都有地を再開発し、竹芝地区をアジアの国際ビジネス拠点に

2013年11月11日

老朽化した施設を活用する「都市再生ステップアップ・プロジェクト」の一環

竹芝地区は国際化が進む「羽田空港」と都心を結ぶ延長線上に位置し、旧芝離宮恩賜庭園と浜離宮恩賜庭園という二つの歴史的景観資源が近辺に存在、複数の劇場など文化芸術施設や都市型ホテルも有している。また、モノレールや地下鉄、ゆりかもめなど公共交通機関にも恵まれ、日の出桟橋、竹芝ふ頭といった海上交通拠点としての役割も担うなど複合的な顔を持ったエリアだが、古い都市施設も多く開発の進捗が遅れていた。

しかし、東京に国際企業のアジア統括拠点及び研究開発拠点を誘致しようとする「アジアヘッドクォーター特区」に竹芝地区も指定され、いよいよ再開発が動きだそうとしている。まず、東京都公文書館跡地、東京都計量検定所跡地及び東京都立産業貿易センター浜松町館跡地を使った再開発計画が2013(平成25)年にまとまった。この再開発は東京都が「都市再生ステップアップ・プロジェクト」の一環として事業者を募集、選ばれた東急不動産、鹿島、久米設計の3社に対して都が土地を貸出すという形で行われる。もともと開発計画のベースとなる「竹芝地区まちづくりガイドライン」が定められおり、「豊かな緑、海、文化を実感できる、活気ある業務・商業等の拠点を形成」というコンセプトに基づいて街作りがスタートする。

 

国際ビジネス拠点として、外国人向け宿泊施設や英語対応保育所も開設

この計画は竹芝地区を「国際ビジネス拠点」へと生まれ変わらせようとするものであり、オフィスや商業施設だけでなく、外国人ビジネス客向けの宿泊施設や英語対応の保育所などが新たに設けられる予定だ。竹芝の地理条件を最大限に活かし、職住近接の国際拠点を作ろうという発想を持ち、産業貿易センター、コンテンツ関連施設の建設も予定、国際的なコンテンツ見本市などを誘致する計画だ。港区は元々音楽・映像ソフトの制作会社が多く、コンテンツ産業のさらなる発展も見込まれている。このほか、「浜松町」駅、「竹芝」駅、「竹芝ふ頭」駅を直結し街を一体化する歩行者デッキの整備も予定され、「浜松町」駅から「竹芝」駅への乗り換えが便利になる。2020(平成32)年オリンピック・パラリンピック開催時には臨海部アクセスの大切な拠点としても活躍しているかもしれない。

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■参考■

http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/toshi_saisei/saisei01.htm

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2013/05/20n5t200.htm

http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/toshi_saisei/saisei01.htm

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO56348510Y3A610C1L71000/

 

■開発種別:大規模施設
■エリア:港区・竹芝地区
■完成時期:2019年(予定)
■事業主体:東京都、東急不動産ほか