Sweets café Riche(スイーツ・カフェ・リシェ)
川口希美さんインタビュー

素敵な非日常がある須磨で、自分らしいひと時を。/Sweets café Riche(スイーツ・カフェ・リシェ) 川口希美さん


美しい須磨海岸を大きな窓から間近に望む。このような贅沢なロケーションにマッチする洒落た佇まいのスイーツ・カフェ『Riche(リシェ)』。木製の階段や白を基調とした清潔な店内は、まるで海外にでも来たかような非日常のゆったり空間です。さらに厳選されたメニューが人気で、リピーターとなる人が続出。そんな素敵なお店を営むのは、学生時代に知り合って、結婚して15年を迎える川口裕司さん、希美さんご夫妻です。お二人にコダワリや須磨という街の魅力についてお話を伺いました。

自分たちの“好きなモノ”でお客さんと共感する

須磨の海岸を一望できる店内
須磨の海岸を一望できる店内

――お店をオープンされた経緯などを教えてください。

川口希美さん(以下川口さん):「自分たちの好きなモノを集めてお店にしてみたい」。そんな思いが始まりでした。結婚した2年後の2003(平成15)年4月にオープンしたのですが、本当に手探りのことばかり。この建物は、元は(夫の裕司さんの)お祖父さんが住んでいた家で、わからないながらに図面を引いたりして、リフォームして今の形にしました。メニューも私が得意だったケーキなど出来ることから始めて、コツコツ学んで進化とともに変化しながら現在に至っています。営業時間や定休日も状況に応じて変わってきましたし、今後も変わっていくだろうと思います。店名は『リシェ』という響きが可愛いな、というひらめきで、後に調べてフランス語のriche(リッシュ)が持つ「心が豊かな」といった意味を知って「これがいいな!」って(笑)。

アンティーク調のテーブルが置かれたソファー席
アンティーク調のテーブルが置かれたソファー席

――とても素敵な店内ですが、家具や食器などにもコダワリが?

川口さん:食器にはコダワリというほどのことはないのですが、私たちが好きなものが集まり揃ってきているという感じですね。テーブルと椅子はアメリカのユースド家具を私好みにカスタマイズしたものです。アンティーク系の家具類は、夫が大好きな雑貨のコレクションを活用しました。

ゆったりと落ち着いた雰囲気の店内
ゆったりと落ち着いた雰囲気の店内

川口さん:こうして好きなものを形にした結果、私たちのお店は、「何かに共感した方に来ていただく」ようになりました。味、景色、音楽、流れる時間。その全てではなく、何かを感じて通っていただくケースが多いです。「人が並ぶから自分も並ぶ」という人でなく、「自分が好きだから行く」というような方が。お客様と通じ合えるということは幸せですね。ですので、ココでは「自分らしいひと時」を過ごしていただければ。平均して長めの滞在時間も、お店の特長だと思っています。

コダワリと変化のバランスをとりながら

川口さんご夫妻
川口さんご夫妻

――お客様はファミリーの方も来られますか?

川口さん:はい、ご家族連れやお孫さんを連れてとか、色んなお客様がお見えになります。元々あまりファミリー向けという意識はなかったのですが、自分たちに子どもが生まれたら、カップル向けだと思っていたソファー席が小さい子どもさんに適しているとか、新たに見えてきたこともたくさんあります。そんな気づきを素直にフィードバックさせていると、お店の形態は変化していきます。

川口さん:そして私たち家族も変わっていくから、それに自然と応じて変化が生じてきます。あと、営業をしてきた中でお客様に教わったこともたくさんあります。例えばランチにワインを出すようになったのも、女性のお客様が1人でワインを注文されて、「カッコイイなー」と憧れてお店の定番として取り入れました。

こだわりの水出しコーヒー
こだわりの水出しコーヒー

――メニューのおすすめやコダワリを教えてください。

川口さん:コダワリというか、ひとつ決めていることがありまして、それは「家族に食べさせたいものを出す」ということです。味で満足してもらうことはもちろんですが、安心で安全で健康的であることも前提となっています。一応、私が管理栄養士の資格を持っているので、この点は当初から変わっていないですね。

