子どもファーストの教育・支援環境が整う新座市

子育てと教育を全面的にサポートするまち「新座市」の取り組みとは。/教育委員会教育総務部 金子さん・藤田さん、学校教育部 大井さん

放課後の子どもたちの居場所「ココフレンド」、日本を代表するアスリートによる「夢の教室」など、子どもファーストの教育・支援環境が整う新座市。のんびり・ゆったりした地域性と、「子どもたちを一緒に見守ろう」というボランタリー精神の高さで、地域で温かく子育てができる環境がある。 そんな新座市の子育て支援の仕組みや教育環境の現状について、教育委員会教育総務部の金子さんと藤田さん、学校教育部の大井さんにお話を聞いた。

今回取材にご協力頂いた新座市役所の皆様
今回取材にご協力頂いた新座市役所の皆様

――新座市ならではの取り組みがあれば教えてください。

金子さん:私たち教育総務部は、学校教育とは違う側面から青少年の教育事業を行っています。なかでも子どもの放課後居場所づくり事業としてスタートした「ココフレンド」は特徴的です。 これは小学校が終わってから午後5時(冬季は午後4時半)まで、学校内の施設を使って子どもたちが勉強したり、遊んだりする場を提供するもので、帰りの会が終わると、子どもたちは「ココフレンド」のスタッフルームに集合し、1時間ほど宿題をしたり、読書をする勉強タイムを過ごします。 その後は校庭や体育館で遊んだり、図書室で本を読んだりしながら自由に過ごしています。子どもたちを見守るのは地域ボランティアの方々で、時には勉強を見てくれたり、将棋の相手をしてくれたりといった交流もあります。

ココフレンド 学習の時間
ココフレンド 学習の時間

――保護者の方々や子どもたちの評判はいかがですか?

藤田さん:非常に好評です。放課後そのまま学校で過ごすので安心ですし、宿題などは「ココフレンド」で終わらせてきますので、親御さんから「厳しく宿題のチェックをしなくてよくなった」という声もいただきます。
何より保険料以外無料で利用できますので、今まで放課後児童保育室に通っていたお子さんが「ココフレンド」に変えることもあるようです。学校の規模によって人数に差がありますが、約60%の児童が登録し、利用しています。
高学年になると塾や習い事に行くお子さんも多いので、メインの利用者層は1〜4年生。現在、市内全17小学校のうち、13校に導入されており、2020(令和2)年度には市内全小学校で実施する予定です。 夏休みなどの長期休業中も、お弁当持参でお子さんを受け入れています。特に夏休みや冬休みなどの長いお休みの期間は、「英会話」「科学実験」「ダンス」などの体験学習教室も実施し、メリハリのある活動にしたいと思っています。

ココフレンド 遊びの時間
ココフレンド 遊びの時間

――「新座っ子ぱわーあっぷくらぶ事業」というのもありますね。

藤田さん:これは月2回の土曜日、地域の方々が先生になって各自の得意分野や趣味を子どもたちに教えてくださるというもので、市内17の全小学校で実施しています。ラケットテニスや、軽スポーツなどの運動をはじめ、茶道や日本舞踊など文化クラブもあります。 新座市内約9,000人の小学生のうち、1割ほどが登録をしていて、1年間を通じてそのクラブに通います。保険料と材料費などの実費だけはいただきますが、実質無料のクラブです。年度末には発表会もありまして、1年間頑張ってきた成果を見せる機会も設けています。

