お母さん、そしてこれから誕生する赤ちゃんのために 出産から子育てを全面的にサポートする/じきはらこどもクリニック 直原先生


医療法人 廣仁会 直原ウィメンズクリニック・じきはらこどもクリニック
理事長 医学博士 直原廣明さん

お母さん、そしてこれから誕生する赤ちゃんのために
出産から子育てを全面的にサポートする
「直原ウィメンズクリニック・じきはらこどもクリニック」

豊中市新千里南町の住宅街に「直原ウィメンズクリニック」と「じきはらこどもクリニック」 がある。出産のサポートだけでなく、子育ても全面的にサポートしているクリニックだ。現代では帝王切開での出産が多いなか、「自然の本能を信じて出産すること」を追求しているのは、「直原ウィメンズクリニック」と「じきはらこどもクリニック」の理事長 医学博士 直原廣明さん。 お母さん、そしてこれから誕生する赤ちゃんのために、何ができるのか。クリニック内の空間づくりから、保育園、子どもたちの発達障害にも取り組む直原さんに、お話を伺った。

「直原ウィメンズクリニック」の概要について教えてください。

じきはらこどもクリニック 直原先生 インタビュー
じきはらこどもクリニック 直原先生 インタビュー

もともとは、父がこの土地で産婦人科の診療所をやっていました。「日本万国博覧会」が開催された1970(昭和45)年から父が始めて、代替わりということで私が引き継いだ形になります。私自身は当初、開業するつもりはなかったんですね。ただ、病院の産科ではできないことをやりたいという気持ちも芽生えてきて、ここを新しく建て直し、スタッフなども一新してスタートしました。コンセプトとしては、一人ひとりを大切にして、その人に合ったオーダーメイドの診療をするということです。いま病院で出産するとなると、帝王切開率も高いですし、すごく不安なお産になってしまっているのが現状です。そこをもう少し、「お産して良かった」「産んで良かった」と思えるお産になってもらえるようにスタッフ一同でやっています。

「じきはらこどもクリニック」も併設されているようですね。

じきはらこどもクリニック 直原先生 インタビュー
じきはらこどもクリニック 直原先生 インタビュー

お産にはいろいろなスタイルがありますが、そもそもは性の根本、人間の根本です。子どもが成長して行く過程の基礎になっていると思いますし、それは胎内から始まっていると思います。「産んで良かった」とお母さんに思ってもらえると赤ちゃんとの関係もうまく行きます。そうして生まれた赤ちゃんが育っていく過程で、今度は小児科が欲しくなったんです(笑)。小児科があれば、『直原ウィメンズクリニック』で出産したお子さんを入院中から見ることができますし、お母さんには1カ月健診くらいまでもいろいろな不安があるものです。小児科で子どもを診られるようにしていきたいということで『じきはらこどもクリニック』を始めました。

保育園も併設されていますね。その趣旨を教えてもらえますか。

じきはらこどもクリニック 直原先生 インタビュー
じきはらこどもクリニック 直原先生 インタビュー

『こどもクリニック』を始めると、子どもが育つうえでの支援というのか、お母さんとの関係を作って行くための子育てサポートという必要性が出てきました。それで『こどもクリニック』の2階を保育園にしています。保育園ではうちのスタッフのお子さんを預かる事業所内保育園としてスタートしています。それプラス、地域のお子さんをお預かりして、お子さんの誕生から子育てをサポートしていく。すべてつながりがありますからね。これは、深く考えてということではなく、自然の流れでこういう風になってきました。

課題や必要性を感じながらさまざまなことに取り組んで来られたのですね。

じきはらこどもクリニック 診察室
じきはらこどもクリニック 診察室

「自然の成り行きなんだな」とつくづく思いますね。私が「こうしようああしよう」と思ってやってきたわけではなかったんです。その意味では、私自身が「生かされている」と思います。性に携わっているからこそそう思うのかもしれませんが、これも自然の力なのかなと思ったりしますね。

「子育てサポート」に特化した親子サロンも開設されていますね。

『ココロ』というも子育てサポートも行っています。これは保育園の一部門になりますが、地域のお子さん、お母さん方も含めて、いろいろな不安があるものです。そこでコミュニティーのようなものを作って意見交換やアドバイスなどを行っています。当院の看護師、スタッフ、保育士がサポートする形になりますね。

