保護者同士のネットワークづくりも支援/西東京市立下保谷児童センター センター長 林 宏一郎さん


西東京市立下保谷児童センター
センター長 林宏一郎さん

保護者同士のネットワークづくりも支援
地域に親しまれる児童センターを目指して。

西武池袋線「保谷」駅から徒歩5分という好立地にある「西東京市立下保谷児童センター」は、2010(平成22)年にリニューアルオープンした西東京市の複合公共施設の2階と地下1階部分を占める。各種スタジオや機材を完備するなど中高生の校外活動を支援する一方で、乳幼児~小学生対象の設備や事業も充実させ、幅広い世代の子どもたちや保護者に親しまれている。幼児向けイベントが行われている最中のセンターを訪れ、センター長の林さんに事業活動や地域との関わりについてお話を伺った。(取材日:2014年12月9日)

まずは「西東京市立下保谷児童センター」の概要をご紹介ください

保谷インタビュー 施設外観
保谷インタビュー 施設外観

乳幼児から高校生までなら誰でも利用できる施設で、開館は基本的に月曜から土曜の9時15分から18時までと第1・3・5日曜の9時30分から17時までです。さらに、中高生を対象に平日の18時から21時までの夜間開館を実施しています。

西東京市には児童館と児童センターが13カ所ありますが、なかでもこちらの施設の特徴はどんな点でしょうか?

西東京市立下保谷児童センター 紙芝居
西東京市立下保谷児童センター 紙芝居

当館は2010(平成22)年にリニューアルオープンし、複合公共施設となっている建物の1階には「西東京市立下保谷福祉会館」が併設されていますので、毎年1回、学童クラブの子どもたちが福祉会館の演芸大会に参加させてもらい、高齢者の方と交流する機会があります。

そのほか、もちろん乳幼児向けの事業も、お子さんの年齢に合わせて様々な取り組みを行っています。駅からも近く、天気を気にせず遊べるので、子どもたちが安全に過ごせる場所としてどんどん活用していただきたいと思っています。

保谷インタビュー 室内
保谷インタビュー 室内

また、当館はリニューアルオープン以降、中高生の健全育成に特化した児童館として中高生がいろいろな活動をしやすい設備が整っています。音楽スタジオとダンススタジオ、さらにステージや可動式客席を備えたライブスタジオがあり、近隣の高校の音楽部による自主ライブなどへも貸出しをしています。

乳幼児向けの事業がとても充実していらっしゃいますね

保谷インタビュー キッズルーム
保谷インタビュー キッズルーム

普段から、乳幼児専用のキッズルームはいつでもご利用いただけますし、隣のプレイルームも平日の午前中は基本的に乳幼児専用としていますので、幼児向けの乗り物遊具で遊べます。いずれも事前の予約などは要りませんので直接来ていただければ、他の事業やイベント等で使用している時以外は利用できます。

保谷インタビュー ようじのつどい
保谷インタビュー ようじのつどい

西東京市にお住いの方を対象にした登録制事業としては、3歳児以上の幼児を対象にした「ようじのつどい」、2歳児向けの「かばくんのさんぽ」、1歳児向けの「カンガルータイム」、1歳前後の乳児向けの「こあらちゃん」をそれぞれ月1~2回実施しています。各イベントでは親子の触れ合い遊びや歌、読み聞かせ、誕生会などの企画を楽しんでいただくのと同時に、グループ分けをして保護者同士の交流を深められるように配慮しています。

下保谷児童センター サンタ
下保谷児童センター サンタ

登録数は現在、「ようじのつどい」が約50組、「かばくんのさんぽ」が約30組、「カンガルータイム」が約40組。毎回来られる方もいれば、時々利用される方もいらっしゃいます。

 

 

 

登録制でない定例事業としては、絵具を使って遊ぶ2歳児からの「のびのびアートの日」、5歳くらいからの「折り紙コーナー」「わくわく工作会」などがあります。「わくわく工作会」などは、小さなお子さんと親子で一緒に参加される方が多いですね。

紙芝居
紙芝居

読み聞かせの活動では、「西東京市立保谷第一小学校」の読み聞かせサークルによる「土曜読み聞かせ会」と、「西東京市保谷駅前図書館」の職員による月1回の「はじめてのページ」があります。「はじめてのページ」は特に初めて絵本に触れるお子さんたちに見合った本を選んで紹介していただいています。

小学生向けで人気のプログラムを教えてください

調理創作ルームで開いているクッキング教室は、かなり人気があります。月3日間の開催ですが、毎回定員がすぐに埋まってしまうほどです。秋田の郷土料理「だまっこもち」やりんごあめ、パンケーキなど毎月メニューを変えて、当日は職員の指導のもと、基本的に子どもたちだけで調理をします。このほか、幼児連れの親子や中高生向けのクッキング教室もあります。

また、体力増進指導員による運動・スポーツの行事として、「ドッヂボールタイム」「ダブルダッチの日」「けん玉検定会」「一輪車検定会」「サッカータイム」を月1~2回、設けています。プレイルームとグラウンドではふだんから身体が動かせるようになっていますし、日時限定でグラウンドで一輪車に乗って遊ぶこともできます。

そのほかにはどのようなイベントがありますか?