新座っ子ぱわーあっぷくらぶ ラケットテニス
新座っ子ぱわーあっぷくらぶ ラケットテニス

――アスリートを先生に迎えた「夢の教室」はどのような活動なのでしょうか。

金子さん:新座市はオリンピック・パラリンピックの射撃競技会場で気運醸成の一貫として、市内全17小学校で47クラス、6年生全員を対象に「夢の教室」を開催しています。2018(平成30)年度からJFAの全面協力を得て、オリンピアンなど日本を代表するスポーツ選手をお呼びしています。 「夢の教室」では授業時間の2時間を使用して、前半は体育館で先生とゲームなどをする交流の時間、後半はアスリートが夢を語る「トークの時間」になっています。 アスリートの方々の話も、成功体験だけではなく、失敗談や挫折から立ち直った経験などリアルな話をしてくださるので、子どもたちの心にもストレートに響くようですね。先生方からも「子どもたちが楽しみにしている」「普段教室ではあまり話さないような児童も目をキラキラさせて聞き入っていた」などの嬉しいコメントが届いています。実際、先生方にも参考になるお話があるようで、参加者たちからは非常に好評です。予算が厳しい部分もありますが、続けていきたい事業ですね。

こころのプロジェクト「夢の教室」
こころのプロジェクト「夢の教室」

――これ以外にも子ども支援のための取り組みなどはありますか?

金子さん:市内には3つの大学があり、それぞれコラボ事業などを行っていますが、そのうち「十文字学園女子大学」では、「子ども大学にいざ」を開講しています。これは夏休みの後半、子どもたちが自由研究や宿題などで煮詰まった8月下旬頃の時期に、調理実習や文化研究などのユニークな授業を受講できるというものです。 小学4〜6年生が対象で、講師の先生は大学の教授や講師、地域の方、大学関係者など多岐に渡ります。

子ども大学にいざ 流しそうめん
子ども大学にいざ 流しそうめん

夏休みの平日、大学の施設を借りて行うこともあります。親御さんの送迎はお願いしていますが、40名の定員もすぐいっぱいになって抽選になるくらいの人気講座です。 また各地区にある公民館などの公共施設の空き部屋やオープンフロアなどを、子どもたちの自習室として開放しています。もちろん無料で利用できますし、wifiも整備していますので、地域の中高生たちが勉強しやすい環境だと思います。 この他、市内のボランティア団体(学校内のものも対象)に助成を行ったり、全国大会や世界大会に出場する青少年をサポートする新座市青少年教育振興事業助成金もあります。

――では学校教育の面で新座市の特徴的なものはありますか?

大井さん:新座市の小中学校では、学校応援団の活動が盛んです。学校応援団とは、保護者や地域の方々による、学校をサポートする組織のことです。例えば、家庭科の裁縫の授業でミシンの使い方を教えてくれたり、総合的な学習の時間で田植え体験の技術指導をしてくれたりなど、子どもたちの活動をボランティアで助けていただいております。その他、小学校のクラブ活動のサポートや登下校の見守り、図書整理、本の読み聞かせなど、各学校に応援団があります。現在、市内のべ1万3000人もの方が各学校をサポートしてくれています。

―― 幼稚園・保育園・小学校の連携などはいかがでしょうか。

大井さん:年に3回、市内の幼稚園・保育園・小学校の園長や校長、管理職が一堂に会して話し合う場を設けています。情報交換や小1プロブレム解消の論議、幼・保・小の連携をどう取るかなど、活発な意見交換が行われています。会議の他に研修会もあります。今年は夏休み期間に、川口市の幼小一体型になった学校から幼稚園の園長先生を迎えて、幼稚園・保育園と小学校における連携の在り方などについて、実際にお話を伺う予定です。また、これらの研修を踏まえて、市内の幼稚園・保育園と小学校とが連携し、園児と児童の交流事業が行われています。
また、小学1年生には副担任を配置し、幼稚園・保育園から入学したばかりの子どもたちをサポートしています。小1プロブレムなどと言われますが、勉強面だけでなく、生活面も手厚く目を配れるように人員を配置しています。

――新座市の学校を回られていて、何かお感じになることはありますか?