出産された母親から子育てなどに関して、不安の声が出ることも少なくないのでしょうか。

直原ウィメンズクリニック 待合室
直原ウィメンズクリニック 待合室

現代人はとくに不安は強いと思っています。パソコン、インターネット、スマートフォンなど、情報がいろんなところで錯綜していて頭を使い過ぎています。それは論理的に考える大脳皮質を使い過ぎているということなんです。出産というのは、動物が本来持っている本能です。それを難しく考え過ぎることは良くないことなんですね。ですので、いまお母さん方に伝えているのは、「自分の本能を信じて出産しよう」ということです。それを「自然に」と言うと誤解されることもあるのですが、自然を基本にしながら、今の現代医療で出来る限りの安全な出産をしようというスタイルでやっています。世間的には医療一本になりつつあるのが実情です。大病院では、お産を病気として見てしまっていますから。病気として見てしまうと、お母さんも病気だと思ってしまいます。出産する力がなくなってしまうんです。

じきはらこどもクリニック 診察室
じきはらこどもクリニック 診察室

世界的に帝王切開率が当たり前のように高くなってきています。本当にそれでいいのかという不安、危機感があります。ですので、出産する力をもう1回見直してもらうことを大切にしています。でも、まだまだ手探りですね。人それぞれ違うものですから。とにかく「産んで良かった」と思ってもらえるようにしたい。もうひとり産みたいという気持ちになってもらいたい。当院としては、地域の人にハッピーな出産をしてもらって、子育てにつながり、子どもさんの成長につながることができればと思っています。

『じきはらこどもクリニック』で実施している「アートプロジェクト」について教えてください。

じきはらこどもクリニック 待合室
じきはらこどもクリニック 待合室

縁があり京都の美術学校の生徒さんがボランティアで手伝いをしてくれました。小児科のクリニックですから、お子さんが安心して来られるような空間を作りたいという気持ちがありました。無機質的なものではなく、楽しんで、暖かみのあるクリニックにしたいという思いから内装を変えています。

これからのビジョンを教えてもらえますか。

じきはらこどもクリニック 診察室 壁
じきはらこどもクリニック 診察室 壁

最終目標としては、人間が出産して、子どもが元気に育ってくれて、そのなかで自分ができることは何か、と考えると、今の形なんだと思います。こういう考え方で続けられるようにしていきたいというだけですね。細かいビジョンというものはありませんが、この先にも自然と生まれてくるものがあると思いますから。実は今度、新しい小児科の院長がやって来るのですが、その方は、子どもさんの精神的な発達障害とかにも手を掛けていきたいという考えを持っています。それは私の考えとも合っているんですね。いまアスペルガー症候群などの発達障害は増加傾向にあります。それは、もしかしたら妊娠期から関わっているんじゃないかと私は考えているんです。だからこそ、産婦人科と小児科が一緒になって取り組むことが重要なんだと思っています。二つで協力しながら自閉症や多動性障害にも取り組めたらと思いますね。

最後に、新千里南町の魅力を教えてください。

直原ウィメンズクリニック 待合室
直原ウィメンズクリニック 待合室

豊中市と吹田市の境界で、千里という新しい地域が出来ている感じですね。吹田市のなかに含まれているのが千里で、ここは豊中市寄りのエリアになります。新しい街だけではなく、昔からの街と一緒に育ってきていますから、いろんな住人の接点になっている街だと思いますね。「千里は高齢化してきた」と言われて来ましたが、いまは若者も増えています。いろんな人が集まって出来ている街ですし、その辺がひとつの魅力になっていると思いますね。静かさはありますし、住みやすさも魅力だと思います。

じきはらこどもクリニック 直原先生 
じきはらこどもクリニック 直原先生 

今回、話を聞いた人

医療法人 廣仁会

理事長 直原廣明(じきはら ひろあき)さん

所在地:豊中市新千里南町2-11-1
電話番号:06-6871-0314
http://www.jikihara.net/index.html

※記事内容は2014(平成26)年12月時点の情報です。

お母さん、そしてこれから誕生する赤ちゃんのために 出産から子育てを全面的にサポートする/じきはらこどもクリニック 直原先生
所在地:大阪府豊中市新千里南町2-11-7 
電話番号:06-6871-1250
診療時間:9:00~12:00、16:00~18:00 ※平日13:30~15:00は予約外来
休診日:木・土曜日午後、日曜日、祝日
http://www.jikihara-child-clinic.net/