将来の子どもの幸せをかなえる/江東区立有明中学校 岩野 康之 先生
将来の子どもの幸せをかなえる
「江東区立有明中学校」は、「江東区立有明小学校」と一体の校舎を持つ施設一体型小中連携校という新しいタイプの中学校として誕生した。真新しい施設と特色ある教育で、学校選択でも人気の学校という。今回は初代副校長を務める岩野康之先生に、この中学校の魅力についてお話を聞くことができた。
有明中学校の特色を教えてください
有明中学校は、江東区内23番目の中学校として平成23年に開校したまだ新しい学校です。同時に開校した有明小学校と敷地や建物を共有する江東区内の唯一の施設一体型小中連携校ということが最大の特徴でしょう。教室は基本的に小中別で使用していますが、プールや図書室は共用していますし、小中一貫校ではないものの小学校と連携した教育を行っています。ビオトープや屋上の菜園など環境に配慮した設備が充実していることも新設校ならではの特色だと思います。
有明小学校とはどのような連携をしているのでしょうか
学習面の連携としては、有明中学校の教員が、有明小学校の一部の授業を担当していることがあげられます。有明小学校の児童にとっては、5、6年生になると、中学校の部活に参加することができることが一番大きな特徴でしょうか。英語検定や数学検定といった検定を小学校と合同で実施したり、『有明祭』と名付けられた文化祭をはじめ始業式、修了式などの行事は、可能な限り小中合同で行っています。
小中連携にはどんなメリットがありますか
小学校から中学校に進学する時は、中1ギャップと呼ばれる大きな環境の変化を伴います。有明小学校では、有明中学校の教員の授業を受けることになりますので、小学生のうちから中学校の教員とも顔なじみになることができます。また、敷地を共有していますので、自然に中学校の雰囲気になじんでいくでしょう。ですから、中学校進学時の心理的負担は、ほかの中学校に比べて少なくて済むのではないでしょうか。
隣接する大学や地域との連携も積極的に行っているそうですね
隣にある東京有明医療大学には立派な柔道場がありますし、専門の先生がいらっしゃるので体育の授業の一環として、柔道を教えてもらっています。その隣の有明教育芸術短期大学は音楽の先生が多い学校です。そこで、和楽器が専門の先生に指導をお願いしています。 地域との連携としては、夏にクリーン作戦と名付けて、近隣の東雲小学校や幼稚園、それに保護者といっしょに地域の掃除をしました。この地域では、毎年、東雲シーサイド祭りというお祭りがあるのですが、有明中学校でも模擬店を出店し好評でした。
授業の理解をより深める取り組みをしていると聞きました
例えば、理科では2人の教員で教えるチームティーチングを取り入れていますし、数学の授業は習熟度別少人数のクラスで行っています。 通常の授業のほかに、希望制の基礎学力を身に付けるための補修や、夏休みには塾の先生に教えてもらう補修を開催して、全員がしっかりと授業の内容を理解できるようなフォローアップをしています。
全国的にいじめや不登校といった問題が増えていますが、どのような対策を行っていますか。
いじめや不登校は学校という組織全体で取り組むことが大切です。教員には、いつもしっかり生徒の観察をして、予兆を見逃さないようにと言い聞かせています。有明中学校では、生徒会でもいじめの撲滅宣言をしていますが、このように教員だけでなく生徒も含め、学校全体でいじめや不登校を減らす雰囲気づくりにも取り組んでいます。
どのような思いで教育にあたっていますか
すべての子どもたちに生きる力を伸ばしてほしいと考えています。我々はそれを見守ることが仕事です。ですから、実際に生徒に接する教員には、将来の子どもたちのしあわせを考えてほしいといつも言っています。この学校の生徒は、下町という土地柄もあるのか、素直で明るい子が多いのです。21世紀を担う彼らには、最後まであきらめないで、それぞれが持っているよさを最大限に発揮してほしいと願っています。
今回、話を聞いた人
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将来の子どもの幸せをかなえる/江東区立有明中学校 岩野 康之 先生
所在地:東京都江東区有明2-10-1
電話番号:03-3527-8261
http://ariake-chu.koto.ed.jp/