大井さん:とにかく先生の教え方、子どもたちへの接し方がきめ細かくて丁寧ですね。例えば、習字や制作物の展示の仕方、子どもたちの提出物に対するコメントの丁寧さなど、驚くことが多いです。また、各学校とも若い先生方が多くいらっしゃいますが、先輩の先生とのつながりも強く、教職員の中でも連携や教え合いがあるようで質の高い授業が保たれていると感じます。

現在、教科書や学習用品など、子どもの荷物が重すぎるという問題で、各学校に対応が求められていますが、新座市の先生方は実に柔軟な対応をしてくれています。ある学校では、班ごとにケースを用意して使用頻度の少ない副読本や資料集などをきれいに整理整頓できるようにしていました。また、中学校では、ちょうど反抗期や成長期と重なり、生徒指導が難しい部分もありますが、各中学校では生徒を縛るような教育ではなく、規律がある中でも子どもたちを伸び伸びと指導していると思います。多くの学校で、話し合い活動などを積極的に取り入れ、主体的・対話的で深い学びの視点をもった授業が行われています。

――学校と地域の連携は強いのでしょうか?

大井さん:とにかく学校と地域の結びつきが強く、近隣の方々が非常に学校教育に協力的ですね。新座市では全小・中学校が「コミュニティ・スクール」指定学校になっており、地域の方々の意見を学校運営に反映させています。実はこの「コミュニティ・スクール」は、地域との関係が良好でないと踏み切れない部分でもあります。地域の方々が学校運営に関わることで、学校側は閉鎖的にならないよう、開かれた学校づくりに力を入れていますし、地域の方々も「子どもたちを育てよう」「協力しよう」「一緒に見守ろう」という気持ちを強くもっていただけると思います。

――新座市の子育て環境の魅力を教えてください。

金子さん:やはり地域の方々のボランタリーな考え方が根強いので、子育てをしている方々にも温かく協力的だと思います。新座市は町内会加入率も高く、子どもたち・地域のために動こうという意識が高いですね。子育てをする環境としては、そういった周囲の方々の存在は心強いでしょうし、非常に良いと思いますよ。

大井さん:子どもたちがのびのびと過ごしている印象ですね。埼玉県では全国の学力調査とは別に、「前年からどれくらい伸びたか」といった児童や生徒個々の経年変化を見取る、県独自の学力調査があり、先生方も「一人一人を伸ばそう」という意識があります。そして、各個人で見れば、伸びているお子さんも多く、それには学校の環境や教育活動が大きく影響していると思います。もちろん学力を伸ばすことも大事ですが、新座市は人間的な教育の部分がしっかりしていると感じます。

新座駅
新座駅

藤田さん:新座市には「新座」駅と「志木」駅があり、「ひばりヶ丘」駅、「東久留米」駅、「朝霞台」駅、「北朝霞」駅などへもアクセスが便利です。JR武蔵野線、東武東上線、西武池袋線など多くの鉄道が使えるので、通勤通学の負担が少ないのに、自然がたっぷり残っている環境がすばらしいと思います。 私のおすすめは平林寺の静かな境内を眺めたり、野火止用水沿いの遊歩道を歩く散歩コース。平林寺向かいには昭和の大茶人である松永耳庵が移築した睡足軒があり、月に1回お茶会も開かれています。散歩コースを歩いたら、睡足軒でお茶とお菓子で一服というのんびりした休日も過ごせます。

新座市役所

新座市教育総務部副部長兼生涯学習スポーツ課長 金子啓一さん
新座市教育総務部生涯学習スポーツ課 藤田智美さん
新座市教育委員会学校教育部副部長兼教育支援課長 大井敏彰さん
所在地 :埼玉県新座市野火止1-1-1
電話番号:048-477-1111(代表)
URL:http://www.city.niiza.lg.jp
※この情報は2019(令和元)年7月時点のものです。

子育てと教育を全面的にサポートするまち「新座市」の取り組みとは。/教育委員会教育総務部 金子さん・藤田さん、学校教育部 大井さん
所在地:埼玉県新座市野火止1-1-1
電話番号:048-477-1111
開庁時間:8:30~17:15
休庁日:土・日曜日、祝日、年末年始
http://www.city.niiza.lg.jp/