施設長 梶原さんインタビュー

多世代がスポーツに親しむ多摩平の”健康増進拠点”/トムスポーツ アカデミー(東京都)


2017(平成29)年、「豊田」駅北口にのびる多摩平のメインストリート沿いに、地域の健康促進を担うことを目的にした集合施設「Tomorrow PLAZA」が誕生しました。医院、薬局、デイサービス、コミュニティホールなどを備えている同施設の中核となっているのは、2階と3階の大部分を占めるスポーツクラブ「トムスポーツアカデミー」です。
もともと「トムスポーツアカデミー」は日野市の西端、旭が丘地区でスイミングスクールと32年間営業していましたが、同施設の開業に合わせて2017(平成29)年、装いも新たに移転オープンしました。3年余りが経った今では、多摩平の住民を中心に日々多くの利用者が訪れ、スポーツやフィットネスに取り組んでいます。今回は施設長を務める梶原さんに、「トムスポーツアカデミー」の特徴や人気のプログラム、地域に関わる取り組みなどについてお話を伺いました。

2017年に「Tomorrow PLAZA」の2・3階にオープンした「トムスポーツアカデミー」
2017年に「Tomorrow PLAZA」の2・3階にオープンした「トムスポーツアカデミー」

スイミングスクールを前身に、総合スポーツクラブとして多摩平にオープン

――まずは施設の概要と、移転オープンの経緯について教えてください。

「トムスポーツアカデミー」は、こちらに移転する前はスイミングスクール主体の施設として長年運営をしていました。ご縁あってこちらでオープンすることになり、スイミングだけではないスタジオやマシン、インドアコートなどを備えたスポーツクラブとしてリニューアルしました。
地域の健康促進拠点として、地域の方々に気軽に来ていただけるような施設しようと、お子様からお年寄りまで誰にでも使いやすいことを重視しています。スイミングスクールでは0才からの「ベビースイミング」などもありますし、裾野がすごく広くて、実際に小さなお子さんから、80~90代の利用者もいらっしゃいます。
また、多摩平という街に溶け込み、トレーニングをしながら周辺の木々を眺めることができたり、周りの環境と調和した落ち着いて過ごせるような施設を目指しています。

1面6コースのメインプール
1面6コースのメインプール

――利用施設や目的など、どういった利用者が多いのでしょうか?

利用者のうち、大人と子どもも割合は、ほぼ半々になります。プログラム別の利用人数としては、やはりスイミングが多いですね。子どもの利用者は2000人程居るのですが、スイミングスクールが2/3程を占めていて、それ以外の競技と2、3種目掛け持ちしている子もいます。大人は反対に、プールを使う方もおられますが、ジムやスタジオの利用者の方が多いですね。

スイミングスクールは独自の進級段階が好評

――各施設や、プログラム・スクールの特徴を教えてください。

プールは2つありまして、メインとなるのは1面が6コースの25メートルプールです。深さは1.2メートルとなっています。もうひとつの小さなプールは2レーンのプールで、小さなお子さん向けのプログラムや、大人の方でもウォーキングなどに使っています。

子ども向けの小さなプールも
子ども向けの小さなプールも

「トムスポーツアカデミー」のメインともいえる子ども向けのスイミングスクールでは、進級基準が弊社独自のものになっており、これをクリアすることを目標に進んでいきます。この進級基準が好評をいただいていまし、実は、以前は小学生も園児も一緒の基準でした。それを数年前に、小学生の基準と幼児の基準に分け、たとえば幼児用の基準だと、「泣かないでこれた」というだけでも級が上がるんですね。こうしたことで、「良かったね」と言ってあげられる機会も多くなって、その点も好評をいただいているのかと思います。また、このふたつの進級基準を縦に並べると、全部で50段階以上になりますから、子どもたちから見ても、比較的簡単に、一個ずつ級を取得できるようになっており、モチベーションにもつながっているのかと思います。

大人向けに関しては、スイミングであれば泳ぎのレッスンであったり、アクアビクスだったり、という定番ものが人気です。

細やかに分けられた等級により、1つ1つ出来る事が増える楽しみを与えられる
細やかに分けられた等級により、1つ1つ出来る事が増える楽しみを与えられる

トレーニングジムや多彩なスタジオプログラム、インドアスポーツスクールも人気

――プール以外の施設について教えてください。

プールと受付が2階にあり、ほかに小さなスタジオが1面あります。3階に行くとと、様々な器具が並んでいるトレーニングルームと、その奥に鏡張りの大きなスタジオがあります。このほかロッカールームとパウダールーム、サウナ付きの浴室、緑を見ながらゆっくりできるラウンジもあります。

3階のトレーニングルーム
3階のトレーニングルーム

スイミング以外で人気が高いのは、やはり、スタジオのプログラムです。エアロビクス、ヨガなどは定番となっていますし、最近は「レズミルズ」というグループフィットネスのプログラムが人気で、いつも満員になっていますね。

子ども向けでユニークなのは、学校の体育を補完するようなプログラムで、体操や跳び箱、鉄棒の逆上がりを練習するといった内容となっています。非常に人気で、こちらも毎回満員です。

学校の体育の内容を補強するプログラム
学校の体育の内容を補強するプログラム

また、3階にはインドアコートもあり、こちらは天井が高く取られていますので、テニスやサッカーをすることが可能です。全天候型で冷暖房も備わっています。

テニスやサッカーに使用される全天候型インドアコート
テニスやサッカーに使用される全天候型インドアコート

全体的な特徴として、初心者の方へのサポートを重視していまして、入会して半年間は何かと不安が多い時期ということもありますので、定期的にトレーナーからお声がけをさせていただいて、無料でカウンセリングを行っています。まずは少しでも不安を取り除いて、継続していただけるように、という願いから取り組んでいるものですね。

利用者のサポートに無料カウンセリングも実施している
利用者のサポートに無料カウンセリングも実施している

――短期間で参加できるプログラムはありますか?

