都営地下鉄大江戸線の延伸構想、光が丘から埼玉県内まで延びる?

2014年10月31日

光が丘から大泉学園町までの延伸計画は実現に向かいそう

都営地下鉄大江戸線の延伸構想出典:都市高速鉄道12号線延伸促進協議会
「都市高速鉄道12号線の延伸及び延伸に向けたまちづくりに関する調査研究」
12号線延伸区間のルート及び駅位置の設定
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都営地下鉄大江戸線は「新宿」駅から都内を巡る環状部と、「光が丘」駅へ向かう放射部に分けることができる。環状部では他の路線の隙間をぬうようにして、地下鉄ネットワークの重要な一端を担っているが、放射部でも西武池袋線と東武東上線の空白地帯を埋めるような路線を描き練馬区の光が丘までを結んでいる。この放射部の路線を延伸して、鉄道空白地帯を埋めようとする計画があるのだ。

全体構想では大泉学園町→埼玉県新座市→東京都清瀬市→埼玉県所沢市を通りJR武蔵野線「東所沢」駅までの延伸が構想されているが、このうち「光が丘 ~大泉学園町」間は、「2015(平成27)年までに整備着手することが適当」という答申が政府から出されていたもの(運輸政策審議会答申18号)。途中には「土支田」駅「大泉町」駅(いずれも仮称)の設置も想定されており、すでに地下鉄線路の建設を前提とした道路整備(補助230号線)も進められているので、正式決定されて工事着手となる日も近いかもしれない。

JR武蔵野線「東所沢」駅まで、埼玉県内への延伸計画はどうなるか?

一方、「大泉学園町」から「東所沢」への延伸は少し事情が異なっている。都営地下鉄大江戸線はその名の通り東京都が事業を行っている鉄道路線で、延伸などの事業許可は東京都が受ける必要があるのだ。

大泉学園町は練馬区内なので東京都としても検討を進めているのだが、都県境をまたぎ埼玉県内を通る路線に対して東京都が踏み出すのかどうかは「白紙状態」とされている。そこで、練馬区、新座市、清瀬市、所沢市などによって構成された「都市高速鉄道12号線延伸促進協議会」が国土交通省に対しての要望を行っている。“東京都民のための鉄道”という視点だけでなく、首都圏全体の交通網を俯瞰するような立場から延伸推進のサポートをしてほしいということで、要望が重ねられている状況だ。

地図でみれば分かるように、想定路線は鉄道網の空白地帯であることは確か。このエリアに新宿への直通ルートが開設されれば、周辺地域からの交通アクセスは大きく改善されるだろう。具体化されることを期待したい。

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■参考
都市高速鉄道12号線延伸促進協議会「都市高速鉄道12号線の延伸及び延伸に向けたまちづくりに関する調査研究」
練馬区 大江戸線延伸推進課「大江戸線延伸地域のまちづくり」

■開発種別:新線・新駅
■エリア:東京都(埼玉県)光が丘~東所沢
■完成時期:未定
■事業主体:東京都