いよいよ6月11日にオープンを迎える、虎ノ門ヒルズ。
マッカーサー道路と言われた環状2号線を地下トンネルにすることで、事業を成立させた、森ビルの目玉プロジェクトだ。 地下に走る環状2号線の地上にある道路が「新虎通り」。虎ノ門ヒルズと汐留シオサイトを結ぶ直線的な道路である。
参考:『ついに開通!「新虎通り」(環状第2号線・新橋~虎ノ門間)』
実際にどんな通りになるかというと、緑については緑の軸と位置づけられていて、図のように、春、夏、秋、冬ゾーンに分けられ、異なる種類の植栽を植えることで、季節感や1年中緑のある通りになるように意識して設計されている。
図のように、幅広い歩道(片側13m)に、オープンカフェと飲食店、自転車専用道路が設けられる。実は、これまで道路での商業行為は出来なかったが、国の「都市再生特別措置法」の「道路占用許可の特例」という制度と、東京都の「シャンゼリゼプロジェクト」という仕組みを使うことで実現している。今回はこの制度について簡単にご紹介しよう。
今、東京や地方都市でオープンカフェが広がりを見せている。
これは、2011(平成23)年の『都市再生特別措置法』の改正で、『道路占用許可の特例』の制度が創設されたことで実現した。これまでも横浜の日本大通りなど、行政の裁量で実現している例もあった。
しかし、道路に店舗や飲食店、広告やコミュニティサイクルのサイクルポート(駐輪場)など、道路上での商業行為や営業行為は認められていなかった。横浜の日本大通りもパラソルと机、椅子があるだけで、イベント以外では、他の飲食店などからテイクアウトして飲食をする、又は休憩することしかできなかったのである。それが実現できるようになったのは、『道路占用許可の特例』制度によるもの。
『道路占用許可の特例』制度については、道路空間での収益をまちづくり活動や道路空間の維持管理に充てる代わりに、オープンカフェや店舗出店、広告等を認める制度で、新宿のモア4番街、札幌大通り地区、大阪グランフロントなどで行われている。
(制度について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください)
そんな『道路占用許可の特例』制度だが、全国で事例が増えているものの、なかなか弾力的に事例が創出できないハードルがある。その理由として警察や行政との協議や、手続きなどのハードルの高さがあげられる。
そこで、『東京シャンゼリゼプロジェクト』では警察や行政、商店街や町内会などの関係者を一堂に集める『道路空間活用検討委員会』を設置。技術的な検討や合意形成を行い、実際に道路空間のオープンカフェや管理などを運営するまちづくり団体(エリアマネジメント組織)を設立するなどの支援を東京都が行うプロジェクトだ。 実際に虎ノ門ヒルズの場合は、『新虎通りエリアマネジメント準備会』が設立され、実現に向けて、オープンまで検討やその後の運営について、検討されている。
虎ノ門ヒルズを中心に、新虎通りはこれから10年の間で大きく変化するだろう。シャンゼリゼのようになる日まで、目が離せない。
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