自然あふれる森の中の地域コミュニティ/「FOOT-pal浦和道祖土」施設支配人 小嶋 寛さん・「パル教室」講師 中山 誠司さん


「FOOT-pal浦和道祖土」施設支配人 小嶋 寛さん
「パル教室」講師 中山 誠司さん

自然あふれる森の中の地域コミュニティ

JR「浦和」駅からの路線バスで「道祖土入口」停留所下車、約10分の緑豊かな住宅街に「パルの森」がある。そこには、フットサルコート「FOOT-pal浦和道祖土」をはじめ、学習塾「パル教室」、「komkom cafe」といった施設が佇み、森に囲まれた環境のもと、近隣の人たちのコミュニティエリアとして利用されている。今回は「FOOT-pal浦和道祖土」の施設支配人・小嶋さんと、「パル教室」で講師を務める中山さんからそれぞれの施設についてのお話を伺った。

 

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まずは「FOOT-pal浦和道祖土」施設支配人、小嶋寛さんにお話を伺います。「FOOT-pal浦和道祖土」の概略について教えてください。

FOOT-pal浦和道祖土
FOOT-pal浦和道祖土

「パルの森」の緑に囲まれた自然あふれるフットサルコートです。ベンチや小屋も手作りなので、スポーツ施設とはいえ、アットホームな雰囲気に包まれています。また、施設環境の整備面では2010(平成22)年9月に、フットサルコートの人工芝を張り替えました。60平方メートルの芝丈に加え、柔らかな特性を持つポリオレフィンを芝葉糸に使用したスーパーターフは、天然芝に近い感触でプレイができると評判です。

 

FOOT-pal浦和道祖土
FOOT-pal浦和道祖土

お子様からフットサル初心者、女性、そして本格的な試合の醍醐味を味わいたいという方など、幅広い年齢層とさまざまなレベル・目的の方たちに利用されています。現在、スクール生は約380名、初心者と経験者の割合は5:5くらいです。

 

 

地元にお住まいの方々は、クラスは異なりますがファミリーで参加されている例も多いですね。健康的な日常生活を送るため、身近にできるスポーツとしてフットサルを楽しんでくださっているようです。参加者は地元の方中心ではありますが、中には東京や栃木から車で通ってくださる方もいらっしゃるんですよ。

さまざまなレベルの方が集われるということですが、具体的にはどのようなクラスがあるのでしょうか。

 FOOT-pal浦和道祖土
FOOT-pal浦和道祖土

月に1回、日曜日の9時から11時まで「初心者教室」を実施しています。毎週土曜日の9時から11時までの30歳以上限定・個人参加型フットサル「オーバー30」、同じく毎週土曜日11時10分から12時50分の「個人参加教室」、毎週木曜日の11時半から13時までの「ほのぼのレディース」など、レベルや年齢に応じたクラスが用意してあります。

これらのクラスは、フットサル経験のない方でも気軽に参加できるのが特長です。春は転勤や入学などで全体的には入会者が多いので、初心者の方にとっては入りやすいシーズンかと思われます。

 FOOT-pal浦和道祖土
FOOT-pal浦和道祖土

一方で、本格的にフットサルに取り組みたい方向けの個人スクール「脱初心者向けフットサルスクール」も高校生以上を対象に行っており、フットサルに必要な基礎練習はもちろん、体力トレーニングを実戦形式で行っています。こちらは、埼玉県リーグ所属 『pal:wo(パルーヲ)』 の選手が一緒にトレーニングを行うこともあって、身近なスター選手に刺激を受ける人も多いようです。

 

県リーグや関東リーグ、埼玉県フットサルリーグのプレイヤーも顔を出してくれますよ。当クラブからプロサッカー選手になった人が訪れた際には、サインをもらうお子さんもいらっしゃるほどの盛り上がりぶりです。

多彩な年齢層に親しまれているということですが、年齢ごとの指導方針などはあるのですか。

FOOT-pal浦和道祖土
FOOT-pal浦和道祖土

まず、大人については日常生活に定期的な運動を取り入れること。健康的な生活には欠かせません。30代以上対象の「オーバー30」は、運動不足のお父さんたちが中心で、40代の方も多いですね。ほとんどが個人参加です。とはいえ、仕事の都合でこちらに引っ越してきた方なども、フットサルを通じて、この地域に以前から住んでいた方たちと知り合って“地元仲間”を作ることができます。

運動不足解消のためにスポーツジムに通う場合、どうしてもひとりで黙々とトレーニングするには固い意志が必要となります。しかしフットサルはチームスポーツなので、仲間ができることで長く続けることも苦にならないようです。ここでできた“地元仲間”で飲みに行ったり、温泉に行ったりと、地元コミュニティのステーション的な役割も果たしています。

