頭を使って楽しむスポーツ「クライミング」の醍醐味とは?/クライミングジム・ドラセナ 目崎 裕さん
クライミングジム・ドラセナ
目崎 裕さん
頭を使って楽しむスポーツ
「クライミング」の醍醐味とは?
都営三田線「志村坂上」駅から徒歩約6分、JR埼京線「北赤羽」駅より徒歩約15分、板橋区小豆沢4丁目の「小豆沢体育館」向かいにあるスポーツジム「クライミングジム・ドラセナ」。2013(平成25)年10月にオープンしたばかりの施設だが、すでに登録会員は約1,500人にものぼる注目の施設である。
板橋区にはクライミングジムが少ないことに着目し、「クライミングジム・ドラセナ」を開いた目崎氏に、クライミング及びボルダリングの楽しさや、ジムに通う小豆沢周辺の人たちへの想いを語っていただいた。
まず「クライミングジム・ドラセナ」をオープンしたきっかけについてお聞かせください。
私自身、11年前に会社の先輩からクライミングに誘われて、その面白さに引き込まれました。ただ、クライミングの場合、ロープを使ったり、石の質が違ったり、それなりにテクニックも必要ですし、危険も伴います。そして何より、アウトドアスポーツなので天候にも左右されます。その点、ジム内(室内)のボルダリングであれば、ロープも不要だし、天候に関係なく、いつでも手軽に練習できるというメリットがあります。
また、クライミングだと、それができる山に行くための時間もかかりますが、ボルダリングジムなら、小豆沢のような住宅街でも楽しむことができます。
ボルダリングについてもう少し詳しく教えてください。
簡単に説明すると、ボルダリングはクライミングの1ジャンルで、ロープを使わず、手足で“ホールド”と呼ばれる岩を登っていくスポーツです。バランスを考えながらゆっくりと身体を動かす有酸素運動なので、エクササイズやシェイプアップにも効果的。それは、ホールドをつかんだり、ホールドに足を掛けるときに、身体を大きくひねったりするからです。このひねりの運動で、普段は使わない筋肉を鍛えられるんです。身体の奥の筋肉、いわゆるインナーマッスルが鍛えられます。肉体的には、腕力や握力、脚力はもちろん、腹筋や、腰など全身を使う運動です。なかでも上腕は鍛えられますよ。
とはいえ、実は体だけでなく、同時に頭も使うんです。頭を使って登っていく集中力や、登る苦しさに耐えることでの我慢強さも養えるスポーツです。それだけに登っている最中は、登ることだけに専念できるので、日頃の悩みやストレスなどを一時的に忘れられるリフレッシュ効果も期待できます。
具体的にはどのように「頭を使う」のでしょうか?
壁を見ていただくと、それぞれのホールドのところにシールが貼ってあって、そのシールの色と数字によって、手をかけていいホールドが決まっているんです。上級になると、手だけでなく、足をかけていいホールドも指定されるようになります。要するに制約が増えていくわけです。そのため、ただ目の前の壁を何も考えずに登り始めると、場合によっては先に行けなくなることもあります。
ですから、まず全体を見て、どのコースなら自分の体力と技術で登れるのか、どのコースだと効率よく登れるかなど、コース取りをきちんとした上で登り始めないと、途中でにっちもさっちもいかなくなってしまいます。多少は、パズルや迷路を考えるような、数学的な要素もあると言えるでしょうね。
もちろん、ランクアップしていくには、体力と技術も必要です。下は9級から上は初段まで10のレベルがあるのですが、うちのジムの場合、一般的に6級くらいがひとつの壁になるようですね。そのため、一時期は、レベルアップするのが困難になってしまう時期があるのですが、それを克服すると大きな達成感を得られます。私の実体験から、クライミングやボルダリングの魅力は、この達成感にあると考えているので、コースも“やや厳しめ”なんですよ。
ということは、ジムによって難易度が異なるのでしょうか?
