学校と地域に「自信と誇り」を まちぐるみで子どもたちを育てていく/練馬区立開進第三中学校校長 岩尾 幸市先生


練馬区立開進第三中学校
校長 岩尾 幸市先生

学校と地域に「自信と誇り」を
まちぐるみで子どもたちを育てていく

西武池袋線「桜台」駅北側の閑静な住宅地にある「練馬区立開進第三中学校」。生徒には小学生との交流や、近隣の大学の学生から指導など、学校の枠を超えて学びの場が用意されている。また、地域の人たちも積極的に教育に参加していて、“まちぐるみ”で子どもたちの成長を見守っている。今回は校長を務める岩尾 幸市先生に学校と街の魅力についてお話を伺いました。

学校の概要について教えてください。

練馬区立開進第三中学校 インタビュー
練馬区立開進第三中学校 インタビュー

2014(平成26)年7月現在で、各学年4学級、全校合わせて12学級あり、436名の生徒が通っています。練馬区内では平均的な規模の学校だと思います。
本校には都内では珍しい弱視の生徒のための弱視通級指導学級があることも特徴ですね。この教室には文字を拡大してモニターに映す装置などがあり、都内各地から生徒が通ってきています。

練馬区内では2学期制が採用されていますが、どんなメリットを感じていますか。

練馬区立開進第三中学校 教室
練馬区立開進第三中学校 教室

3学期制に比べて時間にゆとりができたことが最大のメリットですね。教職員の事務処理の負担も軽減されましたので、先生が生徒と向かい合うことができる時間が増えました。学習の継続性が長期的に保たれるようになったこともよかったと思います。

生徒の学力を向上させるためにどのような取り組みをされていますか。

練馬区立開進第三中学校 TT教室
練馬区立開進第三中学校 TT教室

生徒が関心や意欲を持てるような授業を行うことが第一だと考えています。そのため、数学ではチームティーチング、理科では少人数教育とチームティーチングを採用し、生徒一人一人の状況にあわせた授業を行っています。先生達にも授業のねらい・流れを明確にした指導を心がけてもらっています。
読む力や考える力を育てることをねらいに、朝の読書活動を行い、生徒たちは年間を通じて毎日10分読書をしています。さらに授業規律の徹底をはかるため、授業前後のあいさつも重視しています。

また、本校の近くの「武蔵野音楽大学」の学生さんに、各クラスで合唱祭の練習指導をやっていただいたり、「東京学芸大学」の方に長期休業中の学習指導の支援をしていただいたりもしています。こうした取り組みの成果なのか、本校の生徒は授業に取り組む姿勢は大変によいと思いますし、目標に向かって取り組む意欲のある生徒が多いと感じています。

新入生のサポートが充実しているそうですね。

練馬区立開進第三中学校 インタビュー
練馬区立開進第三中学校 インタビュー

小学校と中学校では生活のリズムが違いますし、やはり新入生にとってはギャップがあると思います。そこで、中学校生活に意欲を持ってもらう目的で、全1年生を対象に4月から6月の間にスクールカウンセラーとの個別面談を行っています。その後も、担任と生徒で個別面談を行い、さらに夏休み前に保護者の方、生徒、担任で教育相談を行います。こうした3段階の相談活動を行うことで、中学校生活をいい形でスタートしてもらえればと思っています。

小学校との連携も行っているようですね。

練馬区立開進第三中学校 インタビュー
練馬区立開進第三中学校 インタビュー

「あいさつ運動」として、小学生と中学生が道で会った時にはお互いにあいさつをしよう、という取り組みを行っています。また、本校の体育祭に小学校の生徒に来てもらい、小・中交流種目を一緒に行ったり、小学校の運動会にも中学校の生徒がボランティアとして競技に参加したりと、生徒・児童の間でも交流が行っています。教員も年6回ほどですが、研究授業や授業参観などで交流をしています。

