子どもたちの美しい歌声が響き渡る緑豊かな学び舎/さいたま市立指扇北小学校 町田 隆則校長先生
「さいたま市立指扇北小学校」は、学区がさいたま市の最北西部に位置する公立小学校。周辺に雑木林が残る緑豊かな環境に恵まれて、約500名の子どもたちが健やかに学校生活を送っている。異年齢交流や小・中一貫教育など特色ある教育活動に取り組むほか、創部まもない合唱部が名だたる音楽コンクールで上位入賞の快挙を成し遂げるなど、近年校史に刻まれるような出来事に事欠かない。2015(平成27)年に校長に就任された町田隆則先生に、学校のこと、地域のことについてお話を伺った。
「四季の森」をはじめ、豊かな自然に囲まれた学習環境
――「さいたま市立指扇北小学校」の概要や沿革、教育目標についてご紹介ください。
町田校長先生:1978(昭和53)年4月開校の本校は、今年でちょうど創立40周年を迎える学校です。開校当初は1,000名近い規模でしたが、現在の児童数は512名。ただし、学区内で大規模な宅地造成事業が進んでいますので、児童数は将来的にかなり増えると見込んでいます。
教育目標は、「あかるく かしこく たくましく」です。昨年度から体育科の研修を進め、基本の学力の定着と合わせ、体力向上に力を入れて取り組んでいます。近年では、2014(平成26)年に発足した合唱部が、2016(平成28)年に創部2年目にして「NHK全国学校音楽コンクール 埼玉県コンクール 小学校の部」で銀賞を受賞し、2017(平成29)年には銅賞を受賞しました。合唱部に限らず、子どもたちはふだんの授業や音楽朝会などでも元気いっぱいに歌っていて、きれいな歌声が響く学校ということが自慢のひとつです。
――学習環境としてはいかがでしょうか?
町田校長先生:小学校としては校庭がかなり広いので、子どもたちはたいへんよく遊んでいます。学区内は田畑や雑木林がたくさん残っていますし、校内にはサクラやイチョウの木が植えられて、自然が豊かな学校です。学校の西側、道路を挟んである「四季の森」も敷地の一部でして、子どもたちが授業で虫探しや植物採集をしています。今年6月には周年事業のひとつとして、この「四季の森」と校庭の南側に西区の花である、あじさいを100株ほど記念植樹しました。数年後は、株も大きくなり、かなり見事だと思いますよ。
名だたる音楽コンクールで上位入賞の実力をもつ合唱部
――「校内音楽会」や「書初め競書会」といった行事について教えてください。
町田校長先生:秋の「校内音楽会」では全校児童が体育館に集まり、学年単位で歌や合奏を発表します。その翌日には、保護者向けの演奏会も開き、おじいちゃん、おばあちゃんも含めて、体育館がいっぱいになるほどたくさんの保護者がいらっしゃいます。おととしまでは音楽会当日に保護者を招いていましたが、このような形にしたことで、観客席を広くとれるようになりました。
「書初め競書会」は、12月から練習を始め、年明けの当日に学年ごとにいっせいに書を書きます。本校は特活室や廊下が比較的広いので、そこにシートを敷くなどして書きますが、それでも全校ではできないので、2日ぐらいに分かれて行います。お題は県が決めたもので、作品は各クラスの廊下に展示し、よく書けた作品は市の展覧会などへ出品しています。
――活躍目覚ましい合唱部について、立ち上げの経緯や活動内容についてお聞かせください。
町田校長先生:さいたま市内はほとんどの小学校に金管バンドがありますが、本校には金管を含め音楽系の課外活動がありませんでした。そこで、前任の校長がいらした2014(平成26)年、合唱の指導が堪能な音楽専科の担当が着任したことをきっかけに、合唱部を立ち上げようということになりました。
今年は夏に参加した「TBSこども音楽コンクール」の埼玉県大会でも優秀賞を受賞した上、重唱部門が最終選考で最優秀校に選ばれて、12月に開催される東日本優秀演奏発表会へ出場します。こうしたコンクールへ参加するだけでなく、ふだんは先ほどの校内音楽会で歌を披露したり、学区の老人ホームや特別支援学校を訪問するなどしています。6年生が卒業する前に合唱部が単独で開く「You・友(ゆうゆう)コンサート」では、地域の方たち約300人がお見えになります。
合唱部は4年生から6年生までの希望者が活動していますが、今年はコンクール後の9月に新しく3年生の新入部員を募集したところ、なんと21人も入部して、現在総勢75人となりました。コンクール前の夏休みはほとんど毎日休みなく練習していますし、厳しく指導していますが、好きで集まっているので、子どもたちは和気あいあいと仲よく、一生懸命やっていますね。
ペア学年による緊密な小・中一貫教育が中一ギャップを緩和する
――異年齢交流が盛んだと伺っております。
町田校長先生:近所の子どもたちが集まる通学班のほか、1~6年生まで縦割りのなかよし学級があります。秋のピクニック給食では、子どもたちは家から持ってきたお弁当箱に給食を配膳してもらって、なかよし学級のグループごとに校庭にレジャーシートを敷いて給食を食べます。秋にはクラスごとに考えたゲームの出店で遊ぶ子ども祭りがあり、子どもたちは半数ずつ交替して出店を回ります。今はなかなか異年齢で遊ぶことが少ないので、こうした機会を設けることで、上の子は下の子の面倒を見て自然とおもいやりが育まれます。
――中学校との交流についてはいかがですか?
