豊洲から勝どきへの延伸は当初から計画されていたもの
「ゆりかもめ」は新橋と東京臨海部を結ぶ交通機関として1995(平成7)年に新橋~有明間が開業し、2006(平成18)年には豊洲までの延伸が完成した。しかし、現在の終点「豊洲」駅には駅を超えて晴海通り方向へカーブしようとする軌道が姿を見せている。そう、豊洲から先への延伸を行う計画が元々想定されているのだ。「豊洲」駅を出て左折した軌道は晴海通りに沿って左折、そのまま晴海埠頭(はるみふとう)を直進し晴海五丁目付近で右折。運河を渡り豊海町の倉庫街を抜けて右折し、メインストリートを直進して都営地下鉄大江戸線の勝どき駅に至るルートが想定されている。
この延伸計画は「2015(平成27)年までに整備着手することが適当」という答申が政府から出されていたものだが(運輸政策審議会答申18号)、オリンピック・パラリンピック開催が決定したことで現実味が増してきた。延伸予定ルートでもある晴海埠頭にオリンピック選手村が建設予定となっており、アクセス整備のニーズが高まっているからだ。
オリンピック選手村への重要なアクセスルートとして期待される
オリンピックの招致計画では晴海埠頭に17,000人を収容できる選手村を作り、400mトラックなどトレーニング施設や娯楽・ショッピングセンターも設置する予定になっている。選手村は居住ゾーン、運営ゾーン、オリンピックビレッジプラザなどの街区に分けて建設され、オリンピック終了後は文化・教育施設や住宅としての再利用が検討されている。
ゆりかもめは、オリンピック開催期間中には選手や大会関係者の重要なアクセスルートとして機能させることが期待されている。延伸が実現すれば、住宅整備計画が進められる有明北地区、既にタワーマンション数多く立ち並ぶ豊洲地区、そして晴海埠頭と、海辺を取り囲むようにウォーターフロントの新しい住宅ゾーンを結ぶ重要なアクセスとなるだろう。ただ、地下鉄「勝どき」駅の混雑や高架による街の分断も懸念されているようなので、今後の進捗に注目したい。
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■開発種別:新線・新駅
■エリア:東京都・豊洲〜勝どき
■完成時期:未定
■事業主体:東京都、株式会社ゆりかもめ
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