創立60年の伝統/セント・メリーズ・インターナショナル・スクール ブラザー・ミシェルさん
音楽や芸能、スポーツ分野など幅広い分野で活躍する有能な人材を輩出し続けている「St.Mary’s International School(セント・メリーズ・インターナショナル・スクール)」。2010(平成22)年には校舎の全面リニューアルを果たし、よりいっそう充実した教育環境に注目が集まっています。今回は普段なかなか見学することのできない学校内を案内してもらい、同校の魅力に触れてきました。また現理事長のブラザー・ミシェルさんに開校の経緯や地域の魅力についても話を伺うことができました。
世界中から生徒が集まる名門男子校
――「St.Mary’s International School」の沿革について教えてください。
本校の歴史は、横浜港に降り立ったカナダ人修道士が、家族やその友人の子どもおよそ50名を対象に、勉強の支援をしたのがはじまりとされています。横浜には同じくキリスト教教育修士会が母体となって創立した「聖光学院」がありますが、本校とは姉妹校の関係にあります。
開校にあたっては、横浜にはすでに聖光学院があったため港区の泉岳寺に拠点を移し、1954(昭和29)年に「St.Mary’s International School」として開校するに至りました。
その後、生徒数はまたたく間に増加し、生徒数の増加と教育環境の充実を図るため1971(昭和46)年に現在の瀬田にキャンパスを移しました。2019(平成30)年現在、本校には5歳から18歳までのおよそ800名が在籍し、スクールバス11台を配備して都内各所から生徒を迎えているといった状況です。
――学校の概要について詳しく教えてください。
日本の幼稚園にあたるKindergartenは認可の関係で本校にはありません。本校に通う5歳児の子どもは「Readiness Program(通称RP)」に参加して、入学の準備を整えます。
各クラスの人数としては、RPが3クラス×18名、それ以外は各学年3クラス×25名前後といった人数で、およそ60ヵ国もの異なる地域の子どもたちが一緒に生活しています。
私ももともとコンピューターを教える先生として子どもたちの勉強を見てきましたが、一部の授業は今なお修道士が担当し、国籍が12ヵ国にも及ぶ優秀な先生とともに教育にあたっています。
充実した設備を活用してみずから目標に向かう生徒たち
――都内でも有数の進学校として知られていますが、学校の特徴はどういった部分でしょうか?また、校訓に掲げられていた「A School with a Heart」とはどういった意味ですか?
最大の特徴としては、都内でも数少ない男子校のインターナショナルスクールという点が挙げられます。修道士によって開校されたという経緯もありますが、みずからの目標に向かって成長し続けるという良さが発揮されていると思います。
学業だけではなく音楽やスポーツにも熱心に取り組む子どもが多く、防音設備の整った個室の練習スペースや、レスリングの伝統を受け継ぐ専用のジムなど充実した環境が整っています。
校訓に掲げている「A School with a Heart」とは、日本語で思いやりや真心といった言葉で表現されるのかも知れませんが、なかなか適切な表現がなく、ホームページに日本語を併記しないのもそういった理由で、そのままご理解いただければと思います。
また2010(平成22)年に校舎の全面的なリニューアルを行ったのですが、25m×7レーンの屋内プールや、人工芝のグラウンド、図書館も小学校と中学校・高校に分けて2つありますし、これだけの設備と規模を備えたインターナショナルスクールは少ないと思います。
家族や地域にも開かれた多彩なイベント
――そのほかに「St.Mary’s International School」ならではのイベントはありますか?
毎年5月の第2土曜日に行われるCarnivalは、在校生とその家族が各国のブースを設けて料理や雑貨などを販売する多国籍のイベントで、近隣住民の方にもお越しいただいています。生徒が主体となる日本の文化祭ともまた違い、学生の有志によるミニコンサートやダンスもあり、毎年多くの人で賑わっています。
また毎年12月に開催されるクリスマスコンサートも地域に開かれたイベントで、学校と地域との結びつきを象徴するイベントだと思います。入学と転校が随時行われているインターナショナルスクールの性質上、オープンキャンパスや学校見学会といった機会も設けていないので、イベントを通じて学校の雰囲気に触れられる良い機会だと思います。
――BINGOという聞き慣れないイベントもあるようですが、どういったものですか?
日本ではあまり馴染みが無いと思いますが、BINGOという毎年恒例のイベントがあります。在校生とその家族が中心となり景品を持ち寄って、参加に必要となるビンゴカード使用料を寄付金とする社会奉仕を目的とした取り組みです。
本校では、災害復興のための募金活動や障がい者施設におけるコンサート、盲導犬の啓発活動などといった社会奉仕を目的にした活動にも積極的で、生徒が主体となって自発的に取り組んでいるというのもインターナショナルスクールならではの特徴でしょうか。
――最後に、学校のある瀬田の魅力についてお聞かせください。
瀬田で生活をして50年になりますが、都心部からも近く23区でありながらもひろびろとした空間があるのが魅力的です。「東京都立砧公園」や多摩川沿いの緑道もこの地域ならではの、静かなで穏やかな雰囲気に包まれていて、すばらしい環境だと思います。
学校をリニューアルする際、世田谷区で推進している緑のある街並みの形成にも配慮し、周辺の緑をできる限り保存しました。またグラウンドの地下に貯水プールも備えたのですが、災害時の防災拠点施設として子どもたちの安全を確保できると思います。
今回話を聞いた人
学校法人国際聖マリア学園
セント・メリーズ・インターナショナル・スクール
理事長 ブラザー・ミシェル・ジュトラさん
所在地:東京都世田谷区瀬田1-6-19
電話番号:03-3709-3411
URL:http://www.smis.ac.jp
※この情報は2018(平成30)年3月時点のものです。
創立60年の伝統/セント・メリーズ・インターナショナル・スクール ブラザー・ミシェルさん
所在地:東京都世田谷区瀬田1-6-19
電話番号:03-3709-3411
http://www.smis.ac.jp/