賑わい溢れる魅力的な街へ変化を遂げる福島駅東口/福島市都市政策部市街地整備課(福島県)
2020年8月に閉店した、JR「福島」駅東口駅前の老舗百貨店『中合』(なかごう)。これまで、福島駅東口のランドマークのひとつであった『中合』ですが、その跡地一帯では今後大規模なまちづくり開発が推進される計画が持ち上がっています。今回は、福島市都市政策部市街地整備課のご担当者に、開発の概要や、街の将来、魅力についてお話を伺いました。
――「福島」駅周辺の開発の経緯について教えてください。また、策定された『風格ある県都を目指すまちづくり構想』についてもご紹介ください。
担当者:福島市は、人口の減少や少子高齢化、飲食店や商業施設の減少、市街地の空洞化など、地方都市特有の厳しい課題に加え、震災復興という福島市特有の課題も併せて抱えております。そのような状況に対し、福島市を県都にふさわしい、賑わい溢れる魅力的な街にしようと、新しい形のまちづくりを進めていくために策定された方針が『風格ある県都を目指すまちづくり構想』です。また、福島市の公共施設は、築30年以上が経過した施設が全体の約6割を占めるなど、市民の皆さんが利用する建築物の老朽化が進んでいることから、それに対する対応・対策が必要だった一面もあります。
『風格ある県都を目指すまちづくり構想』の基本方針として、“広域的な拠点として活力あるまちづくり”、“魅力的で賑わいのあるまちづくり”、“まちを楽しみ、すごせるシンボル軸・回遊空間づくり”、“快適で住みやすいコンパクトなまちづくり”、“みんなが参画し、連携するまちづくり”の5つを定め推進してまいります。
――この構想の中で、特に変化が期待されるエリアはありますか?福島駅東口付近に関する計画についても教えてください。
担当者:今回のまちづくり構想においては、「福島駅前周辺エリア」と「市役所周辺エリア」を重点的に機能強化するべきエリアと位置付けており、このあたりには大きく変化が期待されます。特に、福島駅東口付近が含まれる「福島駅前周辺エリア」では、「福島駅東口地区第一種市街地再開発事業」も並行して進められており、民間事業者と協力して再開発ビルの建設も計画されています。福島駅はJR東北新幹線も停まる県内有数の交通の要衝ですので、ここから市外・県外の多くの人を呼び込み、人々が交流し合い、賑わいが生まれるような場所を生み出していければと考えております。
具体的には、『福島駅東口地区第一種市街地再開発事業』における福島駅前交流・集客拠点施設の整備計画があります。これにあたっては民間事業者と連携をとりつつ、行政と役割分担をして進めていく予定です。
また、花や音楽など、福島市の個性をアピールできるような歩行空間や街並みの形成・整備も進めていく予定です。駅前通りとパセオ通りが交差する地点にある『まちなか広場』については、市民の方々とワークショップを通してどのように活用していくのがよいのか考えているところです。
ちなみに、「市役所周辺エリア」においては、新しい福島市役所本庁舎西棟の建設も行われる予定です。福島市立図書館本館再整備の話も出ています。
――福島駅前交流・集客拠点施設の整備計画があるとのことですが、具体的にはどのような機能が入る予定ですか?
担当者:大ホールやイベント・展示ホールなどで構成され、大ホールは1,500席程度を設ける予定です。アーティストのコンサートや学会・大会などの開催を誘致できればと思います。それ以外にも、市民の芸術・文化活動で利用してもらえるような練習室・会議室の整備を予定しています。
――福島市は、『コラッセふくしま』、『こむこむ』、『キョウワグループ・テルサホール(福島テルサ)』など、公共施設が充実しているイメージがあります。新しく整備される福島駅前交流・集客拠点施設との棲み分けはどのようにお考えですか?
担当者:ホールを備える既存施設が充実しているのはその通りですね。しかしいずれも比較的小~中規模なホールのため、新たに整備する福島駅前交流・集客拠点施設ではホールツアーコンサートやグルメイベント、物産展、サブカルチャーイベントなど、大規模なイベントを開催する場合を想定しています。また、大規模な催事の際に周辺の既存施設をサブ会場として利用して連携していけば、有効かつ人々の回遊性も挙がるのではと考えます。
『ふくしん夢の音楽堂』もありますが、こちらはクラシック音楽をメインとするホールのため、新しくできる大ホールについては、それ以外のものをメインに据えることも考えられます。
――今回の一連の再開発事業によって、福島駅東口を中心とする街にもたらされる変化はどのようなものでしょうか?
担当者:中心市街地の集客施設の休館、福島駅前のホテルや百貨店の相次ぐ閉店による影響を受け、福島駅前を中心とした市街地に市民や県北地域からの来訪する機会が減ってきています。
福島圏域の拠点にふさわしい中心市街地に向けて、高次の都市機能(商業・オフィス・コンベンション・文化・交流などの機能)の集積・強化が必要であり、再開発事業によりまちの魅力が高まることで、福島駅前の市街地への吸引力により関係人口の増加が期待されます。昼夜を問わず多くの人々が行き交うことにより、新たな賑わいや市民活動の創出が促され、そこからまた商業機能の活性化も生み出されるような、好循環を生み出せればと思います。
――福島駅東口エリアの魅力やおすすめスポットを教えてください。
担当者:福島市は、連続テレビ小説『エール』で主人公のモデルとなった作曲家・古関裕而氏の出身地です。福島駅東口駅前広場にある『古関裕而生誕100年記念モニュメント』からは、30分毎に古関氏作曲の楽曲が流れ、訪れた方を歓迎します。古関氏について詳しく知りたい方は、『古関裕而記念館』がおすすめです。記念館へは、福島駅東口から『古関裕而メロディーバス』に乗って約15分で行くことができます。
また、福島市を代表する観光地『花見山公園』や市街地中心部にぽっかり浮かぶ『信夫山』(しのぶやま)など自然豊かなスポットも車で15分程度の場所にあり、さらに、街なかには飲食店や居酒屋が充実し、数ある店の中から気になる福島グルメを選ぶことができます。
おすすめスポットとしては、楽しみながら学べる教育文化複合施設『福島市子どもの夢を育む施設こむこむ館』があります。施設内には、図書館やプラネタリウム、ワークショップ室、冒険の海をテーマとした常設展示室など、大人から子どもまで安心して楽しめるスペースが充実しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。福島駅を中心とする駅前や周辺施設、公共施設の再開発に積極的に取り組む福島市。これからのまちづくりに対する魅力的な計画や、具体的なプランに期待も高まります。これから福島県福島市への移住や、転居を考える際の参考にしていただければ幸いです。
福島市役所
所在地:福島県福島市五老内町3-1
電話番号:024-535-1111(代表)
URL:http://www.city.fukushima.fukushima.jp/
※この情報は2020(令和2)年9月時点のものです。
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