小川駅周辺地区の新たなまちづくり/小川駅西口地区市街地再開発準備組合
「プチ田舎」を称する小平市には豊かな自然環境と東西南北あらゆるエリアにアクセスできる複数の鉄道駅があり、都市の利便性と郊外の静けさを兼ね備えた暮らしやすい街として知られている。なかでも西武国分寺線と拝島線が乗り入れる「小川」駅は同市の“西の玄関口”と位置づけられており、駅を中心としたおよそ25haもの地区では、小平市がまとめた「小川駅前周辺地区まちづくりビジョン(平成26年2月)」に基づく新たなまちづくりの取り組みが今まさにはじまろうとしている。今回はその区域の中核な位置において具体的なまちづくりを推進している「小川駅西口地区市街地再開発準備組合」の事務所を訪ね、これからはじまる駅周辺地区の再開発の概要についてお話を伺った。(※本インタビューの情報は2018(平成30)年5月時点のものです。再開発の最新情報についてはこちらのページ(小平市HP)をご覧ください。 )
約25年の歳月を経て、動きはじめる小川駅西口地区の再開発事業
――小川駅西口地区の再開発事業に至る経緯、背景について教えてください。
現在の駅周辺の様子をご覧いただくとお分かりになるかと思いますが、「小川」駅の西口にはいわゆる駅前広場がありません。私たちがまちづくりに携わるずっと以前から行政が取り組むべき課題のひとつとしてあったと聞いています。
記録によると1962(昭和37)年に駅前広場の整備に関する都市計画の決定がなされたのですが、今日に至るまで未整備の状態が続いています。
その後、ロードサイド型の商業施設の台頭や建物の老朽化など、時代の流れとともに駅前の商店街が衰退していくと、地元の方からは「駅前に相応しい活気のある街並にしなきゃいけないね」というような意見が出るようになり、駅前広場を整備するのと同時に「小川」駅西口のまちづくりを検討しようというひとつの大きな流れになりました。
まちづくりにもさまざまな方法があるのですが、市街地再開発事業を一つの方法として検討してみようと1992(平成4)年「小川駅西口地区再開発協議会」が地元の方により組織されたと聞いています。
その後、再開発によるまちづくりに関する具体的な検討をより深めようと2007(平成19)年に「小川駅西口地区市街地再開発準備組合」という組織に改称し、⾏政をはじめとした関係機関との協議が⾏われるようになりました。
「小川駅西口地区再開発協議会」の結成から約25年、ようやく再開発に関する都市計画の骨子も固まってきたことから、「小川」駅周辺地域の皆さんにその全体像が報告できる段階まできました。
小川駅西口駅前の約1.2haに及ぶ再開発事業
――再開発事業の概要を教えてください。
再開発の対象となる地区は地図の通りですが、面積としては約1.2haに及びます。地域の交通結節点にふさわしい交通広場の整備をはじめ、地上28階の施設建築物ができる計画です。低層階には商業店舗や業務・公益の施設、高層階は住居スペースとなるような建物の全体像がようやく見えてきたところです。
権利者の営業継続に関するお考えも含めて、どんな施設の中身づくりが必要なのか?といったお話はこれからで、権利者の方々個々のの将来設計などと照らし合わせながらより具体的な計画を固めていく予定です。
再開発の対象となる地区内には土地を所有している方、土地を借りてお住まいや営業をされている方を合わせて総数41名の権利者の方がいらっしゃいます。そのうちの7割近い方が現在この準備組合に加盟されています。駅周辺地区には、この再開発事業によって権利者の方々には引き続きお住まいいただくに加えて、新たに500人から600人前後の住民が増えると推定し、再開発をきっかけとした地域の賑わいが増すことに期待しています。
「小平市の西の玄関口となり、地域の生活を支える小川地域拠点の形成」をコンセプトに
――小川駅西口駅前地区のまちづくりのコンセプトは?
