八尾市役所 こども未来部子育て支援課インタビュー

「切れ目のない子育て支援を」八尾市が子育て支援に注力する理由とは!?/八尾市役所 (大阪府)


大阪市の近郊都市として発展し、現在、人口26万人を超える八尾市。歴史や文化財を豊富に有する風情ある街並みとともに、高安山や大和川をはじめとする自然豊かな環境もあり、様々な魅力を持つ街となっています。2019(平成31)年3月にはJRおおさか東線が全線開通したことで、さらに利便性が増しました。

今回、“子育て”という観点から八尾の魅力に迫るため、「八尾市役所」を訪れ、「こども未来部子育て支援課」の野本哲朗さん、同課の南さおりさん、「政策企画部やおプロモーション推進プロジェクトチーム」の高尾あゆみさんからお話を伺いました。

※取材中はマスクを着用し、写真撮影時のみ外していただいております。

左から南さん、野本さん、高尾さん
左から南さん、野本さん、高尾さん

――まず「こども未来部子育て支援課」が担う役割について教えてください。

こども未来部子育て支援課 課長補佐 野本哲朗さん:現在、八尾市では“すべての市民に光があたり 市民一人ひとりが その人にとっての「しあわせ」を実感できるまち八尾”というコンセプトを掲げ、八尾新時代を創造する6つの成長戦略を進める市政運営をしています。そのうちの一つが、「次世代を担う子どもたちが大切にされるまち」の創造で、その重点施策を担っている部署が私どもの「こども未来部子育て支援課」です。

こども未来部子育て支援課 課長補佐の野本哲朗さん
こども未来部子育て支援課 課長補佐の野本哲朗さん

支援する上で大切にしていることは妊娠期、出産、乳児期、幼児期といった保育施設に入所するまでの子育てを切れ目なく支援することです。出産後の子育て支援という観点では、親子教室や保育士と保健師による育児相談などの地域に合わせた子育て支援を行う「地域子育て支援センター」や、乳幼児とその保護者が気軽に集い、自由に交流や相談ができる「つどいの広場」、在宅の子育て家庭の親子を対象とした「地域子育てつながりセンター」といった支援拠点を各地域に点在させ、子育て支援の充実を図っています。さらに各コミュニティセンターと社会福祉会館において、もうすぐお母さんになる方と子育て中の方が交流できる「プレママ・親子相談・交流会」も実施しています。

――それぞれの施設の利用状況はどのような感じでしょうか?

こども未来部子育て支援課 係長 南さおりさん:「地域子育てつながりセンター」はできたばかりで本格稼働はこれからになりますが、「地域子育て支援センター」はどちらもいつもたくさんの方がご利用いただいています。中には「子どもの寝かせ方が分からない」といったご相談に来られる方もいらっしゃって、気軽に相談できる雰囲気です。

こども未来部子育て支援課 係長の南さおりさん
こども未来部子育て支援課 係長の南さおりさん

「地域子育て支援センター」は5つの八尾市立認定こども園に併設されており、平日午後1時からは通園していない就学前児とその保護者または妊娠中の方が自由に利用できますし、「公園で遊ぼう会」という親子で公園に出かけるイベントもあります。

――そのような子育て支援の情報はどこで入手すれば良いでしょうか?

南さん:子育て支援の情報はすべて八尾市のホームページ、もしくは各施設のホームページで公開していますのでご確認いただければと思います。さらに八尾市の生活に必要な情報が詰まった生活応援アプリ「やおっぷ」でも情報発信していますのでご確認ください。

必要な情報が届く生活応援アプリ「やおっぷ」
必要な情報が届く生活応援アプリ「やおっぷ」

――ほかにも子育て支援の情報を得られるものはありますか?

野本さん:子育て支援情報を掲載している発刊物としては、毎月の「市政だより」のほか、毎年刊行している「子育ておうえんBOOK」があります。妊娠・出産から就学児を持つご家庭向けの情報誌で、それぞれの時期にどのような支援が受けられるかを一目で分かるように構成されています。この「子育ておうえんBOOK」は母子健康手帳の交付時にお渡しするほか、市内の認定こども園、各コミュニティセンター、保健センターなど、お子さまが利用する施設にて入手できます。

子どもの年齢に応じて受けられる支援が一目で分かる「子育ておうえんBOOK」
子どもの年齢に応じて受けられる支援が一目で分かる「子育ておうえんBOOK」

さらに在宅の子育て家庭への情報発信を推進するべく、新たに在宅子育てリーフレットを作成中です。その1回目として、0歳から2歳までの乳幼児とその保護者が利用できる施設をマップ化した「やおでHAPPY子育てマップ」を2020(令和2)年11月から必要なご家庭に順次発送する予定です。このリーフレットは年に2回ほどの刊行をめざしています。

「やおでHAPPY子育てマップ」
「やおでHAPPY子育てマップ」

――在宅で子育てされている家庭の方が、子育てに関して相談できる場所はありますか?

