ガラス張りの店内に笑顔が集う、清澄白河のオーガニックカフェ/L.S Cafe(エルエスカフェ)(東京都)
清洲橋通り沿いの「L.S Cafe」(エルエスカフェ)は、「清澄白河」駅から木場公園方面へ向かう人が行き交う、大通り沿いのオーガニックカフェ。およそ10年前にオープンしたこのカフェのコンセプトは「ライフ・アンド・スマイル」で、身体に優しい食品で丁寧に手作りしたメニューを提供している。
目立つガラス張りの店内には笑顔で過ごすお客さんの姿が透けて見え、この地の風景の一部分となって久しい。今回はこちらの店主である荒井智行さんに、店の特徴と地域の魅力についてお話を聞いた。
「地産地消」と言えるようなカフェをやりたい
――森下・清澄白河エリアに開業したきっかけ、お店の歩みを教えてください。
荒井さん 店のオープンは今から約10年前でして、もともと、この店には地元出身のオーナーさんがいらっしゃったのですが、その方が4年前に体調を崩されて、そこから私がここを引き継いでやらせていただいています。店の名前はずっと引き継いでやっていますので、「エルエスカフェ」としてはけっこう長い間、この場所で営業させていただいています。
私自身は特に、ここで働いていたわけではなくて、もともとは別の仕事をしていたのですが、ふとした縁でオーナーさんと知り合いになって、共感する部分も多かったものですから、店を引き継がせていただきました。
――なぜ、初代のオーナーさんはここにカフェを開かれたのでしょうか?
荒井さん やはり、この土地の生まれなので、街に思い入れがあったということなんですね。このエリアはもともと下町なので、人のつながりが強くて、小さな商店、たとえば八百屋さんやお米屋さん、酒屋さんなどが、今でもけっこうあります。
そういった地元のお店や、地元で付き合いのあるところと取引をしながら、ある意味「地産地消」と言えるようなカフェをやりたいということで、お店を開かれたと聞いています。
今は私の地元の茨城から、農家さんに直接野菜を送ってもらったり、表参道のパン屋さんからパンを仕入れたり、いろんなルートから仕入れるようになっていますけれども、ベースとしてはなるべく、地元のお店を通した食材を使うように心がけています。
ここは清澄白河の顔になる場所。誰にでも飲みやすく食べやすいものを
――素材のこだわりや、おすすめの商品について教えてください。
荒井さん いちばんの看板商品はコーヒーでして、100%コロンビア産のオーガニック豆を使っています。ここは清澄白河の駅前ということで、ある意味、清澄白河の顔になる場所ですので、マニアックなコーヒーというよりは、誰にでも飲みやすい、酸味、コク、苦味のバランスが良いものを選んでご提供しています。
その他のドリンクについても、なるべく「無添加」を意識してご用意していまして、たとえば「チコリコーヒー」などは、あまり馴染みがないものだと思いますが、「チコリ」という植物の根っこの部分を焙煎したもので、ノンカフェインではありますがコーヒー豆の風味に似ているため、コーヒーのカフェインを気にされる方にも安心してお飲みいただけます。
紅茶や抹茶についても有機のものを使っていまして、「抹茶ラテ」あたりは女性のお客様にとても人気がありますし、夏場ですと、生の果物から作るスムージーなども人気です。このスムージーは夏だけではなく、通年メニューとしてお出ししていますので、一度お試しいただきたいですね。個人的には有機栽培のケールを使った「グリーン」がおすすめで、飲みやすくて、お野菜もしっかりとれるような商品になっています。
――フードメニューのおすすめは何ですか?