町田校長先生:さいたま市ではいわゆる「中一ギャップ」を緩和し、義務教育9年間を見通して子どもたちを育てていこうと、小・中一貫教育に力を入れています。本校は市の指定を受け、2015(平成27)年度に「さいたま市立指扇中学校」と「小・中一貫教育」研究発表会にも取り組みました。
そもそも、本校の子どもたちは私立へ進む子以外は全員「さいたま市立指扇中学校」へ行くので、一貫教育の活動に取組みやすいのです。2014(平成26)年から本校の6年生が中学生と交流を始めたのですが、今年度はちょうどその子どもたちが中学3年生になり、今度は本校の子どもたちを受け入れる側になっています。 活動内容としては、5・6年生が中学校へ行って、中学生から話を聞いたり、一緒に勉強をしたり、部活体験をさせてもらっています。
市内全小・中学校で行っている「つぼみの日」では、6年生が自分の進学する中学校へ体験に行きますが、半日と時間が限らています。本校では定期的に交流の機会を設けているので、子どもたちは中学進学にとても前向きです。4年生は中学3年生と、5年生は中学1年生と、6年生は中学2年生とペア学年を組んでいるため、中学校に入った時にペア学年だった中学生がいてくれるという安心感もあるようです。
子どもたちが中学校へ行く時は、保護者にも参観の案内を出しています。上のお子さんがいない親御さんは通常、中学校の入学説明会で初めて中学校へ足を運ぶことになりますが、本校の場合は中学校側でも快く保護者を受け入れてくださっている。小・中一貫教育に関してここまで行っている小学校は市内でも少なく、本校の特色のひとつといえます。
――保護者や地域との連携についてはいかがでしょうか?
町田校長先生:本校では保護者や地域の方々による学校支援ボランティアが、学習支援や防犯など様々な場面で協力してくださっています。学区探検の時の同行や家庭科の補助などその都度お願いする活動もあれば、図書ボランティアのように通年で活動していただいているものもあります。図書ボランティアは卒業生の保護者も含めて約30人が登録してくださっていて、図書室の装飾や図書の整備、読み聞かせなどをしていただいています。
また、私も着任して驚いたのですが、本校の学区はとても広く、その中に21もの自治会があります。宅地造成ごとにできたためか、自治会ごとのお祭りのような行事はないですが、連合会組織はしっかりとしています。自治会の方たちには、子どもたちの登下校時の見守りなど主に安全面で協力していただいています。
のどかな住宅街でありながら、日常の買い物に便利なエリア
――学校周辺のエリアについてどのように感じていらっしゃいますか?
町田校長先生:旧大宮地域の学校に来たのは初めてですが、とにかく自然が豊かですね。学校からほんの200~300mのところには牧場があり、街中のようなせかせかしたところがないせいか、子どもたちも素直な子が多いです。16号バイパスなど大きな通りはありますが、交通事故もほとんどありません。買い物をするには、「カインズホーム 大宮店」や「マルエツ 西大宮駅前店」がありますし、ちょっと行けば「大宮」駅周辺の商業施設や三橋方面の「イオン 大宮西店」も使えます。学区には、「秋葉の森総合公園」という大きな公園があり、授業で出掛ける時もあります。子育てするにも、とてもいい環境だと思いますよ。
さいたま市立指扇北小学校
校長 町田 隆則 先生
所在地 :埼玉県さいたま市西区大字中釘1506‐1
電話番号:048-622‐4131(代)
URL:http://sashiogikita-e.saitama-city.ed.jp/
※この情報は2017(平成29)年10月時点のものです。
子どもたちの美しい歌声が響き渡る緑豊かな学び舎/さいたま市立指扇北小学校 町田 隆則校長先生
所在地:埼玉県さいたま市西区大字中釘1506-1
電話番号:048-622-4131
http://sashiogikita-e.saitama-city.ed.jp..