いくつかご用意しています。夏休みと、冬休みと、春休みにそれぞれありまして、主には、普段からスイミングスクールに通っている子どもたちに対して、3~4日間程度、集中してこなす補強プログラムになります。また、同じく長期休み期間には、普段の半額くらいの金額で「1日体験プログラム」を開催しています。まずはこちらに参加してみて、入会のきっかけにされる方も多いですね。

――「トムスポーツアカデミー」の会員からプロアスリートになった方もいらっしゃるようですが、本格志向、プロ志向のコースもあるのでしょうか?

プロ育成を目的にしているわけでは無いため全体での募集はしていませんが、子どもの能力は無限ですので、一般向けのスクールから、個別により高いレベルの練習プログラムを行うことはあります。サッカーの日本代表も務めた中島翔哉選手を輩出していたり、スイミングスクールからは、全国大会レベルに出場している選手も常にいますね。

プログラムに取り組むなかで高い能力が引き出されることも
プログラムに取り組むなかで高い能力が引き出されることも

周辺環境や住民のライフスタイルやニーズを感じながらの施設運営

――周辺住民の利用者も多いと思いますが、多摩平の地域の印象はいかがですか?

あくまでも僕の個人的な感想ですが、以前は別の店舗に居たこともありますが、多摩平のお客様の印象は、まずは“優しい”、そして“温厚”だと思います。皆さん穏やかな雰囲気でいらっしゃるので、私達も事業をしやすい地域だと感じています。子どもたちも落ち着いてる子が多い印象です。

やはり、街自体も自然も多くすごくゆったりとしているので、過ごす環境が人柄にも繋がっているのか、もしくは、そういった環境を好む方々が集まっている地域なのかなと思います。

穏やかな多摩平の環境(写真は「多摩平第1公園」)
穏やかな多摩平の環境(写真は「多摩平第1公園」)

――近年は感染症流行の影響や働き方改革などによって、地域住民のライフスタイルも変わりつつありかと思いますが、ニーズの変化を感じることはありますか?

やはり、このコロナの影響で来ていただいている方の総数は減ってしまっています。ただ、特に子どもたちに関しては、以前よりもプログラムへの参加率が高くなったと感じます。やはり、出掛けたり他にできることが限られてしまう中で、身体を動かすことがうまくストレスやエネルギーの発散の機会になっているのかな、と感じますね。大人に関しても、働きざかりの年代の方は、時間に余裕ができたこともあってか、以前よりもよく来ていただいています。

消毒などは当然こまめに行っていますし、見学スペースなども今は閉鎖し、密にならないような対策は全館にわたってとっております。またマシンジムなども、もともと余裕をもった配置ですが、1台おきに使えないようにしたり、スタジオレッスンに関しても、入退場時に整列して、ゆっくり出入りしていただくなど、お客様にもご協力をいただきながら、少しでも安全に使っていただけるように対策をとっています。

医療機関との連携で、地域の健康増進拠点として新たな取り組みも

――今後のビジョンを教えてください。

「トムスポーツアカデミー」は厚生労働大臣認定「健康増進施設」に認定されています。今、特に力を入れて推進しているのが、スポーツドクターとの連携です。すぐ向かいに「日野市立病院」がありますので、その医師の方と連携した取り組みをやっていきましょう、という話を進めています。

高齢化社会が進んでいる中、たとえば、整形外科的な問題や、内科的な問題をお持ちの方、またはその前の段階の方に、将来、薬を飲み続けなければいけないような状況にならないように、「運動を処方する」ということを医師が行い、その処方箋を持った人が来られた時に、「トムスポーツ アカデミー」で対応していこう、という取り組みです。

近隣に建つ「日野市立病院」との連携も進めている。
近隣に建つ「日野市立病院」との連携も進めている。

実はこの案は、国のレベルで以前から検討されていたのですが、実際にスポーツドクターと連携できているスポーツクラブは全国的にもほとんどありませんでした。それに対応する資格に「健康運動実践指導者」か、「健康運動実践士」といったものがあるのですが、それが難しい資格でして。「トムスポーツ アカデミー」にはその資格を取得しているスタッフが複数在籍していますので、すぐに対応できるような環境は整っています。現在、モニターレベルですが、徐々に始動を進めております。

また、お子様に関しても、少しでもたくさんの方に身体を動かすことを楽しいと感じていただきたい、という願いがありますので、地域の方々にもっともっと、知っていただけるような努力は継続していきたいと思っています。

トムスポーツ アカデミー
トムスポーツ アカデミー

トムスポーツ アカデミー

施設長 梶原さん
URL:https://www.hoo-sports.com/tom/adults
※この情報は2021(令和3)年9月時点のものです。

多世代がスポーツに親しむ多摩平の”健康増進拠点”/トムスポーツ アカデミー(東京都)
所在地:東京都日野市多摩平3-1-1 
電話番号:042-582-1061
営業時間:火~金曜日10:00~23:00、土曜日10:00~21:00、日曜日・祝日10:00~19:00 ※受付業務及び大人スポーツ会員のトレーニング利用は終業時間30分前まで。
定休日:月曜日、特別休館日(お盆、年末年始)
https://www.hoo-sports.com/tom/adults