荒井さん フード系だと、看板商品は日替わりのプレートです。ご飯もののプレートとパスタのプレートの2種類を日替わりでご提供していまして、たくさんのバリエーションがありますので、和洋中、いろんなものに出会っていただけると思います。
あとは、パンのメニューも人気です。パンは表参道にある「パン・オ・スリール」さんから天然発酵種のものを仕入れていまして、シンプルなトーストはもちろん、ホットサンドも人気メニューになっています。
あとはやはり、有機野菜をたっぷり使ったサラダですね。何種類かドレッシングを選んでいただけますが、私のおすすめはシンプルな「塩とオリーブオイル」です。うちではサラダに限らず、ステーキやお魚など、いろんな料理でヒマラヤの岩塩を使っていまして、これがけっこう個性的で面白い塩なので、うちに来られたら「塩」にもぜひ注目していただければと思います。
――ワインを楽しまれているお客様も多いようですね。
荒井さん そうですね、アルコールに関しては、ビール系とワイン系を揃えておりますが、特にワインについては、すぐ隣にあるワイン屋さんと提携していまして、その時々のおすすめのワインを置くようにしています。おつまみ系のメニューも、なるべく無添加のもので提供させていただいています。
この土地のお客さまに合った商品で、「ライフ・アンド・スマイル」を
――お店を経営される中で大切にされてきたこと、今後新たに取り組まれたいことがありましたらお聞かせください。
荒井さん 店名の由来がもともと、「ライフ・アンド・スマイル」という言葉の略ですので、「健康な食事で笑顔のある生活を」という部分は変わっていません。ただ、その中でも少しずつ、「この土地のお客さまに合った商品を」ということを考えながら、積極的に変えている部分もありますね。
たとえばメニューも、最初の頃は「オーガニック」とか「ビーガン」のイメージを前面に出していましたけれど、今はお肉もお魚も野菜も、バランスよく使ったメニューをご提供するようにしています。今後も、商品の値段に見合った、またはそれ以上の価値があるものをご提供していきたいと考えています。
朗らかな人々、街歩きの楽しさ。森下・清澄白河エリアは閑静で穏やかな、暮らしやすい街
――森下・清澄白河エリアの魅力についてお聞かせください。また、具体的なおすすめスポットやお気に入りの風景などもあればぜひご紹介ください。
荒井さん 「清澄白河」駅については、半蔵門線と大江戸線と、ふたつの路線が利用できるのでとても便利だと思います。お住まいの方も、都心で働かれている方が多いようです。実はこれは私もちょっと意外だったのですが、すごく「品のいい方」が多いんですね。皆さん朗らかで、礼儀正しいんです。私が最初想像していたのは「下町」のイメージだったので意外でしたね。
街並みについても、地下に電線が埋まっているような通りもあって、整っているきれいな街だなあ、と思います。その整然としている中に個性的な個人のお店がけっこうあって、そこがこの街の面白さだと思います。
だから、街歩きをするとすごく楽しい街なんですよ。美術館や公園もあるし、最近は古民家を改装してオープンしたお店もけっこうあって、実は私もちょいちょい、喫茶店を巡ったりしているんですけれど、みんな個性的で面白いですね。街を歩くと、いろいろな発見がありますね。
おすすめのスポットは、まずは「東京都現代美術館」ですね。展示の内容によってはかなりの人が来場される人気の美術館です。「江戸深川資料館」も面白い展示をけっこうやっていますね。あとはやはり、美術館がある「木場公園」がおすすめです。とても広くて気持ちのいい公園です。
私の個人的な好みだと、やっぱり、喫茶店とかケーキ屋さんとかが、ほんとに小さなお店がたくさんあるので、そういったところを巡るのが楽しいと思います。
このエリアは地域のイベントもけっこう多いので、夏になるとあちこちで夏祭りや盆踊りなどが行われます。この近くだと、うちの店でも協賛をしている、資料館通り商店街の夏祭りあたりは、地元の方もたくさん参加されますので、地域の方と交流できるいい機会になると思います。
――これから新しく森下・清澄白河エリアに住まわれる方々に向けて一言お願いいたします。
荒井さん この森下・清澄白河エリアは、都心で働かれている方にとってすごく立地のいい街でありながら、下町らしさも残っていて閑静で穏やかな街ですので、ご家族で暮らすにはすごくいい環境だと思います。小さなお店もたくさんあって、散策が楽しいところですので、ぜひ、お住まいになっていただければと思います。
L.S Cafe(エルエスカフェ)
店主 荒井 智行さん
所在地:東京都江東区白河2-14-7 インゲンビル1F
URL:https://twitter.com/OrganicLScafe
※この情報は2023(令和5)年5月時点のものです。
ガラス張りの店内に笑顔が集う、清澄白河のオーガニックカフェ/L.S Cafe(エルエスカフェ)(東京都)
所在地:東京都江東区白河2-14-7 インゲンビル1F
https://twitter.com/OrganicLScafe