築移転から1年が経った「湘南平塚病院」

――まずは、「湘南平塚病院」のこれまで歩んできた歴史から聞かせてください。

武内院長:当院は、明治天皇による“恵まれない人々のために施薬救療を施すように”という済生勅語のもと創立された「済生会」に所属しています。1934(昭和9)年の病院開設以来、全力で平塚の医療に貢献してきました。

日産車体株式会社の工場跡地を活用する土地区画整理事業によって誕生した「ららシティ湘南平塚」内で、良い街づくりのための公共施設として、新築移転することになりました。移転に伴い病院名も「済生会 平塚病院」から「済生会 湘南平塚病院」に改称しています。

移転前は、当院と「平塚市民病院」、「平塚共済病院」という3つの病院が市内中央に集まっている状態でした。そのために平塚市の東部が病院過疎になっていたので、それを解決することも狙いの一つでした。

移転前の病院
移転前の病院

――現在の診療科目について教えていただけますか?

武内院長:診療科目としては内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、神経内科、外科、消化器外科、整形外科、脳神経外科、形成外科、リウマチ科、泌尿器科、リハビリテーション科、放射線科の計14科目があります。

病棟は一般病棟と、自宅や介護施設などへの復帰に向けた支援をする地域包括ケア病棟、そして病状が安定し、回復期といわれる時期に行なうリハビリテーションをする回復期リハビリテーション病棟があります。この3つの病棟を合わせ、移転前よりも多い176床の病床を擁しています。

回復期リハビリテーション病棟の様子
回復期リハビリテーション病棟の様子

近隣の病院が役割を補完し合い、患者を支える

――各診療科目に共通する「湘南平塚病院」の理念を聞かせてください。

武内院長:当院の理念は、“私たちは、利用してくださる方ひとりひとりのために最善を尽くすことに誇りを持ち、地域の人々が安心して快適な暮らしが出来るよう、信頼される医療と福祉を提供します”と掲げています。その理念を実行するために欠かせないのが、先ほども申し上げた地域包括ケア病棟と回復期リハビリテーション病棟の設置です。

平塚市の中央には「平塚市民病院」と「平塚共済病院」という2つの高度急性期医療を担う総合病院が設置されています。こうした状況を踏まえ、この地域を俯瞰して見たときに、他の病院が担えてない分野を我々が手がけることで、地域の医療と福祉に貢献したいという考えがありました。そうした経緯もあって、この2つの病棟を設置することで、一般急性期医療に加えて回復期医療を当院が担えるようにしました。治し癒し支える医療の実現に向けて、日々邁進しております。

武内典夫院長
武内典夫院長

――地域に密着した病院としての取り組みを教えてください。

武内院長:当院に設置された「地域連携室」は、地域の病院やクリニックだけでなく訪問看護ステーション、居宅支援事業所、福祉施設などと連携した窓口となっています。患者さんをご紹介いただいたり、反対にこちらからご紹介するなどして、地域における医療・福祉のハブ的役割を担っています。

また、広報紙「連携室だより」の発行や健康講座等の開催など、地域の人々への広報も担っています。そのほか、医療・療養に関する相談を受け付けるのもこちらが窓口となります。

広報誌「地域連携室だより」
広報誌「地域連携室だより」

地域のため世のため人のため、地域社会に貢献する病院を目指して

――2017(平成29)年7月の移転から1年が経ちました。5年後10年後と、今後の展望をお聞かせください。

武内院長:平塚市――特に市内東部地域で生活されている約9万人のプライマリー・ケアに努めながら、地域に根ざし、住民から親しまれるような医療施設にしたいと考えています。地域のため世のため人のために、何ができるのか――。医師として、当院の院長としてできることを模索しながら、地域社会に貢献したいですね。

健康講座や各種講演会の会場として使用される「なでしこホール」
健康講座や各種講演会の会場として使用される「なでしこホール」

――何度か“地域”という言葉が出ましたが、院長から見て平塚という街はどのような印象ですか?

武内院長:時間がとれず、自宅と往復するだけの日々なので深く語ることはできませんが、自然災害が少ない街という印象はありますね。四季を通じて温暖差が少ないような気がします。

また、登山を楽しめるほどの高い山はありませんが、緑が多く、海が近いなど自然環境もいいですね。坂道が少ないので自転車があれば事足りる地形や、街の中心部にある立派な「総合公園」も住みやすさに繋がっていると思います。もし時間ができて、街をゆっくり散策することができたのなら、ここで挙げるべき色々な発見があると思います。

湘南平塚病院 竹内典夫院長
湘南平塚病院 竹内典夫院長

済生会湘南平塚病院

院長 武内典夫 先生
所在地:神奈川県平塚市宮松町18-1
電話番号:0463-71-6161(代表)
URL:https://www.hiratsuka.saiseikai.or.jp/
※この情報は2018(平成30)年9月時点のものです。
※武内典夫先生は、2019年3月末で院長から名誉院長となられ、赤星透先生が院長に就任されました。

地域に根ざし、誰からも親しまれる病院を目指す/湘南平塚病院 院長 武内典夫 先生
所在地:神奈川県平塚市宮松町18-1
電話番号:0463-71-6161
受付時間:8:30~11:30、13:30~16:00(土曜日は午前のみ、初診・急患に限る)
休診日:日曜日、祝日、年末年始
https://www.hiratsuka.saiseikai.or.jp/