FOOT-pal浦和道祖土
FOOT-pal浦和道祖土

お子さんたちに関しては、フットサルが上手になることは確かに大事ですが、それ以上にフットサルという団体スポーツを通して、チームワークや社会の中での役割を身に付けてほしいと考えています。幼稚園・小学生などのクラスでは、とくに将来、社会人になった時のための基本マナーを身に付けられるような指導を心がけています。幼稚園に通っている小さなお子さんには、フットサルの試合より、運動の基本となる準備体操の仕方から段階的にプレイできるように指導しています。

FOOT-pal浦和道祖土
FOOT-pal浦和道祖土

さらに、「物事に取り組む姿勢」や「努力する姿勢」を重視し、技術面だけでなく、メンタル面の強化などにも注力しています。子供の内に、そういった姿勢を身に付けることで、将来、何か壁にぶつかった時や挫折した時も、それを乗り越えられるような“人間形成の場”となること――それが私たちの理想です。

また、「オーバー30」に参加しているお父さんと、その息子さんが「フットサルのおかげで、共通の話題が持てるようになった」という声も届いています。家庭内コミュニケーションに一役かえるのも嬉しいことですね。

フットサルコートの傍らに設けられた建物はなんですか?

comcom(コムコム) cafe
comcom(コムコム) cafe

一般の方もご利用いただける「komkom cafe」です。オープン席なので小さなお子様連れの方もOKです。地元のご夫妻が経営していて、土・日曜・祝日限定で、11時から19時までの営業時間となっています。

comcom(コムコム) cafe
comcom(コムコム) cafe

お子様連れのファミリー層のお客様が多いので、どのメニューも手作りにこだわっているのが特長です。豆からこだわり、注文ごとに抽出しているコーヒー(300円)をはじめ、数量限定の手作りケーキ(250円~)、スイーツとドリンクのお得なセット(500円~)や軽食などが用意されています。

comcom(コムコム) cafe
comcom(コムコム) cafe

一部の商品を除き、ドリンク1杯から持ち帰りが可能ですし、フットサル教室に関係なく、一般の方にもこの緑豊かな「パルの森」の風を感じながら、友人や家族との談話や手作りメニューを楽しむことで、週末のリフレッシュにご利用いただければありがたいです。

 

続いて、「FOOT-pal浦和道祖土」に隣接する、
小・中学生向け学習塾「パル教室」について講師の中山誠司さんに伺います。

パル教室
パル教室

3年前からスタートした教室で、現在は約50名の生徒さんが通っています。キャッチコピーの「笑顔あふれる森の寺子屋」の名の通り、「寺子屋」スタイルなので、子供たちがその日に学校であったことを話してくれたり、それぞれの学校の情報交換をしたりと、さまざまな学校に通う子供たちが和気藹々と楽しみながら勉強しています。メインは小学生で、全体の1割が中学生というところでしょうか。学力向上だけでなく、個々の自主性や協調性など“人間形成の場”としての指導や躾も行っています。

パル教室
パル教室

たとえば、小学生高学年になると、言葉遣いが悪くなることもあるので、そういった時はイエローカードを出して、警告します。隣のフットサル教室に通っている子供さんも多いので、イエローカードは効果的なんです(笑)。きちんとした挨拶や、入ってきた時に靴を揃えるといった、生活面の基本的マナーにも気を配るようにしています。そういった基本ルールは教室内に掲示してあり、段々浸透してきていると思います。

学習方法としては、自学自習と伺っていますが、具体的にはどのような流れとなっているのでしょうか。

パル教室
パル教室

各自が指定した曜日の都合の良い時間や好きな時間に来て、自分の課題(小冊子)が終われば終了となります。教材となる課題は、大手学習塾での実績を持っている人によって作られたもので、学習の習熟度を細かくレベル分けしてあるので、子供たちは段階的にレベルアップしていくことができます。

 

自学自習スタイルなので、以前やった課題を復習するのもOKです。1教科1回分の課題は約30分から1時間。課題が終われば、学校の宿題や読書など、自習室としても利用できます。中には、自分の学年よりも上のレベルの課題に挑戦する子もいます。

 	さいたま市緑区道祖土インタビュー
さいたま市緑区道祖土インタビュー

子供たちが自らの学習スタイルで学ぶことによって、自分から「勉強したい」という意欲を持ってもらうこと、さらには“自分の力で気づく”喜びを知ってもらうことを重視しています。一方で、先へ先へと進むことばかりにとらわれて、基本部分が疎かになってしまいそうな場合や、基本をしっかり習得していないために応用課題に苦戦している場合は、勉強の仕方をアドバイスするようにしています。

