スペシャルインタビュー

多くの人から見守られてきた、創立100年を迎える学校/大阪市立聖賢小学校 校長 甲斐清二先生

「蒲生4丁目」交差点周辺は、「がもよん」の愛称で親しまれる日本で有数の人口密集地であり、活気のある場所としても知られている。また戦火を逃れ古くからの下町情緒を残す大阪の数少ない場所のひとつでもある。交差点の3方を校区とする「大阪市立聖賢小学校」は2018(平成30)年で100周年を迎える歴史ある学校だ。JR線が校庭の前を通るいかにも都心の真ん中にある小学校という雰囲気だが、児童はいわゆる”都会っ子”という雰囲気はあまりない。この街独特の人懐っこさのようなものが学校にも残っているようである。そんな「聖賢小学校」の甲斐清二校長にお話をうかがった。

大阪の都心の発展を見つめ、見守られてきた小学校

大阪市立聖賢小学校
大阪市立聖賢小学校

――まずは学校の概要・歴史について教えてください。

甲斐校長:本校は1918(大正7)年に創立し、2018(平成30)年で100周年を迎えます。現在、児童数は各学年2クラスずつの421名です。「聖賢」という名前は地名ではなく、学校の正門から出てすぐ北にある現在の「聖賢歩道橋」と同じ場所にあった「聖賢橋」に由来します。子どもたちが聖人賢士の道を学び通う橋としてついた橋の名前だったようです。地名以外の名前がついた大阪でも数少ない学校です。
蒲生町もそうですが、京橋や大阪ビジネスパークも近く都会の真ん中にある学校です。JRの東西線が校庭を隔てて目の前を走っているのが見えるのも特徴です。「京橋」駅と「鴫野」駅のちょうど中間地点くらいなのですが、電車に乗っていても本校はよく見えますよ。本校の校歌の一番は「汽笛のひびき こだまして」という歌詞から始まります。昔は汽車が走っていたんでしょうね。

ボードを手に説明してくれる甲斐校長
ボードを手に説明してくれる甲斐校長

――聖賢小学校の教育ビジョンを教えてください。

甲斐校長: 「だれにでもわかるできる授業 だれもが行きたくなる学校づくり」を今年度の目標にしておりまして、その一環として「授業のユニバーサルデザイン化」に取り組んでいます。例えば、教室に子どもの集中力を削ぐ掲示物を掲示しない、できるだけシンプルな掲示物にする、ということであったり、授業のなかで、言葉で説明しただけでは覚えにくいであろう内容にビジュアルな要素をプラスしていくということです。始めたばかりで、まだ手ごたえという実感にまでは至っていないのですが、先生方もいろいろと研究文献を探して努力してくれています。

――来年度に創立100周年を迎えるそうですが、記念行事などの予定はありますか?

甲斐校長:記念式典は予定していますし、PTAや地域OBの祝賀会も予定しています。児童の行事としては100周年記念運動会や記念文化祭も計画していますが、先生方ともいろいろと検討を重ねて実行したいと考えています。100年という節目は10年、20年という節目とは、なかなか意味合いが違います。100周年は気を引き締めて迎えたいと考えています。また、本年度から子どもの心をさらに豊かにするための手立てとして、音楽の授業を専科制度にしています。表現力豊かに歌う子どもたちの姿を記念行事に加えられたらいいなと思います。

校舎には100周年の文字が
校舎には100周年の文字が

――土曜授業も実施しているようですが、どのような学習内容なのでしょうか

甲斐校長: 土曜授業は年6回以上という決まりになっているのですが、学校公開の日という位置づけで、保護者の方も自由に参観してもらえるようにしています。すべてが普通の授業のようにするのではなく、学習発表会や芸術鑑賞会、地域との合同防災訓練、児童会主催の子どもたちのお祭りなども行っています。6回のうちの1回か2回は通常授業です。

――「学力向上支援サポーター」というものがあるようですが、これはどのような取り組みですか?

甲斐校長: これは学校によってそれぞれ取り組みの内容が異なるのですが、本校では2年生から4年生までの希望者を募り、放課後に週2回、補習学習を行っています。それと、本校で教育実習を行った大学生に、授業の副教員的な立場で子どもたちを見てもらうということを行っています。教職志望の学生にとっても、有意義な時間になっているのではないかと思います。

体を動かすことが大好き!懸命に取り組むマラソン大会

――そのほか、聖賢小学校の行事で特色のあるものをご紹介ください。

甲斐校長: この学校は先生が若いということもあるのか、スポーツが活発になっておりまして、大阪府の「ジャンプアップ大会」などに積極的に参加しています。ドッジボールなどで各種大会に参加しています。「城東区ミニマラソン大会」という城北川(しろきたがわ)のアップダウンのある遊歩道を走るマラソン大会があるのですが、本校は一昨年に優勝しております。これは参加する子どもたち自身が非常に熱心に取り組んだ成果です。大会当日に向け、本番の2ヵ月ほど前から午前7時半ごろには集まり、闘志を沸かせて校庭の走り込みをしていました。マラソンの参加自体は自由なのですが、学年に関係なく一生懸命に取り組んでいます。
昨年も優勝を狙っていたのですが、雷注意報が出て中止になり、子どもたちはとても残念がっていました。このマラソンのために地域の方々が補助金を出してくれて、ユニフォームを提供してくれています。学校、地域全体で盛り上がりを感じます。

マラソン大会に向けて作ったTシャツ
マラソン大会に向けて作ったTシャツ

――地域の方々の支援も厚いのですね。街の行事など、ほかに地域と連携した活動があれば教えてください。

甲斐校長:本校で開催する夏祭りの「聖賢祭り」や町会対抗のファミリー運動会などを協力して行っています。これまで私もいろいろな学校に赴任しておりますが、町会と学校の結びつきという面では、経験したなかでも絆が強いと感じます。地域住民の方が集う生涯学習ルームで講師の方を招いて、卒業式用のコサージュづくりを教えてもらったり、写真立てを作ったりもしています。

未来への新しい可能性がつまったモデル都市

――最後に、校区周辺の教育環境や魅力について教えてください。

甲斐校長:「蒲生4丁目」交差点周辺は「がもよん」と呼ばれていますが、ここは現在日本で有数の人口密集地と呼ばれる非常に活気のある場所です。この周辺は戦争の時の空襲に合わなかったエリアで、そのため古民家や空き家になっていた長屋など古くからの建物がたくさん残っています。そうした資源を利用し、「がもよんにぎわいプロジェクト」という活動が行われています。古民家をレストランなどとして再生し、新しい街の魅力をつくっていこうというものです。人口密集地ですが過度な開発が行なわれずに下町情緒が残る街です。「がもよんプロジェクト」のようなものがうまく連動していけば、新しい風が吹き込み、より魅力のある街になっていくと思っています。そういう意味では、都心の真ん中であっても、まだまだこれからの新しい可能性を秘めている街だといえるのではないかと思っています。

「がもよんにぎわいプロジェクト」で誕生した「マニアック長屋」
「がもよんにぎわいプロジェクト」で誕生した「マニアック長屋」

大阪市立聖賢小学校
大阪市立聖賢小学校

大阪市立聖賢小学校

校長 甲斐清二 先生
所在地:大阪市城東区新喜多2-4-35
TEL:06-6932-5025
URL:http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=e691544
※この情報は2017(平成29)年5月時点のものです。

多くの人から見守られてきた、創立100年を迎える学校/大阪市立聖賢小学校 校長 甲斐清二先生
所在地:大阪府大阪市城東区新喜多2-4-35 
電話番号:06-6932-5025
http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.p..