古川政人さんインタビュー

“住みたい、住み続けたい、住んでよかった”まちを目指して進められる「錦町土地区画整理事業」/蕨市都市整備部区画整理課(埼玉県)


埼玉県の南部に位置する蕨市は東京方面にもアクセスしやすく、以前から都心のベッドタウンとして注目されてきたエリア。市の西側に位置する蕨市錦町は閑静な住宅地が広がり、現在はさらに、暮らしの安全や防災に強い街にするための区画整理事業などが進められており、今後の魅力向上も期待される。

今回は「錦町土地区画整理事業」について、事業を進められている蕨市都市整備部区画整理課計画換地係の古川 政人さんにこれまでの実施内容や今後の展望までをお話をお聞きしました。

生活・交通利便に恵まれ、住宅地として発展してきた蕨市錦町

インタビューにご協力いただいた、蕨市都市整備部区画整理課 古川さん
インタビューにご協力いただいた、蕨市都市整備部区画整理課 古川さん

――前提としまして、蕨市錦町は市内ではどのような位置付けのエリアなのでしょうか?地域特性を教えてください。

古川さん:蕨市は、東京都心から20キロメートル圏内に位置し、通勤通学に便利な交通利便性の高い立地条件を背景に、首都圏のベッドタウンとして宅地開発が進むとともに、市域は5.11キロ平方メートルとコンパクトな中に、学校、病院や商業施設等が適切に整備されてきたことから、住宅に特化したまちとして発展してきました。

蕨市錦町の街並み
蕨市錦町の街並み

その中でも蕨市の西側に位置する錦町は、JR埼京線の「北戸田」駅や「戸田」駅へは徒歩圏内で、自動車の利用においても、国道17号や外環へアクセスしやすく、また、地域の南側には野球場等のスポーツ施設や、大規模商業施設もあることから、今後、土地区画整理事業の進捗にあわせて更なる発展が期待されるエリアになっています。

蕨市錦町から徒歩圏の「北戸田」駅
蕨市錦町から徒歩圏の「北戸田」駅

長年の事業計画に基づき、安心・安全・適切な住環境を整える「錦町土地区画整理事業」

――「錦町土地区画整理事業」を行うことになった背景や計画概要を教えてください。

古川さん:本事業は、1983(昭和58)年度から事業に着手しています。事業の背景として、旧中山道を軸とした狭隘な道路に住宅が無秩序に建設されたこともあり、公共施設の立ち遅れが課題となっていましたが、1985(昭和60)年の埼京線開通にあわせ、公共施設の改善と良好な住環境を形成することを目的として事業が始められました。

錦町土地区画整理事業の事業面積85.1ヘクタール(0.85平方キロメートル)のうち、2021(令和3)年度末時点で65.2%整備されており、今後も計画的な事業の推進に努めていきたいと考えています。

着実に進む「錦町土地区画整理事業」
着実に進む「錦町土地区画整理事業」

――同事業によって解決・向上された、または今後しようとしている点を、具体的な実施事例と合わせて教えてください。

古川さん:錦町土地区画整理事業は、道路整備によって安全で安心なまちづくりを進めており、幹線道路の整備が進むにつれて交通環境が改善されるなどその効果も表れています。その中でも、錦町のほぼ中心を南北に縦断する「わらびりんご通り」の一部には、歩道幅員を広く設けた安全で安心な歩行空間を確保するとともに、その名称のとおり、錦町のシンボルでもあるわらびりんごを植樹するなど、錦町の新たなコミュニティ創出が期待されています。

歩道が拡幅整備された「わらびりんご通り」
歩道が拡幅整備された「わらびりんご通り」

また、建物を建築する際には良好かつ適切な住環境を形成するため、事業区域内全体に地区計画が導入されています。

現在は地区の北側や東側の国道17号周辺の整備を実施しており、今後は「蕨市立西小学校」東側の県道朝霞蕨線の切換えを中心に整備を進めていく計画となっています。

国道17号周辺の整備
国道17号周辺の整備

さらに土地区画整理区域内には、新たに7つの公園ができる予定となっています。そのうち2つの公園はすでに整備済みで、残りの5つの公園は、今後の事業進捗に伴い整備される予定で、現在、市民の意見を聴きながら、その整備にあたっての基本構想の策定を進めています。

「わらびりんご公園」
「わらびりんご公園」

蕨市の特性を生かし、さらに住み心地のよいまちづくりを

――「錦町土地区画整理事業」を通じたまちづくりへの思いや、都市整備部様として蕨市をアピールしたい点・今後に期待していることなどをお聞かせください。

古川さん:蕨市は、市内全域が都市計画区域の市街化区域であり、防災地域や準防災地域にも指定され、用途地域では住居系が74.9パーセントを占めるなど、都市基盤の整備の進んだ住宅地としての特性を活かしたまちづくりをしています。

また蕨市は、全域に様々な公共施設がコンパクトに配置され、そして人と人とのコミュニティ活動が盛んな街です。そのような中、錦町では土地区画整理事業により公共施設の改善を計画的に進めるとともに、その他のまちづくり事業との連携を図り、多くの方が住みたい、住み続けたい、住んでよかったと思えるまちづくりを推進していきたいと考えています。

蕨市では「蕨市役所」の建て替えも進行中
蕨市では「蕨市役所」の建て替えも進行中

――蕨市錦町で今後新たに住まう方々にメッセージをお願いいたします。

古川さん:錦町では、土地区画整理事業が進むにつれ新たな住宅地として生まれ変わり、良好な住環境整備が着実に進んでいます。

また、中仙道の宿場町として栄えた蕨市では、11月に「中仙道武州蕨宿宿場まつり」が開催され、それ以外にも、4月の「中仙道蕨宿苗木市」、8月には「わらび機まつり」、また市民公園では「わらんちゅフェスティバル」が開催されるなど、地域に根差したお祭りやイベントもたくさん開催されます。

ぜひ、蕨市まで足を運んでいただき、蕨の街並みをご覧になっていただくとともに、イベントに参加していただくことにより、蕨市のまちの魅力を実感していただければ幸いです。

古川 政人さん
古川 政人さん

蕨市都市整備部区画整理課計画換地係

古川 政人さん
所在地:埼玉県蕨市中央5丁目14番15号
電話番号:048-433-7720
URL:https://www.city.warabi.saitama.jp/shisei/machidukuri/kukakuseiri/index.html
※この情報は2022(令和4)年12月時点のものです。

“住みたい、住み続けたい、住んでよかった”まちを目指して進められる「錦町土地区画整理事業」/蕨市都市整備部区画整理課(埼玉県)
所在地:埼玉県戸田市