地域の方も学校に対する協力が熱心だと伺いました。

練馬区立開進第三中学校 インタビュー
練馬区立開進第三中学校 インタビュー

本校では地域の方はもちろん、保護者の方、おやじの会、同窓会が連携して、教育活動にご協力いただいています。例えば、職場体験学習では江古田にある商店街「ゆうゆうロード」の商店のみなさん、近隣の保育園、幼稚園をはじめ地域の方に大変お世話になっています。

また、毎年7月に合同防災訓練を行いますが、これも学校の関係者に加えて、町内会長や練馬消防署、練馬警察署、練馬消防団第二分団の皆さんと地域一体になって参加しています。これだけの規模で防災訓練を行っているのは練馬区内でも本校だけではないでしょうか。

地域の教育に対する意識が高いエリアなのですね。

練馬区立開進第三中学校 体育館 記念碑
練馬区立開進第三中学校 体育館 記念碑

本校は1947(昭和22)年に「東京都立第四商業高等学校」の校舎に間借りして開校しました。その後現在地に移り、1957(昭和32)年に体育館兼講堂が完成しました。この体育館兼講堂は、学校債を地域の皆様を対象に募集して建てられたという経緯があります。当時の建物は現存しませんが、本校の敷地内にある桜台体育館にこのような経緯を記したプレートが掲げられています。学校の建物を造ってしまうほど地域の方々には教育に対する熱い思いがあって、それが今も継続しているということでしょう。

部活動で特徴的な活動はありますか。

練馬区立開進第三中学校 インタビュー
練馬区立開進第三中学校 インタビュー

本校では生徒全員が部活動に入っていて、各部ともに積極的に活動しています。剣道部・卓球部は、2014(平成26)年の練馬区地区大会を勝ち抜いて男女とも都大会に出場することになっています。また、本校には空手部・ダンス部や「ソーランクラブ」など他の学校にはないユニークな部活動もあります。特に「ソーランクラブ」はその他の部活とは別枠で、誰でも参加できるクラブになっています。参加している生徒達は「三涼祭(みすずさい)」や地域の行事でも踊りを披露しています。

練馬区立開進第三中学校 吹奏楽部
練馬区立開進第三中学校 吹奏楽部

その他にも、吹奏楽部が地域の行事に参加して演奏をしたり、読書部も幼稚園に行って小さい子どもたちに読み聞かせをするなど、地域に飛び出していって活動している部活動が多いことも特徴ですね。身近な地域の皆様に励ましや声援をいただいた経験を通じて、生徒が地域のために人のために頑張ろうという気持ちになっていきます。彼らが大人になった時には、今の地域の方々と同じように地域のため、後輩のために力になってくれると思います。

最後に練馬区桜台エリアの魅力を教えてください。

練馬区立開進第三中学校 校長 岩尾 幸市先生インタビュー
練馬区立開進第三中学校 校長 岩尾 幸市先生インタビュー

本校は緑豊かで閑静な住宅地に囲まれていて、周辺の街並みもとてもきれいですし、ゴミも落ちていません。また、地域の方々が朝の清掃活動として、校外はもちろん校内まで掃除してくださっているんです。このように人と人との結び付きがとても強い地域だと思います。新しく街に来られる方にとっても、安心してお住いいただける環境ですよね。

今回、話を聞いた人

練馬区立開進第三中学校 校長 岩尾 幸市先生インタビュー
練馬区立開進第三中学校 校長 岩尾 幸市先生インタビュー

練馬区立開進第三中学校
校長 岩尾 幸市先生

住所:東京都練馬区桜台3-28-1
電話:03-3993-4267
http://www.kaishin3-j.nerima-tky.ed.jp/

※記事内容は2014(平成26)年7月時点の情報です。

学校と地域に「自信と誇り」を まちぐるみで子どもたちを育てていく/練馬区立開進第三中学校校長 岩尾 幸市先生
所在地:東京都練馬区桜台3-28-1 
電話番号:03-3993-4265
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