そうですね。ホールドの位置や材質、壁の角度など、ジムによって難易度が異なります。先ほど、“やや厳しめ”と言いましたが、10段階でいったら大体6くらいのレベルなので、さほどハードというわけではないんですよ(笑)。壁の角度は、90度、100度、110度、120度、135度、160度の6種類で、それぞれのレベルに合った練習ができるようになっています。
また、ジムを設計する際に、コースは“やや厳しめ”にした分、ジム内がピリピリした雰囲気にならないよう、休憩スペースを広めにとって、同じスポーツを楽しむ仲間同士のコミュニケーションが楽しめるよう配慮しました。上級者になると、コースがハードになるのでその疲労回復や、攻略法を考える時間がそれだけ必要になるため、テーブルのところで休む時間も長めになります。入場したら何時間いても同料金ですしね。
上級者はホールドの形状もつかみにくい形だったり、コースだけでなく、ある程度の技術も身に付ける必要性があるので、質問されればアドバイスをしたり、苦戦中の人が休んでいるときには声をかけたり、ジム内が穏やかなムードになるよう心がけています。
コースを設計した際に配慮されたことはありますか?
このコースは、クライミング経験の長い友人たちと一緒に作り上げたのですが、その際に一番気をつけたのは、男女のリーチ差の問題ですね。ある程度のレベルまでは、女性がリーチ差を不利に感じないような位置にホールドを設置しました。
それと、できるだけ登るための攻略を考えることができるような“頭を使えるコース”になるようにしました。コース設計とは関係ないんですが、女性クライマーの数も増えているので、女性なら終日利用料1,000円という「水曜日レディースデイ」も行っています。
女性会員も含めて、現在の会員数はどのくらいですか?
2013(平成25)年10月にオープンしてから、会員登録された方は1,500人くらいで、小豆沢周辺の方がほとんどです。会員さんは20代後半から30代の方が多いですね。女性会員は全体の1割くらい。また、10人くらい子ども会員もいて、休日にお父さんと一緒に参加している子もいます。休日は午後2時から3時くらいが最も賑わう時間で、平日は夜8時くらいが仕事帰りの方たちがいらっしゃいます。
利用回数が多い方ですと、フリーパスを購入して週に4・5回、こちらで汗を流している方もいます。ただ、皆さん、このジムに来る目的はさまざまで、週に4、5回の人もいれば、休日に体を動かす目的でいらっしゃる方もいます。もともと登山が趣味だという人や、クライミングの練習場として利用される人など、それぞれ目的が異なります。
ボルダリングやクライミング未経験者の方や初心者向けのレッスンはないのですか?
初心者の方には、初回、ジムのルールや簡単なレクチャーをします。また、ご本人の希望に応じて、登り方の指導もします。動きやすい服装で来てくだされば、ジムにレンタルシューズも用意してあります。初心者向けのコースもあるので、ほとんどの方が最初のレベルは1日目でクリアされてますね。ただ、日頃使わない筋肉を使うため、翌日は筋肉痛になったという声も聞きますが(笑)。全身を使うスポーツですが、とくに前腕部が鍛えられます。
新しく会員になられた方については、その方の体力や運動経験、このジムに通う目的を早い内につかんで、その方の目的に合った対応ができるようアプローチしています。未経験者・初心者、大歓迎です。
お一人で来られても、休憩スペースで同じ趣味を持つ仲間として話をしたりして、ここで知り合いとなって、お互いに連絡を取っている方たちもいらっしゃるようです。そういった地元の方同士のコミュニケーションに一役かえるのも嬉しいですね。
今回、話を聞いた人
クライミングジム・ドラセナ
目崎 裕さん
住所:東京都板橋区小豆沢4-7-3
電話番号:03-6454-5317
営業時間 火~金曜日 19:00~22:30、土・日曜日、祝日 12:00~21:00
定休日:月曜日(祝日の場合は火曜日)
https://climbinggym-dracaena.com
※この情報は2014年3月時点の情報です。
頭を使って楽しむスポーツ「クライミング」の醍醐味とは?/クライミングジム・ドラセナ 目崎 裕さん
所在地:東京都板橋区小豆沢4-7-3
電話番号:03-6454-5317
営業時間:火~金曜日 19:00~22:30、土・日曜日、祝日 12:00~21:00
定休日:月曜日(祝日の場合は火曜日)
https://climbinggym-dracaena.com