さいたま市子ども未来局 松尾真介さん 森篤紀さん 小林由和さん 吉田雄司
教育水準が高く、学校や図書館、美術館などが集中する県内屈指の洗練された「文教都市」として発展してきた「浦和」。玄関口である「浦和」駅には、JR宇都宮線、高崎線、京浜東北線が乗り入れ、湘南新宿ラインや上野東京ラインにより東京、横浜などにも1本でつながるなど、交通の利便性が高いまちとなっている。
また、「浦和」駅周辺では、再開発により商業施設、公共施設、子育て支援施設などが整備され、生活環境も充実。マンションの建設も相次ぎ、今もなお、まちが発展している。
市民1人ひとりがしあわせを実感できる都市の実現に向けて、市民目線で子育て支援などに取り組むさいたま市役所子ども未来局のみなさんに、「浦和」の子育て情報について伺った。
公共施設が充実、人口が増えている人気の街
――さいたま市、特に浦和区の子育て環境について、また未就園児の推移についても教えてください。
「浦和」駅や駅周辺は大規模な再開発で美しく整備され、2013(平成25)年の高架化によって東西の回遊性が向上したほか、駅ビルやエキナカの開業により、賑わいが生まれています。エレベータやエスカレータが整備され、最近では京浜東北線のホームにホームドアが設置されたので、お子さん連れでもお出かけしやすい環境になったと思います。また駅から続く商店街は、人の往来が途絶えず非常に活気がありますが、通りを1本中に入ればのんびりとした雰囲気が残っており、活気とのどかさを兼ね備えたまちといえます。
「浦和パルコ」がメインテナントとして入居する東口駅前のビルには、8~10階に複合公共施設「コムナーレ」として、多目的ホールや音楽室などがある「浦和コミュニティセンター」や約48万の図書資料を所蔵する「中央図書館」、市民活動を応援する「市民活動サポートセンター」が整備されています。駅前のアクセスの良い場所にあるため、市民のみなさんも利用しやすいと思います。8階の「中央図書館」は、第1・第3月曜日や年末年始、特別整理期間を除いて毎日、しかも平日は夜9時まで開館しており、無線LANエリアや電源完備のパソコン持ち込み席もあります。広くてきれいな館内は静かで落ち着いた雰囲気で、蔵書も多く、児童コーナーも充実していて、読み聞かせのスペースや子ども用の閲覧席などもあるので、お子さんから大人まで快適な空間で本を楽しむことができます。お子さん向けのおはなし会などのイベントも開催していますので、お子さんと一緒に体験してみてはどうでしょうか。
また西口駅前の「エイペックスタワー浦和」には、単独型の子育て支援施設「子育て支援センターうらわ」があります。こちらは0歳から3歳未満の子を中心に利用できる施設となっており、絵本やおもちゃなどをそろえています。また、育児相談やブックスタート事業なども行っているほか、子育て中の仲間たちが集まった「保育園・幼稚園探しスタートアップの会」や「ハンドトリートメント」といった自主サークルなどもあり、皆さん楽しく、熱心に活動されています。こちらには毎日平均60~70組ほどの親子が訪れており、同世代のお子さんを持つ保護者が交流を深めています。
昔からの文教都市や落ち着きのある住環境のイメージ、鉄道の利便性の向上や商業施設の充実、子育てや生活環境の良さが周知されてきたことなどにより、2018(平成30)年の「住みたい街ランキング」の関東総合で10位に入り、9位の「大宮」とともにトップテンにランクインしました!中目黒や自由が丘といったお洒落で人気の高い街を抜いてのランクインで、とても光栄に感じています。浦和区では、未就学児もほかの地区よりも増えており、2016(平成28)年から1,000人以上増えています。この傾向はまだ続くものと考えており、今後も発展・活性化していくまちだと感じています。
保育園や幼稚園の拡充に取り組む
――さいたま市、特に浦和地区で力を入れている子育て支援策はありますか?
