自然環境にも恵まれている公立小学校

「やる気・げん気・こん気」を大切に、“共に生きる力”を育む。/流山市立南流山小学校/三浦教頭先生


流山市立南流山小学校
教頭 三浦 敦先生

流山市立南流山小学校
流山市立南流山小学校

「やる気・げん気・こん気」を大切に、“共に生きる力”を育む。
流山市立南流山小学校

流山市の南端、住宅地の開発が進むエリアにある「流山市立南流山小学校」は、現在の児童数が約700名で、周辺開発によりさらなる児童数の増加が見込まれている。学校の周りは住宅や自然が多く、穏やかで落ち着いた環境に囲まれている。
今回はこちらで教頭を務める三浦敦先生に、学校の取り組みや南流山地域の魅力についてお話を聞いた。

まず、「南流山小学校」の歴史や沿革について教えてください。

南流山小学校
南流山小学校

本校は1983(昭和58)年に「流山小学校」と鰭(ひれ)ヶ崎小学校から分離・独立して生まれた小学校で、2012(平成24)年に創立から30周年を迎え、翌2013(平成25)年度には記念の航空写真の撮影、ビオトープの改修、「創立30周年を祝う会」など、数々の関連事業も行われました。

流山市立南流山小学校 教頭先生インタビュー
流山市立南流山小学校 教頭先生インタビュー

本校は創立当初の児童数が約700名で、一時期は1,000名を超えた時期もあったそうです。最近この周辺の宅地開発が急速に進んでいますので、児童数が再び急増傾向にあります。

今後マンションや分譲地が完成すると、さらに児童数が一気に増えると予想されています。見込みとしては、現在の児童数の2倍近く、1,300名以上になるとも言われています。流山市内では圧倒的に人数の多い小学校になります。

今後の児童数増加を見込んで、何か対応策などは考えられているのでしょうか。

南流山小学校
南流山小学校

ここは松戸市に隣接した、流山市でも南端の学区ということがあり、増加数を他校と分担することはなかなかできないです。ですから、校舎の増築をして、この敷地の中で収容児童数を増やせるように対応していこうと考えています。

学校の教育目標についてお聞かせいただけますでしょうか。

南流山小学校
南流山小学校

『共(とも)に生きる力の育成』というのが本校の大きな教育目標です。“ひとりひとりではなく、共に”ということで、人と人との“つながり”を特に大切に考えています。
その大きな目標の下には、『やる気』『げん気』『こん気』という3つの言葉を掲げています。まず『やる気』というのは、学習面を中心に、目的をもって頑張るということを目指しています。

南流山小学校
南流山小学校

『げん気』というのは、身体だけではなく、心の面も含めての元気ですね。思いやりがあって、たくましくて、命を大切にできる、友達と協力できる人間を目指す、ということです。

『こん気』というのは、粘り強さのことです。これは今の子ども達に特に不足している部分かと思います。飽きっぽい、すぐに諦めてしまう、チャレンジ精神が持てない、などという部分ですね。ですから、粘り強くあきらめない、そんな力を付けさせたいと考えております。

もちろん、こうした目標を実現するのは、子どもたちの頑張りだけではありません。教師自身も自分がどのような力を付けるべきかを考えていきますし、保護者の方々に対しても、親としての願いも聞きながら家庭で付けてほしい力についてお願いをしています。子ども、学校、保護者が一体となって取り組むことが、教育目標の具現化のためには欠かせないと思います。

南流山小学校の教育の特徴的な点などがありましたら教えてください。

本校の教育面での特徴のひとつは、外国語教育かと思います。
現在小学校の5・6年生における英語教育は「外国語活動」となっておりますが、将来的には新たに「英語科」という正式科目になることが決まっています。

南流山小学校
南流山小学校

そのために文部科学省では、英語を教科として採用するための研究を行っているのですが、本校はその研究指定校の一つにとして、授業研究などにも取り組んでいるところです。学習の内容の吟味や、評価の方法の検討など、多方面にわたって、「英語科」を教科として成立させるための研究を行っています。

南流山小学校
南流山小学校

また、そちらとは別に、流山市からも外国語活動の研究校に指定されております。こうして英語教育の面で本校が注目されているのは、実は本校が1999(平成11)年から、他校に先立ち英語学習を始めていたという点にあります。流山市内には30の小学校がありますが、その中でも最初だったそうです。

南流山小学校
南流山小学校

当時の保護者の中に宣教師の方がいらっしゃって、その方が子どもたちへの英語教育に協力してくださったそうなんです。そのような歴史があるため、市の指定を受けておりますし、国の研究についても取り組んでいるというわけです。国と県、ダブルで英語の研究指定を受けているのは、県内では本校だけではないでしょうか。

授業の中で、野菜の栽培や米作りにも取り組んでいるそうですね。

流山市立南流山小学校 三浦教頭先生インタビュー
流山市立南流山小学校 三浦教頭先生インタビュー

本校には学校の敷地内に田んぼがひとつ、畑がふたつありまして、地域の農家の鈴木さんという方が全面的に協力してくださっています。もう十数年ほど前から続けています。今年は1年生がサツマイモ、2年生が落花生、3年生がオクラ、4年生がゴーヤ、5年生が米作りをしています。6年生についてはありません。