野本さん:これまでご紹介した子育て支援の施設のほか、子育て支援課のなかに「八尾市子育て総合支援ネットワークセンター「みらい」」という相談窓口があります。18歳未満の子どもと子育てに悩みを持つ保護者が利用できます。さらに新たな子育て支援の拠点として「(仮称)八尾市こども総合支援センター」の整備を検討しており、八尾市では子育て支援のさらなる充実をめざしています。

――八尾市における待機児童の状況について教えてください。

野本さん:八尾市では2019(平成31)年4月に引き続き、2020(令和2)年4月も待機児童ゼロを実現しました。さらに八尾市では保育枠の拡大に予算を投じて、2024(令和6)年までの保育が必要な子どもの見込み人数を超える保育枠を確保できるように計画を進めています。今後、子育て世代が増えても、安心できる環境を整備したいと考えています。

――これから子育てをしようというご家庭でも安心できる環境ですね。それでは、八尾市として子育て支援を行っている施策を教えてください。

野本さん:国の施策として3歳から5歳児クラスの幼児教育、保育の無償化が2019(令和元)年10月からスタートしましたが、八尾市では2歳児も無償化の対象に拡大し2020(令和2)年9月から独自施策をスタートしました。また、子ども医療費助成として、2020(令和2)年1月から助成対象を18歳まで拡充しました。

政策企画部やおプロモーション推進プロジェクトチーム 課長補佐の高尾あゆみさん:妊婦健康診査の費用助成を受けられる受診券を2019(平成31)年4月に16回(多胎妊娠の場合は21回)に拡充し、安心して出産を迎えられる環境を提供しています。さらに母子健康手帳をお渡しする時から保健師や助産師が妊産婦に関わることができる体制をとるとともに、生後4ヶ月になるまでの乳児がいる全てのご家庭に対し、ご相談や子育て情報の提供を行うなど、きめ細やかな産前産後のサポートを展開しています。

政策企画部やおプロモーション推進プロジェクトチーム 課長補佐 高尾あゆみさん
政策企画部やおプロモーション推進プロジェクトチーム 課長補佐 高尾あゆみさん

――八尾市は子育てに関して、とても手厚いサポートを行なっていることが分かりました。その根底にあるのはどのような思いでしょうか?

野本さん:八尾市には16世紀中ごろから、住民自らが生活を守るために形成した寺内町が3つありました。つまり、住民が主役で自治をしてきたという歴史があるということです。だからこそ、「自分たちのまちは自分たちで作る」という自治の精神が息づいていて、それが現在の八尾市にも生きているのだと思います。そういった意味でも、子育て世代の方々に住んでいただき、子育ての喜びや楽しみを実感していただくことで、さらなるにぎわいが生まれ、ワクワクできる躍動感のある街となるのではないかと期待しています。

八尾の魅力を語り出すと止まらないお三方!
八尾の魅力を語り出すと止まらないお三方!

――八尾市の子育て支援に関してさらにPRしたいことがあればお願いします。

南さん:現在、YouTubeにて子育てを支援する動画配信を行っています。ご自宅にあるものでおもちゃを作ったり、0歳児でも楽しめる遊びをしたり、子どもだけでなく保護者の方にも楽しんで学んでいただける内容です。動画の最後には「最後にいつでも相談してくださいね」という啓発のメッセージも含ませています。「八尾の魅力大使」である天童よしみさんにもご出演いただき、その時は手洗いの大切さをアピールしました。

野本さん:動画配信で大切にしているのは親子で楽しめるということです。楽しみながら、学びを得て、親子の絆も深まる動画となっています。できる限り配信していければと思っています。

「八尾市役所」の外観
「八尾市役所」の外観

――最後に、八尾市の住環境としての魅力を教えてください

野本さん:八尾はJR、近鉄、Osaka Metroといった電車路線が充実しており、利便性の高い街です。さらに四季折々の花が咲き誇る高安山や雄大に流れる大和川といった自然に触れ合う機会もあります。市中心部には、映画館や文化会館(プリズムホール)があるなど、芸術文化を楽しめる街でもあります。私としては子育て支援に切れ目なく関わる八尾市の担当課がさらに重層的に連携することで、今後、子育て施策自体を八尾の魅力にしたいと考えています。

高尾さん:八尾市は「ものづくりのまち」としても知られており、「近鉄八尾」駅前にある商業施設「リノアス」の8階には、ものづくり体験施設「みせるばやお」があります。見て、聞いて、触って学べるワークショップを通じて、ものづくりを体験でき、市内企業のオリジナル商品も販売しています。子どもはもちろん、大人も楽しめる施設なのでぜひ一度、お立ち寄りいただければと思います。

南さん:子育て支援に関わる施設の皆さんは、「ほっとかれへん」の精神でやってくれています。それはまさに八尾の人たちに根づいている「程よいおせっかい」によるものでしょう。孤独になりがちな子育てや暮らしにおいて、八尾市では温もりを感じていただけるのではないでしょうか。

――お話を伺って、私も、八尾市の魅力的な住環境と、魅力的な子育て支援の中で子育てしてみたくなりました。本日はありがとうございました!

八尾市役所 こども未来部子育て支援課 野本さん、南さん、政策企画部やおプロモーション推進プロジェクトチーム 高尾さん
八尾市役所 こども未来部子育て支援課 野本さん、南さん、政策企画部やおプロモーション推進プロジェクトチーム 高尾さん

八尾市役所

こども未来部子育て支援課 野本さん、南さん、政策企画部やおプロモーション推進プロジェクトチーム 高尾さん
所在地:大阪府八尾市本町1-1-1
電話番号:072-991-3881(代表)
URL:https://www.city.yao.osaka.jp/
※この情報は2020(令和2)年10月時点のものです。

「切れ目のない子育て支援を」八尾市が子育て支援に注力する理由とは!?/八尾市役所 (大阪府)
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電話番号:072-991-3881
開庁時間:8:45~17:15
閉庁日:土・日曜日、祝日、12/29~1/3
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