2021年は新築&中古ともにマンション価格高騰

2021年の新築&中古マンション市場のまとめが発表されています。新築マンション価格は過去最高価格を更新する結果となったようです。

新築マンションはバブル期を上回り過去最高値

不動産経済研究所が発表した「首都圏 新築分譲マンション市場動向2021年のまとめ」によると、年間を通じた新築マンションの平均価格は6260万円、㎡単価は93.6万円となりました。前年比では平均価格が177万円(2.9%)、㎡単価が1.1万円(1.2%)アップしており、いずれもバブル期1990年の最高値(6123万円、93.4万円)を上回って過去最高値を更新することになりました。特に東京23区では平均価格が8293万円となり、30年ぶりに8000万円を上回る数値に達しています。

発売戸数は前年比23.5%増の3万3636戸となり、3年ぶりに前年を上回っています。初月契約率も73.3%と、2015年以来6年ぶりに70%台となるなど、需要と供給ともに拡大する、好調な結果となりました。

この背景には新型コロナウイルスの拡大によって働き方やライフスタイルの変化を余儀なくされた人たちによる、新しい暮らしにあった住まいを求めるニーズが鮮明になったことがひとつ。さらに、世界的な金融緩和によって余剰となった投資マネーがマンション投資にも向かったことが要因だと考えられています。

中古マンション価格も大幅上昇、物件不足で売り手市場に

一方、東京カンテイが発表した「中古マンション70㎡価格推移(2021年・年間版)」によると、首都圏の中古マンション平均価格は4166万円、前年比で11.6%アップと大幅な価格上昇を示す結果となっています。エリア別では東京23区が前年比9.8%アップの6333万円となっています。新築物件と比べて割安感があり広い面積の住戸が購入できる中古マンションへの需要が高まることで、価格水準が大幅にアップした模様です。この動きは都心部の周辺エリアにも拡大し、首都圏全体の価格水準アップに繋がっていると考えられます。

2022年は価格上昇の動きは収まるか?

この価格上昇のトレンドは2022年も続くのでしょう?

新築マンションの平均価格が平均年収の何倍かを示す「年収倍率」は2020年時点で8.41倍(全国平均)、東京都だけでみると13.4倍となっていました。マンション価格はさらにアップしていますので、直近では「年収倍率」も最高値を更新しているものと考えられます。

一般に住宅ローンを組んで購入する場合、「年収倍率」は5倍以内が健全な資金計画の目安とされていました。昨今では共働き世帯が主流となり、世帯年収で考えると5倍前後に収まるケースもありますが、ライフスタイルや社会情勢の変化を考えると無理をした資金計画はおすすめできるものではありません。実需としてのマンション需要だけを考えると、これ以上の価格上昇は売れ行きにも影響を及ぼす可能性が高いと考えられます。

また、世界的な金融緩和を背景とした投資需要も、金利や景気動向に不透明感を増しているなか、トレンドにも変化が起こる可能性も示唆されています。こうした要因から、2022年は価格上昇にも一定の歯止めがかかる年になるかもしれません。

 

不動産経済研究所 プレスリリース

https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/493/s2021.pdf

東京カンテイ プレスリリース

https://www.kantei.ne.jp/report/c2021.pdf

       







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