環状2号線は戦後すぐの1946(昭和21)年にすでに計画されていた歴史ある道路で、江東区の有明を起点とし、中央区、港区などを経て千代田区の神田佐久間町を終点とする全長約14㎞の都市計画道路。神田佐久間町~虎ノ門の区間のみが「外堀通り」として供用されるにとどまりまっていたが、虎ノ門から新橋、豊洲にいたる道路建設と再開発事業が完成に近づいている。
このルートは「マッカーサー道路」とも呼ばれていて戦後約60年間は凍結されていたものだが、事業が動き出した背景には法令の改正がある。それまでは出来なかった道路と一体となった建物を開発する「立体道路制度」が可能になったことにより、環状2号線計画は再始動。未整備区間の虎ノ門~豊洲区間において道路整備とビル建設を一体として行う街づくりプランが立てられ、工事が着々と進行しているのだ。この環状2号線は、2020(平成32)年オリンピック・パラリンピックにおいて晴海地区に予定されている選手村と各競技会場等を結ぶルートとしても活用される予定で、注目が一層高まっている。
工事中の区間の中でも特に、新橋と虎ノ門の1,350メートルの区間は2014(平成26)年春の開通を目指して現在工事中で、この工事に合わせ虎ノ門には「虎ノ門ヒルズ」が誕生する。名前からも推測できるように、この虎ノ門ヒルズは「六本木ヒルズ」を管理運営する森ビルが手掛ける、高さ247m地上52階地下5階建て、完成すれば都内で二番目の高さとなる超高層複合タワーで、オフィスや住宅、商業施設に加えてホテル「アンダーズ東京」が開業予定。先述の「立体道路制度」の活用によりビルの中を環状2号線が通るというまさに「道路と一体となった街づくり」となっている。
新橋~虎ノ門では環状2号線の本線は地下を通過するため、スペースに余裕ができる地上部分は歩道を広くとることができ、幅13メートルの都内最大級の歩道が完成する予定だ。愛称も「新虎(しんとら)通り」と決定され、歩道の沿線のビルにはブティックやカフェが並び立ち、虎ノ門のビジネス街が「日本のシャンゼリゼ通り」と言えるような、何時でも人で賑わう美しい街に生まれ変わりそうだ。
※新虎通りは、2014(平成26)年3月29日に開通いたしました。
⇒ついに開通!「新虎通り」(環状第2号線・新橋~虎ノ門間)
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■参考■
http://www.shutoko.jp/ss/yaesusen/about/
http://www.mori.co.jp/company/press/release/2013/03/20130301150000002593.html
■開発種別:道路・大規模施設
■エリア:虎の門、新橋、汐留、勝どき、豊洲
■完成時期:2014年(虎ノ門ヒルズ)
■事業主体:東京都、森ビルほか
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