圏央道とは首都圏中央連絡自動車道の略称。都心から半径40km~60kmを環状に結ぶことで東名や中央、関越、東北、東関道などの放射状の高速道路網をネットワークする総延長300kmの高速道路網だ。都心部の慢性的な渋滞の緩和、環境改善を目的としており、東京外かく環状道路(外環道)、首都高速中央環状線をあわせた首都圏の「3環状道路」網のひとつでもある。
このうち、埼玉県内の桶川北本IC~白岡菖蒲IC間が2015(平成27)年10月31日開通した。この開通によって東名、中央、関越道から東北道までを結ぶ放射状高速道路のネットワークが完成し、西日本や東海エリアから北関東、東北エリアが直結されることとなった。例えば新富士ICから宇都宮ICへの所要時間は都心経由で4時間20分だったが、圏央道ルートでは3時間20分と約1時間の時間短縮となる。
資料出典:国交省2015年10月19日記者発表資料
圏央道は昭和の時代から工事が進められ、2014(平成26)年6月に相模原愛川インターチェンジ(神奈川県厚木市)―高尾山インターチェンジ(東京都八王子市)間の14.8kmが開通したことで東名から関越道までのネットワークが完成していた。この先行区間の開通後は、都心部や一般道を通過していた車両の多くが圏央道利用へとルート変更を行ったことが検証されている。さらに、2016年4月からは首都圏の高速道路料金体系の改訂が行われ、都心を迂回して圏央道や外環道ルートを利用した場合の利用料金が値下げされる予定だ。
すでに「3環状道路」のひとつ首都高速中央環状線は2015(平成27)年3月に開通しているが、圏央道でも残りの区間である茨城方面の境古河IC~つくば中央IC間、千葉方面の松尾横芝IC~大栄JCT間、神奈川方面の藤沢~釜利谷JCTでの事業が進められている。これらの工事区間が開通すれば東名から中央道、関越道、東北道、常磐道、東関道までが一気にネットワークされ、首都圏の外側の“環”が誕生する予定だ。都心部の渋滞解消がさらに進み、首都圏の道路交通網が大きく変化するだろう。
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