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紀尾井町を変える一大プロジェクト『東京ガーデンテラス紀尾井町』がロゴ発表

2015年10月14日

ロゴで繋がる江戸と現在、そして未来

東京ガーデンテラス紀尾井町 ロゴ発表徳川家の三つ葉葵の紋をモチーフにしたロゴデザイン

2015(平成27)年9月16日、西武ホールディングスはグランドプリンスホテル赤坂跡地に誕生する「東京ガーデンテラス紀尾井町」の施設ロゴ発表と上棟式を執り行なった。それと合わせて、タウンネーミングの変更を発表。これまでは“東京ガーデンテラス“であったが、語末に“紀尾井町”を加えて、「東京ガーデンテラス紀尾井町」を正式名称とした。

“紀尾井町”が強調される形となったが、この地は紀州徳川家・尾張徳川家・彦根井伊家など徳川家とゆかりのある大名屋敷が置かれるなど、地名を強調するに相応しい歴史と重みを有する。一朝一夕では醸し出されない重厚な雰囲気をまとう一方で、周辺は外資系企業が点在しており、国際都市としての側面も持っている。国籍を含め、背景を異にする者が集まり、それが新たな活力を生み出しているとも言える。

公表されたロゴは、徳川家の三つ葉葵の紋をモチーフにしており、緑・赤・青の三色が使われている。ゆかりのある三つ葉葵についての説明は不要だろう。緑・赤・青の由来については、豊かな自然を象徴するという意味での緑と、文化や人々が交差し、赤く熟すことからの赤。そして弁慶濠を望むロケーションにあることから青が選ばれた。ロゴと併せて発表されたキーメッセージは、“品と、格と、未来と。”である。

伝統を踏まえた外装デザイン

約3万平方メートルの敷地面積を誇る「東京ガーデンテラス紀尾井町」は、オフィス、ホテル、商業施設、カンファレンスセンターなどから構成される。主となるのは、地上36階・地下2階建てのオフィス・ホテル棟と、地上24階・地下2階の住宅棟だ。オフィス・ホテル棟の30階から36階には、客室数250室の「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」が入り、同棟の1階から4階までは35店舗の商業施設が入る予定となっている。また、ヤフーの本社が入ることが決定しており、残りのフロアについても引き合いが多いとのことで、開業前から注目されていることが窺える。

それ以外に注目すべきこととして、旧李王家東京邸を保存・復元し「赤坂プリンス クラッシックハウス」として開業することを挙げたい。象徴的なシンボルとも言える建物が、現代のニーズに応える新たな装いで生まれ変わるのだ。この“新たな装い”とは、環境や防災面への配慮を具現化したものとも言えるが、それは「赤坂プリンス クラッシックハウス」に限らず、「東京ガーデンテラス紀尾井町」についても言える。

【ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町】スカイロビー、オープンバー(イメージ)「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」
スカイロビー、オープンバーのイメージ
「赤坂プリンス クラシックハウス」外観(イメージ)「赤坂プリンス クラシックハウス」外観イメージ
東京ガーデンテラス紀尾井町 全景 南側より(イメージ)全景 イメージ(南側より)

外装デザインを手がけたのは、アメリカの建築設計事務所「コーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツ(Kohn Pedersen Fox Associates,)」。超高層ビルを得意とする同社だが、過去には「六本木ヒルズ森タワー」、「コレド日本橋」、「大手町タワー」のプロジェクトにも携わっている。「東京ガーデンテラス紀尾井町」を手がけるに当たっては、重箱をイメージしたとのこと。ハレの日に用いられる重箱は、伝統美だけでなくイメージも良い。

ランドスケープ・デザインの妙

「東京ガーデンテラス紀尾井町」が掲げているのは、“みどりと歴史に抱かれた国際色豊かな複合市街地”である。その具体的なランドスケープ・デザインについて、配布された資料を参照すると、紀尾井町通りに面する“都市的賑わいの軸”、「清水谷公園」から弁慶濠を繋ぐ“緑の軸”、「赤坂プリンスクラシックハウス」から江戸城外堀跡赤坂御門に接する“歴史と文化の軸”をつなぐ回廊を設け、地理的特性を最大限考慮した上で、これまで以上に回遊性・利便性を充実させていきたいとのことだ。

複合施設として、いかに充実したものであっても、それが“点”である限りは街に溶け込むことはない。歴史を有する街にあっては、その違和感は相対的に大きなものなる。その意味では、複合市街地をテーマにしたランドスケープ・デザインの方向性は正しかったと言えるだろう。

上棟式に臨みて思う

東京ガーデンテラス紀尾井町 上棟式「つり上げの儀」の様子

西武ホールディングス・後藤社長、西武プロパティーズ・安藤社長、日建設計・亀井社長、鹿島建設・押味社長によって「つり上げの儀」が行われた。揃ってボタンを押すと、鉄骨が上層階に吊り上げられるというものだが、“祝 上棟 東京ガーデンテラス紀尾井町 オフィス・ホテル棟新築工事”と記された鉄骨が高度を上げていく光景は、実に印象深いものであった。

建設費・約980億円というビッグプロジェクトの完結が近づいている。西武ホールディングスの未来だけでなく、紀尾井町、さらには東京にとっても大きな意味を持つであろう「東京ガーデンテラス紀尾井町」。上棟を祝い、吊り上げられる鉄骨のように、複合市街地としてあらゆる意味での高みを目指してほしいものだ。

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■東京ガーデンテラス紀尾井町 HP
http://www.tgt-kioicho.jp/

■開発種別:大規模施設
■エリア:東京都千代田区紀尾井町
■完成時期:2016(平成28)年夏開業予定
■事業主体:西武ホールディングス