地域に根付いた少年野球チーム/西京極ファイターズ 副代表 船越俊宏さん
1974(昭和49)年に産声を上げた少年野球チームの「西京極ファイターズ」。設立当初から変わらないユニフォームは、地域に暮らす人たちの目印ともなり、地域の暮らしと一体となりながら子どもたちは元気に野球と向き合っています。今回はチームの副代表を務める船越俊宏氏にチームの活動や地域との関わりについてお話を伺いました。
40年以上の歴史と伝統
――チーム設立の背景を教えてください。
船越副代表:どこの学区もそうですが、ひとつの小学校にひとつの少年野球チームがありました。それと同じ形で、西京極の少年野球チームとして始まりました。いまは「京都市立西京極小学校」と「京都市立西京極西小学校」の生徒が対象になっています。京都で一番大きな大会として、全京都学童野球大会というのが春と夏にあります。それに出場する選手の決まりが、そのチームの隣接4学区内というものです。なので、子どもたちは隣接4学区内のチームに入ることになります。チームとしては1974(昭和49)年からやっていますから、今年で42年目ということになりますね。
――何年生から入団することができますか?
船越副代表:1年生から入団することができます。我々は右京少年野球振興会というNPO法人に所属しています。そこのチームは、6年生以下、5年生以下、4年生以下という3つのチームに分かれており、4年生以下のチームであれば1年生からチームに入ることができます。1年生の子どもたちが4年生と一緒にやることの難しさもありますが、お兄さんたちを見習って皆頑張ってくれています。
――どんな性格の子どもたちが多いですか。
船越副代表:スポーツするからみんな活発ということではないんですね。おとなしい子どももいます。うちの子どももここに所属していたんですが、もともとは絵を描いたりすることが好きでした。でも、チームに入ってやっているうちに、以前よりも活発になり、外に出るのも好きになりましたね。地域の同じ学校だったり、隣の学校の子どもたちが集まってやりますから、そういうところでコミュニケーションができることも大きい。我々大人も地域の活動に一緒に取り組んでいくこともできます。うちは西京極の体育振興会にも所属していて、地域の体育祭などにも協力させていただいています。
――チーム運営で特に大切にしていることは何ですか。
大人も子どもも仲良くやっていくこと。野球を通して人間関係を健全にやっていきたいと思っていますね。毎年、選手の層、数、技術は変わっていくものです。その年に応じたチームづくりをしていますから、数だけにこだわるということではないですね。社会に出ていくためのひとつとして大きな視点からも取り組んでいます。ただ、やる以上は勝ちたい、というのはもちろんありますよ。
地域ぐるみで子どもの成長を見守る
――試合に勝つために選手たちをどう導いているのですか?
船越副代表:去年は例年になくAチーム(6年生以下のチーム)が強かったです。12月が年度末になりますので、1月から新年度。いまの6年生チームは5年生になります。新しい大会は1月から、2016(平成28)年度ということですでに始まっています。その年によって子どもたちの性格は違いますから、うまく褒めて伸ばした方が良い子もいれば、きつくしなければいけないときもあります。ここは基本的に、いまチームに参加している子どもたちのお父さんがコーチになっています。子どもが卒業するのに合わせてお父さんも卒団します。ただ、私や代表もそうなんですが、子どもがお世話になって卒団した後も協力させてもらっていたりする場合もあります。
――練習場はこちらの「東大丸公園」になるのですか?
船越副代表:基本的にはここになります。試合になれば、試合会場に行くという形です。練習は土日だけになり、平日は行っていません。ただ、子どもたちの中には、平日もここに来て野球の練習をしたりしていますね。昔からここを使わせてもらい、代わりに美化活動、草刈りをしたり、落ち葉を拾ったり、地域に溶け込む形でもう40数年ずっとやってきています。
――地域との関わりについて教えてください。
船越副代表:さきほどお話しした体育振興会さんと協力させていただいたりとか、さらに団員を増やすために入団の誘いにうかがったりしていますね。卒団式や新年会などで学校の校長先生、教頭先生に来ていただいたりもあります。大会にエントリーすると学校行事のときには日程を外してもらう必要があるんですが、学校に行事証明を取らないといけませんので、地域の中ではそういう動きをしていますね。
また、年末や年始、春先に炊き出しなんかをして選手の募集を行うのですが、そのときに父兄の方々にもご協力いただいたりしています。バーベキューなどのレクリエーションをしたりもしますね。美化活動でもご協力いただいて、ゴミ拾いや落ち葉拾い、草刈りなどをしてもらっています。
――地域のイベントにチームで参加することはありますか。
船越副代表:近くに三宮神社というものがあり、松尾大社のお祭りの神輿の一社になっています。地元の人たちはよく参加しており、チームとして参加させてもらったりしていますね。近くの幼稚園の餅つき大会に参加させてもらったりもしています。地域にはなるべく溶け込んでいきたいと考えていますね。ユニフォームが初代からずっと変わらず、「あ、ファイターズだ」ってわかってもらえるというのも、地域に根付いている理由のひとつだと思いますね。
――父兄との関わりはいかがですか。
船越副代表:子どもたちの指導において、父兄の方々の存在は大きいですね。中学校や高校生のOBは運動不足の解消も兼ねて、子どもたちの指導を手伝いに来てくれたりしています。じつは、お父さんコーチの中には甲子園経験者の方もいるんですよ。やはり、若いOBのほうが体がよく動くので、子どもたちの良い見本になりますね。
――卒団後も野球を続ける子どもたちが多いですか?
船越副代表:外クラブや中学校の野球部に入る子などさまざまですね。目標としては、高校野球で甲子園を目指してプロへ、という選手が現れればいいなという夢があります。振興会に所属しているほかのチームでは甲子園に行った選手が出ていますから、夢ではないんだなと思っていますね。それに、ここを卒団した子どもが大人になって、その子どもとまたここに戻ってきてくれたらうれしいですね。
親御さんに聞くチームの魅力、街の魅力
――野球を通して子どもたちに何を学んでほしいですか?
お母さん:技術のほかに精神、しつけ、挨拶を学んでほしいですね。通うようになって挨拶や敬語はしっかりできるようになりましたね。
――西京極エリアの特徴を教えてください。
船越副代表:スポーツが好きな地域だと思います。お祭りもありますし、地域の団結力は結構、強いんじゃないかなと思います。大文字駅伝というのが毎年年末に小学校単位で開催されています。そこに出るための予選会があり、西京極小、西京極西小も力を入れて取り組んでいます。桂川では、ウォーキングされたり、サイクリングされたり、整備されていますから地域の方の憩いの場所でもありますね。
ショッピングするにも便利ですし、住みやすい街だと思います。また、神輿を船に乗せて桂川を渡る松尾祭の「おいで」と「おかえり」があります。そのお祭りに参加されている父兄の方も多くいらっしゃいますよ。
お母さん:暮らしに便利な街ですね。私は車を持っていないんですが、移動は自転車があれば大抵のことはできます。近くにスーパーもあっていいと思いますね。それから、子どもたちの元気が良いのも、特徴のひとつかもしれません。子どもが外で活発に遊んでいる光景をよく見ますね。
西京極ファイターズ
副代表 船越俊宏さん
活動場所 :東大丸公園
URL:http://n-fighters.sakura.ne.jp/
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。
地域に根付いた少年野球チーム/西京極ファイターズ 副代表 船越俊宏さん
http://n-fighters.sakura.ne.jp/