さいたま市では、市政運営の基本的な計画である「総合振興計画」や子ども・青少年に関する個別計画である「子ども・青少年のびのび希望(ゆめ)プラン」などにより、妊娠・出産、乳幼児期から青少年期に至るまで切れ目のない支援を充実させ、「子育て楽しいさいたま市」の実現に向けて各種施策を展開しています。例えば子育て支援政策課では、パパたちの家事・育児参加を応援する「父子手帖」、祖父母や親たちの愛情に包まれて子どもたちに健やかに成長してほしいという願いから生まれた冊子「祖父母手帳」などユニークな視点の育児応援もしています。
また、浦和区では、初めての出産・育児で心配ごとが多いママたちや、浦和区に引っ越して来て間もない親子を対象に、独自に「子育て応援サロン」を開催して子育て情報の提供や、親同士、子ども同士の交流を図っています。
それと「サッカーのまち」浦和ということで、「浦和レッズ」の本拠地(現在は主に、埼玉スタジアム2002で開催)であり、現在「浦和レッズレディース」のホームとなっている浦和駒場スタジアムにおいて、浦和区内在住・在学の小学生女子を対象に「めざせ!“なでしこ”女子サッカー教室」を開催しています。
――浦和区、特に「浦和」駅周辺の保育施設は充実しているのでしょうか?
浦和は、県内屈指の洗練された「文教都市」として発展してきており、教育に熱心な方が多いといわれ、他都市と比較しても幼稚園の数が際立って多いまちとなっています。
近年は、共働きのご家庭が増えてきたことで、保育施設の要望も高まっています。そのため、認可保育所や小規模保育所の整備を積極的に進めており、2018(平成30)年4月には、浦和区内に認可保育所を2箇所、0歳児から2歳児までを対象とする小規模保育事業所を11箇所新設しました。
また、さいたま市では、朝や夕方、そして夏休みなども預かり保育を実施する「子育て支援型幼稚園」の認定制度を設けることとしています。この制度により、共働きのご家庭でもお子さんを預けられる幼稚園を増やすことで、子育ての選択肢を広げられればと考えています。
市民のためのウェブサイト「さいたま子育てWEB」
――さいたま市の子育て情報を知るのにおすすめのツールはありますか?
さいたま市在住の子育て中の方々に、保育施設や相談窓口などの行政情報を掲載した『子育て応援ブック』と、子連れでお出かけできる子育て支援施設やサークル、団体などを紹介した『子育てきっかけ応援ブック』を毎年発行しています。
また「さいたま子育てWEB」というウェブページもあり、スマホやPCからでも市内の子育て情報・お出かけ情報が探せるようになっています。トップページには市民の皆さんが応募されたお子さんたちの写真がスライドショーになっていたり、官民のイベント情報が紹介されていたり、子育て関連施設を探せたりと様々な機能が満載です。会員登録をすれば、イベント情報やブログを自分で掲載したり更新することもできるので、子育てに関する情報の発信も気軽にできるようになっています。
また、この「さいたま子育てWEB」では、市民の方々に「情報局員」になっていただき、市内の子連れで行けるお出かけ先情報などの取材・執筆を担当していただいています。取材には子連れで行っていただいてもOKですので、多くの育児中のママさんたちが局員として活躍してくださっています。毎年1月頃に市内在住の方々に募集をかけ、応募していただいた方に1年任期で活動を依頼しています。
局員の皆さんにはさいたま市内の子連れでお出かけできる場所に赴いてもらい、実際に体験したり参加した内容や感想などをまとめていただいて、その記事を「さいたま子育てWEB」に掲載します。ライター経験のない方でも局員仲間と一緒に記事作成をするので、楽しく活動できるようですよ。せっかく市民の方々にご協力いただいているので、あまり知られていないような地元密着の穴場的スポットの紹介を中心に、取材先をピックアップしてもらうようにお願いしています。
――浦和地区で子連れで行けるおススメのスポットやイベントを教えてください。
駅周辺では「うらわ美術館」があり、「地域ゆかりの作家」と「本をめぐるアート」をコレクションの柱として、各種展覧会を開催しています。また、市内の学校に通う子どもたちの美術鑑賞の機会を増やすための様々な取組を進めているほか、未就学児からご年配の方まで幅広い世代の方と一緒に造形体験をする多世代交流ワークショップなども行っています。
