地区計画により、住みよい街へと変化する昭島市/昭島市都市計画課 担当者さま


昭島市と立川市の約5.6ヘクタールもの広大な面積を対象とする「西武立川駅南口地区地区計画」。該当地区の北側には西武鉄道拝島線があり、一方の南側には玉川上水がある。都心への優れたアクセス性と「国営昭和記念公園」などの豊かな自然環境を有するこの区域が、周辺地区との調和を図りながらさらに魅力をまとおうとしている。その変わりゆく街について昭島市都市計画課担当者に伺った。

昭島市役所
昭島市役所

開発によって高められる「西武立川」駅前

2012(平成24)年9月に当初策定した「西武立川駅南口地区地区計画」だが、昭島市と立川市の優れた住環境の維持・形成を図りながら、2015(平成27)年12月に地区整備計画区域を拡張する都市計画変更をした運びである。。西武拝島線の「西武立川」駅周辺の商業機能を促進するだけでなく、駅前広場、また補助幹線道路などを整備することで、これまで以上の利便性と優れた住環境を追求した計画となっている。

この計画では地区を3つにわけており、それぞれの特色や方針がある。まず1つ目の「駅前商業地区」は、生活関連サービス施設や商業施設のほかに、駅前にあることで利便性の向上を図れる機能を持たせる。2つ目の「住宅地区」については、周辺の自然環境と調和することを前提として落ち着いた住環境の形成を図り、3つ目の「玉川上水北側地区」に関しては、玉川上水と調和する市街地の形成を目指す。

「西武立川」駅のロータリー
「西武立川」駅のロータリー

わかりやすい「道路」「公園・緑地」「公開空地」の整備方針

「道路の整備方針」は利便性を有する地区の形成を目的とし、駅前広場を整備することで公共交通を充実、さらには補助幹線道路の整備によって区域内外との円滑な交通ネットワークを築く。続いて「公園の整備方針」。“地域住民に親しまれる”をテーマに、街の中での緑に連続性を持たせながら公園を配置することとしている。最後に「公共空地の整備方針」は、先の連続性のある環境緑地を配置し、「西武立川」駅周辺には歩行者に配慮した歩道状空地を設ける。

土地利用の方針(西武立川駅南口地区に関する 都市計画素案説明会資料より)
土地利用の方針(西武立川駅南口地区に関する 都市計画素案説明会資料より)
昭島市は東京都が策定した「玉川上水景観基本軸」に基づきルールを設けている。「玉川上水景観基本軸」とは玉川上水の中心から両側それぞれ100メートルの地域を対象に定めたものであり、玉川上水の歴史、周囲の自然環境、そして昔から続く武蔵野の面影を後世に伝えることを目的としている。他市町村でも取り入れられている、マンセル・カラー・システムを採用して色相・明度・彩度に関する一定のルールを設けること、建築物は原色を避け、周辺の景観と調和する落ち着きのある色調で景観を維持している。また、建物の高さは15メートル以内とし、原則として屋上への屋外広告物の設置は認められていない。

豊かな緑が魅力な街、昭島
豊かな緑が魅力な街、昭島

開発によって変化していく昭島市

昭島市の開発は、「西武立川駅南口地区地区計画」だけでなく「立川基地跡地昭島地区土地区画整理事業」もある。JR青梅線の「東中神」駅北側に位置する米軍基地跡地において、国・都・市・民間が機能や業務・商業機能等の導入を図り、緑豊かなまちづくりを実現するための計画である。この両計画が完成すれば、昭島市全体の利便性が高まるだけでなく、街そのものの魅力もさらに大きくなるだろう。

昭島市役所 都市計画部都市計画課 都市計画係担当者
所在地 :東京都昭島市田中町1-17-1
TEL :042-544-5111
URL:http://www.city.akishima.lg.jp/
※この情報は2016(平成28)年9月時点のものです。