サッカーを通じて、心身共に健やかな子育てを/常盤スポーツ少年団サッカー部 部長 北村清次さん
部長 北村清次さん
サッカーを通じて、心身共に健やかな子育てを
さいたま市立常盤小学校、常盤北小学校のふたつの小学校の子どもたちを中心に、100人前後のチームとして活動する「常盤スポーツ少年団サッカー部」。地元チームとして「浦和レッズ」があり、サッカー熱もひときわ熱心なこの地で、少年たちはどのようにボールに触れ、楽しさを覚えていくのだろうか。今回は少年団の魅力と気になるあれこれについて、部長の北村清次さんにお話を伺うことができた。
まずは「常盤スポーツ少年団サッカー部」の
概要についてお教えいただけますか?
私達「常盤スポーツ少年団サッカー部」は、常盤小、常盤北小の子供たちを中心に100名ほどが在籍しているチームでして、設立が昭和48(1973)年ですから、今年でちょうど40周年になります。昔は常盤小学校だけで活動していましたが、平成3(1991)年に常盤北小ができましたので、今は常盤小と常盤北小の2つのグラウンドを使いながら練習しています。
昔から埼玉県、特に旧浦和はサッカーがさかんな地域で、高校に行けば浦高(県立浦和高校)、西高(県立浦和西高校)、市立浦和(市立浦和高校)、浦和南(市立浦和南高校)と全国区で活躍している強豪校も沢山あります。野球よりもサッカーがメジャーなくらいなんですよ。
現在このサッカー部にも100人ほどの人数がいますし、一番多いときには150名くらいになったこともありました。実は40年前の発足当初にも70人くらいいまして、その頃は私が独りで指導していたんですが、今はコーチの人数も増えて指導体制が充実しています。今の子どもたちは本当に恵まれていますよ。もちろん私達の力だけではなく、保護者の皆さんの協力があって現在のチームができました。本当に有り難いことです。
チームの活動時間ですが、基本的には毎週末で、土曜日は5月から9月末は14時から17時、10月から4月末は13時から16時、日曜日は第4日曜日が朝8時半から17時、第1日曜日はお休み、第2・3日曜日は8時半から13時までとなっています。練習場所は常盤小学校、常盤北小学校と交互に変わります。
週末の練習、練習試合、公式試合のほかにも、親子ゲームやミニ運動会、合宿などの行事もたびたび行っていまして、異学年の友達や、指導者、保護者など地域の人たちとも関わる機会を多く設けています。
常盤小、常盤北小は学業にも力を入れる名門校といわれています。
「文武両道」というのは実現可能なのでしょうか。
やっぱり、スポーツを頑張れる子どもは、勉強もしっかり頑張って、両立していると思いますね。スポーツをしていると集中力が付きますから、卒団後に集中して勉強できる子が多いようです。中学校に行ってもその習慣は変わりませんから、サッカーをやっていた子はみんな優秀ですよ。浦高(県立浦和高校)など有名進学校に進んだ子も多いです。
それから、試合を通して度胸も付きますから、人前で堂々と喋れる子が多いのも少年団出身の子の特徴です。試合やイベントで浦和以外の子ども達とも交流する機会が多いので、学校ではできない体験ができ、視野を広げられると思います。
昔の子どもと比べて、今の子どもはみんな頭がいいんですよ。もちろん少年団の子もみんな優秀です。一方で、子ども達の体力不足、精神的な発達不足が社会的に問題視されていますね。その点で、少年団に所属している子は基礎体力が全然違いますし、心身のバランスがとれた子が多いと思います。
また、実は少年団の子ども達も8割くらいは学習塾とのかけもちをしていまして、低学年だと塾も週末にあって、練習を休む子も多いですが、学年が上がると週末に塾を入れないように調整して、サッカーに参加してくれる子が多くなります。コーチ陣としては嬉しいことですね。
コーチにはどんな方がいらっしゃいますか?
常盤スポーツ少年団サッカー部では現在、部長、監督以下13名の指導者が子供たちの指導にあたっていますが、ほとんどの方は「元保護者」のコーチで、子どもが卒団した後も引き続き指導を続けてくれています。みんなボランティアでやっていますから、本当にサッカーと子どもが大好きな人ばかりですよ。
入部するにはどうすれば良いでしょうか。
部員は随時募集していますので、入部希望の方は練習日に直接グランドにいらしてください。見学はもちろん、保護者の方が同伴していれば練習に体験参加できます。男の子でも女の子でも、体を動かすことが好きで、サッカーをやってみたい、という小学生であれば誰でも大丈夫です。部員は、常盤小、常盤北小、埼玉大学附属小等の子供たちが中心ですが、原則として徒歩でグランドに通えるのであれば学校は問いません。
運動が苦手でも大丈夫でしょうか?
「うちの子は運動神経が悪いから」など心配される親御さんもいるかと思いますが、常盤少年団では勝ち負けだけにこだわらず、全員に「試合の楽しさ」を経験させてあげるよう配慮しています。
保護者の当番について教えてください。
保護者の方々には、練習時や試合時にグラウンドで飲料の準備や怪我の応急処置などをする「お当番」をお願いしています。入部前の保護者さんから「お当番が大変では?」という質問もよく受けますが、子供たちの活動時間に必要なサポートをするので、平均して2カ月に1回程度ですのでご協力ください。もちろん寒い時期、暑い時期のお当番は大変ですが、頑張る子供たちを身近に感じながら保護者同士のコミュニケーションも生まれ、楽しい面も多分にあるかと思います。保護者の方にも是非、子どもと一緒に盛り上がって、楽しんでほしいですね。
最後になにか一言ありましたら、お願いします。
サッカーはスポーツなので常に勝敗がかかっていますが、私たちは単に勝負に勝てばよい、というのではなく、仲間とともに頑張る力、礼儀を身につけること、スポーツの楽しさを実感すること、これらを通じて逞しい人間に成長していくことが、本当に大切なことだと考えています。ぜひサッカーを通じて、心身ともに健やかなお子さんに育ててあげてください。
今回、話を聞いた人常盤スポーツ少年団サッカー部
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