あくまでもアドバイス、またはヒントを投げかけるようにすることで、本人の“気づき”を促します。解法の糸口が見つからずに困っている子についても同様です。自分で答えの糸口を見つける喜びを体験することによって、将来、たとえば困難にぶつかった際に自ら解決しようとする姿勢が身に付くと考えているからです。課題に取り組む際も、どこが間違っていたかわかるよう、間違っても消さないのがルール。また、途中式もきちんと書いてもらうことで、自分がどこの段階で間違ったか気付けるような指導をしています。

教科は英語・数学(算数)・国語ということですが、国語の中には習字も含まれているのですか?

パル教室
パル教室

年の初めに書き初めをしました。こちらも習字を教えるためではなく、それぞれが目標を持って1年を送ることが主眼です。壁に貼られている文字は、一人ひとりのその年の目標なんです。その目標を向かって着実に一歩一歩研鑽(けんさん)していく姿勢も身につけてほしいと思っています。子供たちの自主性を尊重するスタイルの指導方針で、受験のための技術だけを教えるのではなく、かつての「寺子屋」のように勉強だけでなく“学ぶ姿勢”も教える塾と言えるでしょう。

20名からスタートした教室ですが、今や50名くらいに成長しました。コミュニケーションや自己のモチベーション、社会人マナーなどを大事にしているという教育方針が、地域の方々にご理解いただけつつあるという手応えはあります。

施設面についても教えてください。

パル教室
パル教室

兄弟がフットサルをやっている間、下の子供たちがここで待っていることも多いので、床に寝転んでもいいよう、床に無垢材を使用することだけにはこだわりました。フットサルに参加している大工さんの力を借りて、手作り感あふれる温かみのある空間にしました。

教室内のミニ図書館の本は、1週間で2冊まで借りられるようになっています。お兄ちゃんやお姉ちゃんが勉強している間、この教室で絵を描いて待つ小さい子供もいるので、壁にはそんな小さな子供たちの絵でいっぱいです。お子さんをこちらにあずけている間、お母様方は自分の時間を持つことができますし、近所の方が多いので家事に戻られる方もいます。そういった面では、学童保育所的な役割も果たしていると思います。

また、教室内では魚や昆虫を飼っていて、みんな自主的に世話をしてくれます。とくに、夏になると「パルの森」でカブトムシやクワガタをつかまえてきて、教室内で飼っているんですよ。

「無料体験」の期間が1カ月もあるとお聞きしました。

パル教室
パル教室

そうですね。単に1回だけ授業を見学したり参加したりするのではなく、期間としては約1カ月、すでに通学している子と同じように課題に取り組んでもらって、ここでの勉強のやり方を知ってもらいます。その上で、この勉強法を気に入ってくれたり、一緒に勉強する友達と仲良くなったりして、本人が自ら「ここで勉強したい」という気持ちになった場合、正式に入会してもらっています。

全てにおいて、子供の自主性を尊重されているわけですね?

その理念は一貫しています。私たちは、挨拶や社会での基本マナーを子供たちに身に付けさせることと、子供たち一人ひとりの適性・長所を見つけることを重視しています。得意分野を褒めてあげることで、その子が意欲や自信を持って物事に取り組んでいくことこそ、将来的に役立つと信じているからです。そして願わくば、その子が大人になって、「あの時のあの時間がかけがえのないものだったな」と思ってもらえれば嬉しいですね。

今回、話をお伺いした人

FOOT-pal浦和道祖土
FOOT-pal浦和道祖土
小嶋 寛さん

FOOT-pal浦和道祖土 施設支配人 小嶋 寛さん

住所:さいたま市緑区道祖土4-33-29
TEL:048-883-1926
営業時間:月~金曜日10:00~21:00、土・日曜・祝日9:00~21:00
URL:http://www.footpal.jp/

笑顔あふれる森の寺子屋 パル教室
中山 誠司さん

TEL:070-6479-8615
開所時間:15:00~21:00
URL:http://palschool.exblog.jp/

komkom(コムコム)cafe

TEL:048-883-1926
営業時間:11:00~19:00
営業日:土・日曜・祝日

パル教室
パル教室
中山 誠司さん

※記事内容は2013(平成25)年11月時点の情報です。

自然あふれる森の中の地域コミュニティ/「FOOT-pal浦和道祖土」施設支配人 小嶋 寛さん・「パル教室」講師 中山 誠司さん
所在地:埼玉県さいたま市緑区道祖土4-33-29 
電話番号:048-883-1926
http://www.footpal.jp/