駅から少し離れますが、浦和区駒場にある「青少年宇宙科学館」もおススメです。1,000万個の星を投影できるプラネタリウムは、より美しくリアルな宇宙を再現します。また、天体観測室には、観測したい天体に望遠鏡を簡単に向けることのできるコンピュータ制御の望遠鏡があり、さらに科学の不思議さを体験できるサイエンスショーやものづくりワークショップなど、子どもたちが楽しく体験し学べる場も提供しているので、それをきっかけに子どもたちが科学や宇宙に興味を持てるようになったら嬉しいですね。
こちらも「浦和」駅からは少し離れますが、私たちが働いているさいたま市役所本庁舎の東側広場にある石の階段は、夏は階段の上から水が流れ出てくる水遊び場になるんです。毎年夏になると親子連れで賑わうスポットです!木陰もあり、授乳室やオムツ替えベッドも市役所庁舎に完備されていますし、気兼ねなく安心して遊んでいただける場所だと思います。
これはおすすめスポットとは少し違いますが、浦和は「うなぎの街」というのはご存知でしょうか。江戸時代、中山道の宿場町として栄えた浦和ですが、周辺は川や沼地が多く川魚が生息する水郷地帯で、そこで取れたうなぎを行きかう人々に出して評判になったのが、「浦和のうなぎ」の始まりと言われています。大正時代の地域開発で地場のうなぎは姿を消しましたが、現在もうなぎの蒲焼を提供する専門店は多く、伝統の味が受け継がれています。『アンパンマン』の作者のやなせたかし先生がデザインした「浦和うなこちゃん」というPRキャラクターはさいたま観光大使にもなっており、現在石像が西口ロータリーに建っています。毎年5月には「さいたま市役所」(耐震化工事のため2017・2018(平成29・30)年は埼玉県庁)を会場にした「うなぎまつり」が開催されていて、うなぎの蒲焼の試食会やうなぎ調理の実演、うなぎのつかみ取り体験など、楽しいイベントが開催されています。
――「浦和」駅周辺に新たに住まわれるご家族に、一言メッセージをお願いいたします。
市役所で働く私たちにとっても、ここ数年、浦和のまちは格段に利便性が向上したと感じています。特に湘南新宿ラインと上野東京ラインの開通によって、通勤や通学の範囲も広がったと思います。また、駅周辺の商業施設も一層充実し、図書館や美術館、映画館なども揃っています。少し電車に乗ってさいたま新都心に行けばスーパーアリーナやショッピングセンター、その隣の大宮には「鉄道博物館」や「大宮盆栽美術館」など、近場のお出かけスポットも数多くあります。
浦和は駅周辺に住むことも東京都心に比べればそこまでハードルが高くありません。バスの本数も多いので、少し離れていてもそれほど不便は感じないと思います。駅前は便利で少し歩くと静かでのどかな住宅街が広がっている…本当に暮らしやすい街だと思います。歴史ある街ですから、夏の浦和まつりでは音楽パレードや浦和おどり、みこし渡御など、冬には12月12日に新年の福迎え行事として行われる「十二日まち」など様々なイベントがあり、大変な賑わいを見せています。
これから始まる浦和での新しい暮らしを楽しめるよう、何か心配なこと、疑問があったらいつでも市役所に訪ねてきてください。
さいたま市子ども未来局
【子ども育成部 子育て支援政策課】課長補佐 企画係長事務取扱い 松尾真介さん(右)、企画係 主事 森篤紀さん(左から2番目)、支援係 主任 小林由和さん(左)
【幼児未来部 のびのび安心子育て課】計画係 主査 吉田雄司さん(右から2番目)
所在地:さいたま市浦和区常盤6-4-4
電話番号:048-829-1111(代表)
URL:http://www.city.saitama.jp/
※この情報は2018(平成30)年7月時点のものです。
さいたま市子ども未来局 松尾真介さん 森篤紀さん 小林由和さん 吉田雄司
所在地:埼玉県さいたま市浦和区常盤6-4-4
電話番号:048-829-1111
開庁時間:8:30~17:15
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3)
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