石神井公園ふるさと文化館 新川晃代さん、相川詩織さん インタビュー

石神井公園ふるさと文化館/新川晃代さん、相川詩織さん


「石神井公園ふるさと文化館」は、深い歴史と豊かな自然に恵まれた「石神井公園」近くに2010(平成22)年に開館した文化施設。練馬区の歴史や伝統文化を気軽に楽しむことができ、練馬区民はもちろん、周辺地域からも多くの人達が訪れる人気のスポットです。今回、広報担当の新川晃代さんと学芸員の相川詩織さんに館内を案内いただき、地域と共に活動する同館の取り組みや石神井公園エリアの魅力についてお話を伺いました。

歴史や文化に触れて体験もできる施設

練馬区立石神井公園ふるさと文化館
練馬区立石神井公園ふるさと文化館

――施設の概要や特色について教えて下さい。

相川さん:練馬区の郷土資料室が前身として2010(平成22)年3月に開館しました。練馬区の歴史や文化、自然などについて体験しながら楽しく学ぶことができ、観光情報の発信も行っています。

新川さん:当館は「練馬区で育まれた文化の継承及び発展」、「新たな地域文化の創造及び観光振興に寄与すること」を目的としています。開館以来、練馬区民だけではなく、周辺地域からも多くの方々に来館していただいています。

相川さん:建物1Fと2Fには「わがまち練馬情報コーナー」があり、1Fでは当館周辺で見られる鳥や昆虫、植物、練馬区の名所や「石神井公園」周辺の案内、伝統工芸などの紹介、2Fでは絵画や写真など、区民の作品を展示しています。2Fにある「常設展示室」では、土器などの出土品や工芸品、練馬大根の資料などが展示されていて、練馬区の歴史や当時の人々の生活の様子を知ることができます。ここでは昔の道具やおもちゃに触れたり、使ったりして楽しんで学べるようにハンズオン展示を行っているのも特徴で、小さなお子さんから大人の方まで楽しんで観覧していただけるよう工夫しています。また、2Fの「企画展示室」では、年に4回、歴史、文化などに関する企画・展示を行い、「交流ライブラリー」では、練馬区の歴史、民俗、自然などに関する地域に特化した資料や情報を取り揃えています。

館内の様子
館内の様子

来館者と地域の人たち同士が交流できる“ふれあいの場”に

――イベントが人気とお聞きしました。

相川さん:毎週土曜日に行っている、様々なものづくりや体験ができるイベント「ふれあい土曜事業」が大変好評です。館内を探検するクイズラリー「石神井公園ふるさと文化館を探検しよう」や、当館に隣接する古民家「旧内田家住宅」の囲炉裏端を囲んでの紙芝居や昔話の読み聞かせを行う「いろり端で聞く昔ばなし」など、毎週開催していますね。先日行った「とんとん相撲」を作るイベントでは、子どもたちも大人もみなさん終始楽しそうでイベント最後に行う試合では大盛り上がりでした。

囲炉裏のある「旧内田家住宅」
囲炉裏のある「旧内田家住宅」

新川さん:「ふれあい土曜事業」では、当館の案内や業務サポートを行うボランティアスタッフ「サポーター」のみなさんが活躍しています。サポーターさんは平均70歳くらいのベテランの地域の方がほとんどで、小さな子どもたちからすればおじいちゃんおばあちゃん以上の年齢です。この事業は、当館の業務サポートの他にも地域・世代間交流も目的としていますので、サポーターさんの世代は適齢。サポーターさんも参加する子どもたちも、当館の業務やイベントを通して、お互いに交流を楽しんでいる様子です。

相川詩織さん、新川晃代さん
相川詩織さん、新川晃代さん

作品発表・交流の場にも利用を

――ギャラリーや会議室の利用も人気のようですね。

新川さん:はい。当館ではギャラリーや会議室、企画展示室の貸し出しを、練馬区民で活動されている団体を対象に行っています。写真や絵画、水彩画、書道、つるし雛、俳句など、地域の方の作品の発表の場、交流の場として活用いただいています。発表の場が設けられることにより、出品するみなさんの団結力も強くなり、創作意欲の向上にもつながっている様子です。今後もみなさんに作品の発表の場や交流の場として、当館をご活用いただければと思います。

土器など周辺の歴史を感じる展示
土器など周辺の歴史を感じる展示

文化人にも愛される落ち着いた住環境

――「石神井公園」周辺の魅力についてはいかがでしょうか。

相川さん:当館に隣接するスポットで「区立池淵史跡公園」があります。公園は、高台に位置しており当時人々が暮らしていた竪穴式住居跡があり、周辺には石神井川や三宝寺池が古くからあります。このような立地条件から「石神井公園」周辺は、日当たりが良く水源に恵まれた住みやすい土地だということを知ることができます。

池淵史跡公園
池淵史跡公園

また、現在も継承されている「石神井公園」周辺の閑静で落ち着いた住環境は、石神井公園エリアにゆかりのある小説家・檀一雄や五味康祐などの文化人に愛されてきたことでも有名です。

石神井公園ふるさと文化館 分室「五味康祐オーディオ展示室」
石神井公園ふるさと文化館 分室「五味康祐オーディオ展示室」

都心近くの好立地で、四季を感じる暮らしを

――最後に、これからこの街に住む方にメッセージをお願いします。

相川さん:「石神井公園」周辺は、ご覧の通り自然豊かな場所で四季折々の楽しみ方ができるのが魅力。桜並木やお花見を楽しんで春を感じ、夏はたくさんの虫の声と緑を満喫。そして秋は鮮やかな紅葉、冬は水辺に飛来する様々な水鳥を鑑賞できます。
「石神井公園」周辺は、緑がいっぱいの住環境ですが、都心にも近く便利なのも魅力ですし、池袋もすぐなのでショッピングにも困りませんよ。

春には桜を楽しめる「石神井公園」
春には桜を楽しめる「石神井公園」

新川さん:公園散策の際には、ぜひ気軽に当館に立ち寄っていただきたいですね。世代を問わず気軽に楽しむことができる「常設展示室」は観覧無料で楽しむことができますし、サポーターさんとの触れ合いもできますので初めて来館する方にも見ていただきたいです。
また、当館1Fにある「休憩コーナー」は、練馬の野菜を使用したこだわりの武蔵野うどんが食べられる名スポットで、大変人気です。美味しいうどんを召し上がっていただき、当館や分館をのんびりと散策すれば、自然も満喫できて一日中楽しむことができます。「石神井公園」周辺は、都心に近いのに自然豊かな住環境が良いと思います。

 

練馬区立石神井公園ふるさと文化館
練馬区立石神井公園ふるさと文化館

練馬区立石神井公園ふるさと文化館

学芸員 相川詩織さん、広報 新川晃代さん
所在地 :東京都練馬区石神井町5-12-16
電話番号:03-3996-4060
URL:https://www.neribun.or.jp/furusato.html
※この情報は2018(平成30)年10月時点のものです。

石神井公園ふるさと文化館/新川晃代さん、相川詩織さん
所在地:東京都練馬区石神井町5-12-16 
電話番号:03-3996-4060
開館時間:9:00~18:00(会議室は21:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12/29~1/3)、臨時休館日
https://www.neribun.or.jp/furusato.html