農作業の時期になると、校庭の中までトラクターやコンバインが入ってきて、鈴木さんが作業をしてくださるんです。子どもたちは田植えや水やり、収穫など、部分的なお手伝いをしながら植物を見守っていきます。

南流山小学校
南流山小学校

こうした活動の中でも、特に5年生の米作りは、収穫後に保護者の方々に販売する活動をしており、その収益は教育活動や鈴木さんへのお礼に使用しています。2年生の落花生についても、保護者と一緒にクッキー作りなどを行う「落花生パーティー」というイベントを開いています。

学校の敷地内にビオトープもあるとお聞きしました。

南流山小学校
南流山小学校

ビオトープについては、以前に流山市の教育委員会から、流山市内すべての小学校に整備するということで進められたものです。本校のビオトープはその中でもかなり整ったビオトープかと思います。

 

 

もともとは2007(平成19)年に造られたものになりますが、2013(平成25)年度に30周年事業のひとつとして大規模な改修を行い、杭などを打ち直して、きれいに生まれ変わりました。基本的には自然の生態系を再現したもので、授業で活用するというよりは、子どもたちが自由に自然観察を楽しむためのものですね。

「南流(なんりゅう)音楽祭」という大きなイベントがあるそうですが、その他も含め、学内行事についてお聞かせいただけますでしょうか。

「南流音楽祭」というのは学年単位での音楽発表会で、毎年11月に行う本校の一大イベントです。各クラスごとの合唱のほか、音楽部の合奏などもあり、たいへん賑わいます。開催日は土曜日ですので、保護者の方々も大勢参観してくださいます。このほか、10月の運動会も土曜日に行っておりまして、これも大きな行事となっています。

各学年で校外学習として県内外各地に出かけているそうですが、どのような行き先があるのでしょうか。

流山市立南流山小学校 三浦教頭先生インタビュー
流山市立南流山小学校 三浦教頭先生インタビュー

校外学習については、全学年ごとに行っており、1年生は埼玉県の「東武動物公園」、2年生は茨城県の「大洗水族館」、3年生が栃木県の宇都宮にある「子ども総合科学館」、4年生が千葉県の「房総のむら」という博物館に行きます。

国会議事堂
国会議事堂

5年生は群馬県の赤城で2泊3日の林間学校がありますし、6年生は修学旅行で栃木県の日光に行きます。そのほか、社会科見学などもあり、4年生は流山市のクリーンセンター見学、6年生は「国会議事堂」見学などにも行っています。

近隣の幼稚園や中学校との連携体制、協力事業などがありましたらお聞かせください。

南流山小学校
南流山小学校

幼稚園に関しては、入学予定の年長さんを対象に、入学前に学校に来てもらい、本校の1年生が学校の案内を行っています。

隣接している南流山中学校については、生徒会と児童会がタイアップをして、地域の清掃活動などを行っています。また、6年生を対象に中学校の部活動体験会があり、それも恒例になっています。

地域の方々との交流や、一緒に協力して行う事業などがあればお聞かせください。

流山市立南流山小学校 三浦教頭先生インタビュー
流山市立南流山小学校 三浦教頭先生インタビュー

一例としましては、1年生の生活科の学習に、「昔あそび」という授業の日があり、この時には南流山の社会福祉協議会の方や、木(き)地区の農家組合の方に来て頂いて、昔のベーゴマや、メンコなどの遊びを楽しんでいます。

 6年生の社会科では、地域の方を講師としてお迎えして、室町文化の体験などをしています。この時には茶道に触れたり、草木染めをしたりという内容を行っています。その他にも、学習サポートやボランティア活動を通して、沢山の地域の方や、保護者の方に支えていただいています。

最後に、南流山地域の魅力についてお聞かせください

南流山駅
南流山駅

やはり「交通の便が良い」というのが第一にあるかと思います。「つくばエクスプレス」と「武蔵野線」の2つの路線が使えますので、都心方面はもちろんですが、埼玉方面にもスムーズに移動ができます。それから、新しい住宅地が多いですから、施設やお店にも近代的できれいなものが多いと思います。

江戸川河川敷緑地
江戸川河川敷緑地

自然という面では、学校から少し離れた場所ですが江戸川もありまして、自然の植物も多く見られます。公園も多くありますし、子育て世代にとってはバランスがよく取れていて、恵まれた環境と言えるのではないでしょうか。

流山市立南流山小学校 教頭先生インタビュー
流山市立南流山小学校 教頭先生インタビュー

今回、話を聞いた人

流山市立南流山小学校
教頭 三浦 敦さん

流山市立南流山小学校
住所:千葉県流山市大字木487
電話番号:04-7159-2521
URL:http://www.nagareyama.ed.jp/nanryusyou/

※2014(平成26)年7月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

「やる気・げん気・こん気」を大切に、“共に生きる力”を育む。/流山市立南流山小学校/三浦教頭先生
所在地:千葉県流山市木487 
電話番号:04-7159-2521
https://schit.net/nagareyama/nanryusyou/