準備組合のホームページにも明記されていますが、「小平市の西の玄関口となり、地域の生活を支える小川地域拠点の形成」を地区整備の大きな目標として掲げています。また整備方針として「(1)交通結節点にふさわしい都市基盤の整備」「(2)地域のにぎわい・交流の場づくり」「(3)住みよい住環境の創出」「(4)安心と防災の向上」の4点を挙げ、交通広場を整備することであったり、「小川」駅の東西を結ぶ「東西自由道路」の整備、また災害時に備えた防災機能の導入・整備といった具体的な内容についても盛り込まれています。
この内容は「小川」駅周辺のまちづくりを進めるにあたって小平市がまとめた「小川駅前周辺地区まちづくり」に基づくもので、2012(平成24)年6月から2013(平成25)年3月の間に全4回開催された「小川駅前周辺地区まちづくり懇談会」と市民参加型の「まちづくりワークショップ」で検討された内容も反映されています。
平成30年8月上旬に都市計画決定の発表を予定
――直近の取り組みと今後のスケジュールについて教えてください。
2018(平成30)年3月9日(金)と11日(日)に、私ども準備組合は地域の方々にとってはじめてとなる再開発計画の周辺説明会を開催させていただきました。またそれに続いて4月11日(水)と14日(土)には、小平市から地域の皆さまに向けて再開発と関連する都市計画の原案というかたちでご案内をしていただいたところです。
今後のスケジュールとしては、2018(平成30)年8月上旬に都市計画決定の発表が行われ、オリンピックの開催年を目標に、新しいまちづくりのランドマークとなり得る建物の工事を着工する予定です。
現在は行政も私たち準備組合も小川駅周辺地区のまちづくりについて地域の皆さまへご案内を差し上げている段階で、まだ一歩前に進んだばかりというところですね。
都心部に通勤する方のベッドタウンとして発展してきた交通利便性の高い街
――小川の街の魅力、印象についてお聞かせください。
小平市は都心部に通勤する方のベッドタウンとして発展してきた街で、交通結節点としてどこにでも行ける交通の便の良いところが特徴です。「小平」駅と「一橋学園」駅、「花小金井」駅、「小川」駅の4駅には昔から活気のある商店街もあって開けていた街という印象があります。
小川は、1960(昭和35)年にブリヂストンの東京工場が設立されたのがきっかけで開けてきたような街ですから、「小川の街とは?」と聞かれてまず思い浮かぶのはブリヂストンです。
あとは野火止用水、それと近隣には学校が多く学生さんの姿が多いのも特徴ですね。「明治学院中学校」や「桜華女学院中学校」、「日体桜華高等学校」の生徒さんも「小川」駅を最寄りとして利用されているかと思います。
――地域の方々へメッセージをお願いします。
先日開催した説明会では、再開発によるまちづくり全体像についてご案内を差し上げたというところまでで、どんなお店が入るのか、地権者の方はどんな準備をすれば良いのかといった具体的なお話はこれからの作業です。
「小川駅前周辺地区まちづくりビジョン」に示されているまちの将来ビジョンからも読み取れる通り、小川駅西口地区の再開発事業を起爆剤に地域のまちづくりを面的に盛り上げていこうという行政のお考えもあるかと思います。
私たち準備組合としては、地域の方同士で会話ができる場づくり、材料づくりという部分でもお役に立てるよう、今後は商業の専門家やコンサルタントなども交えながら、この地区に相応しい施設の構成、あり方について検討していきたいと思います。
またハコができたらそれで万事解決のようなことではなく、お祭りやイベントなど地域のコミュニティづくりを振興していくような方策というのも含めて、地域の皆さまと新しいまちづくりを盛り立てていければと思います。
現在配布されている資料の内容や今後のあたらしい情報につきましては順次ホームページに掲載していきますので、ぜひご覧ください。
小川駅西口地区市街地再開発準備組合
所在地:小平市小川西町4-14-27 NMCビル2F
URL:http://ogawawest-renewal.com/
※この情報は2018(平成30)年5月時点のものです。
小川駅周辺地区の新たなまちづくり/小川駅西口地区市街地再開発準備組合
所在地:東京都小平市小川西町4-14-27 NMCビル2F
電話番号:042-386-4625
http://ogawawest-renewal.com/