住宅ローン金利、10年固定型が引き上げ

住宅ローン金利のうち10年固定型タイプの金利が2022年2月から引き上げられます。2016年以来6年ぶりの水準となりますが、その背景には何があるのでしょうか?

3メガバンクが10年固定型を一斉に引き上げ

住宅ローン金利引き上げの動きが始まっています。3メガバンクは2022年2月適用分から10年固定型の金利を0.05%から0.1%程度引き上げました。これは2016年以来、約6年ぶりの水準となります。また、全期間金利固定型のフラット35の金利も0.05%引き上げられます。

住宅ローン金利は半年ごとに金利が見直される変動型、5年・10年・全期間など一定期間の金利を固定する固定型の2つにわけられます。今回金利引き上げが行われるのはこのうち10年間固定型と、全期間固定型のタイプとなります。変動型には変更はありません。

背景には米国をはじめとする長期金利の上昇が

今回の金利引き上げの背景には長期金利の上昇があります。アメリカの金利上昇を示唆するニュースを見た方も多いかと思いますが、その影響もあり日本の長期金利も上昇し始めています。2022年1月31日には、日銀がマイナス金利政策の導入を決めた2016年1月以来6年ぶりの水準まで長期金利が上昇しました。固定型住宅ローン金利は、この長期金利の動きと連動するため、今回の金利引き上げにつながっているのです。

一方、変動型住宅ローン金利は短期プライムレート(短プラ)と呼ばれる日銀の政策金利と連動しています。短プラは2016年以降まったく動いていないため、今回も含め変動型住宅ローン金利には動きがみられていません。そのため「変動しない」変動型住宅ローン金利となっています。日銀の金融緩和政策は変更の動きがみられておらず、この先も短プラが急上昇する可能性は低そうです。ただ、原油価格の上昇などによって、最近は物価上昇の動きが見られ始めています。日常生活への影響はもちろんですが、住宅ローン金利の動きを占う上でも物価上昇には注目しておく必要があります。

実際に利用されているのは変動型中心

実際の住宅ローン利用者の動きをみてみると、現状は変動型を利用するケースが多くみられます。各金融機関は顧客獲得のため変動型金利の引き下げを競う状況にあり、変動型金利は1%を大きく割り込む水準で動いているためです。

これから住宅ローンを利用する場合、現時点のことを考えると変動型のメリットが大きい状況ですが、金利上昇の可能性が少しずつ高まり始めている状況を踏まえ、慎重に選択していく必要がありそうです。

       







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