サラダにオイルを使わない、人気のアジフライ
サラダにオイルを使わない、人気のアジフライ

川口さん:フードはすべてオススメですが、最近はサラダにオイルを使っていないアジフライが人気です。そしてコーヒーは独自の焙煎などではないですが、ウチのお店オリジナルの配合にしています。アイスコーヒーは夫が水出しにこだわったので、オーレにしてもコクと深みがしっかりと感じられる自信作となっています。スイーツの中では農家さんへの思いと体への愛情を込めて、ヘルシー度も高く仕上げた『にんじんとくるみのケーキ』が一番人気です。

旅先で触れた喜びを原動力に

――ヨーロッパの写真がたくさん置いてありますね。

川口さん:これはお店を始めてからなのですが、私たちはフランスが大好きで、旅行代金が安くなり、かつお店がヒマになる冬に、数週間休みを取って旅行に行っています。2005(平成17)年に初めて行ってから、上の子を授かるまでは毎年行きました。そこで触れた喜びをお店にフィードバックさせたり、見かける風景や街並みの美しさに魅了されたり、ワインやチーズの美味しさに感動したり。

看板
看板

川口さん:今は2人目の子供が小さいので、海外へ行くことは叶いませんが、旅行は大好きなので、国内旅行の企画を練ったりしています。このような楽しみは働く原動力にもなりますし、新しい文化や芸術、そしてグルメなどと触れることは、お店をより魅力的な空間にするきっかけになっていると思います。

すぐ近くに海や山がある「日常の中にある非日常」

――須磨という街の魅力について教えてください。

川口さん:魅力ですか? 確かに初めて須磨を訪れた時は、駅から見渡せる海の景色に感動した記憶があります。だけど、お店を始めてから5年くらいは、この街の素敵な景色さえ気づかないくらいでした。窓の外に砂浜や海、青い空が広がっていることさえ気にもしないくらいに、窓の外を眺める余裕もなかったんだと思います。でも最近は自転車に乗って移動をしたり、ママ友達とのつながりから入る情報で須磨の魅力を知ったり、そのあたりも変化してきていますね。

青い空と砂浜が広がる素敵な景色
青い空と砂浜が広がる素敵な景色

川口さん:街中からすぐ近くに海や山があって「日常の中にある非日常」が、他にはない須磨の魅力だと思います。駅を出たら砂浜とか、反対側の目の前には山があったり。そこにロープーウェイがあったり、まるで旅行に来たような気分を味わえますよね。

――最後に今後の展望などをお聞かせください。

川口さん:今後はお店がお休みの曜日などは、貸しスペースとして提供したり、食や健康をテーマにした集いを開いたりとか、今だからできることを展開していきたいですね。その先に、子供が学校に入ったら、また状況も変わるでしょうし、今は気づいていない活用法とかアイデアが出るかもしれません。いい出会いがあったら、お店を手伝ってもらう人が現れるかもしれないし、私たちも形にとらわれることなく、感性を大切にして、そんな時間を大切にされるお客様を迎えていきたいと思います。そしてお客様で年配の素敵なご夫婦なども来られて、2人で「ああいう歳の取り方をしたいね」という話をしたりするので、そんなところも将来の目標ですね。ありがとうございました。

川口さんご一家
川口さんご一家

Riche(リシェ)

川口裕司さん、希美さん、源喜くん、未結ちゃん
所在地:兵庫県神戸市須磨区須磨浦通り4-1-19
TEL:078-731-1345
※この情報は2016(平成28)年3月時点のものです。

素敵な非日常がある須磨で、自分らしいひと時を。/Sweets café Riche(スイーツ・カフェ・リシェ) 川口希美さん
所在地:兵庫県神戸市須磨区須磨浦通り4-1-19 
電話番号:078-731-1345