保谷インタビュー 楽器
保谷インタビュー 楽器

年に2回、夏の「サマーフェスティバル」と冬の「ウィンターパーティー」という大きな行事があります。今年の「ウィンターパーティー」では、ミュージックベル演奏や大型絵本などクリスマスに合わせた企画のほか、「西東京市立保谷第一小学校」の児童によるピアノ演奏やダンスの発表や、夜間は近隣の中高生のバンド演奏など、盛り沢山な内容で行います。

保谷インタビュー サンタ
保谷インタビュー サンタ

こうしたイベントは保護者の方も見学していただけますし、「ウィンターパーティー」は「西東京市立保谷第一小学校」の保護者の方に受付や館内の案内をお手伝いしていただいています。

異年齢で交流する機会はありますか?

小学生だと、学年が1つ、2つ違う子どもたちが一緒にドッヂボールやサッカーで遊んでいる様子がよく見られます。また中高生向けの夜の時間帯は、違う学校の子どもたちが集まって一緒に話をしていますね。「ウィンターパーティー」には複数の学校のバンドが参加しますが、子どもたちには出演の順番決めや飾り付けなど企画段階から自主的に関わってもらっているので、違う学校の子どもたち同士でも交流があります。

子育て相談にも力を入れていらっしゃるそうですね

下保谷児童センター 掲示板
下保谷児童センター 掲示板

毎週月・金・土曜日、予約制で保育士がお話を伺う「育児のなんでも相談室」を開いていますし、ふだんから気軽にお子さんの様子を伺うようにしています。このほか、「地域子育て支援センター」の保育士と看護師に来ていただいて、月1回の「おおきくなったかな」という事業では身長体重測定や育児相談を行っています。

また、中高生向けの「なんでも相談室」もあり、子どもたちの勉強や友達関係の悩みなどの相談にのっています。

さまざまな世代や保護者と接するにあたり、職員のみなさんが日々心掛けていらっしゃることはどんな点でしょうか?

保谷インタビュー 林さんと親子
保谷インタビュー 林さんと親子

小さいお子さんをお持ちの保護者は初めての子育てという方も多いでしょうから、子育ての不安をなくせるようにこちらでフォローをしていきます。また、近所にお母さん友達がいなくても、こういう場所に参加することで、横のつながりを作っていただきたいと思っています。

小学生のお子さんについては基本的なルールをしっかりと身につけてほしいので、ただの遊び場ではなく、ごみを持ち帰るなどの指導をしっかりと行っています。そして、様子がおかしかったら声をかけるなどフォローをしてあげる。学校や家とは違った場所だから本音を出せるというお子さんもいるので、そういう声を受け止めてあげられればいいなと思っています。

地域の子育ての中心的役割を担っていらっしゃると感じます

下保谷児童センター
下保谷児童センター

大人になってから久しぶりに来て「昔はこういうおもちゃがあったんですよ」と懐かしがる方や、下のお子さんが生まれたのをきっかけにまた来てくださる方もいらっしゃいます。引き続いて利用してくださるのはとても嬉しいことなので、今後も地域の方に親しまれる児童センターを目指していきたいですね。

保谷インタビュー 林さん2
保谷インタビュー 林さん2

近隣の小中学校とも積極的に連携していきたいと考えています。例えば「西東京市立東小学校」の夏祭りや冬祭りでは、工作コーナーを出店しています。また、各小中学校や地域の団体と合同で行う「どんど焼き」で遊びのコーナーを出店するなど、他の児童館・児童センターと共同でいろいろな地域行事に協力しています。そうした中で、地域の方と交流を深めていきたいと思っています。

子育て環境の良さなど、保谷エリアの魅力について教えてください

大泉交通公園
大泉交通公園

近くの「あらやしき公園」をはじめ、たくさんの公園がありますし、各児童館・児童センターがそれぞれの事業に力を入れています。自主的に子育て支援活動をされているボランティアグループも多いですね。

私はこの4月に異動してきたばかりなのですが、地域の方たちがとても熱心で温かいです。先ほど申し上げた「どんど焼き」でも、PTAの方、OB・OGの方、地域の各団体の方が大勢いらっしゃっていろいろと協力してくださる。自分の小学校、中学校だけというのではなく、自分たちの街をよくするために地域全体のことをよく考えていらっしゃるなとすごく感じています。

電車で池袋から20分くらいで都心からのアクセスが良く、ほどよく自然も残っている。そして住民の方々がいい意味で昔ながらの地域の連携を大事にされている、とてもいい街だなと思います。

保谷インタビュー 林さん
保谷インタビュー 林さん

今回、話を聞いた人

西東京市立下保谷児童センター
センター長 林宏一郎さん

※記事内容は2014(平成26)年12月時点の情報です。

保護者同士のネットワークづくりも支援/西東京市立下保谷児童センター センター長 林 宏一郎さん
所在地:東京都西東京市下保谷4-3-20 
電話番号:042-422-8346
開館時間:9:15~21:00(通常開館/9:15~18:00、夜間開館/18:00~21:00)
     ※第1・第3・第5日曜日は9:30~17:00
休館日:第2・第4日曜日、祝日、年末年始
http://www.city.nishitokyo.lg.jp/sisetu/..