当初から計画されていた「東京駅起点」の新線計画
「つくばエクスプレス」(TX)は、1970(昭和45)年代から「常磐新線」計画として建設構想が動き出し、2005(平成17)年8月に「秋葉原」駅と「つくば」駅が開業した新線。首都圏でも最も新しい幹線鉄道であるだけに、路線のうち25%が地下区間、残りも高架や堀割構造で踏切がひとつも存在していない高速鉄道だ。最高速度130km、自動列車運転装置(ATO)による自動運転で、車掌が乗務しないワンマン運転という最新設備を誇っている。
建設にあたっては「膨大な建設コストを回収できるだけの乗客が獲得できるのか?」という懸念もあったが、営業を開始すると計画を大幅に上回る乗客数を獲得する優良路線となっている。実は、当初の計画では「東京」駅を起点として想定されていたが、費用の抑制と開業時期を優先して秋葉原起点で開業された経緯がある。秋葉原〜東京駅までの延伸は茨城県や、流山市、柏市、守谷市、つくば市、つくばみらい市などの沿線各市から計画実現への要望が継続して出されている。
東京駅は「丸の内側」「八重洲側」の乗り入れ案が想定される
「東京」駅での乗り入れ位置は「東京駅直下」「丸の内側」「八重洲側」が想定されるが、直下は既存他線との調整のためコストが膨大となるため、現実的なのは「丸の内側」「八重洲側」のいずれか。丸の内側では「丸の内仲通り」を想定した構想がたてられている。 羽田〜成田連絡線計画も丸の内仲通り地下を通る構想が立てられており、同時に着工することで建設コストを抑えようとするアイデアもあるようだ。
つくばエクスプレス延伸計画図
いずれにしても、既存路線の収益に問題があれば延伸計画は実現性に乏しくなるが、実際は好調な営業実績を残しており、延伸しても収益性が担保されるのであれば実現へむけて計画が動き出す可能性も高い。大深度地下を利用して概算事業費は約1000億円、建設期間約6年とされているので、事業化が速やかに決定されれば2020(平成32)年の開業も夢ではない。
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■参考■
http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13716516047761
http://www.city.nagareyama.chiba.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/001/239/futyousakekka.pdf
■開発種別:新線・新駅
■エリア:東京都・秋葉原駅〜東京駅
■完成時期:未定(構想)
■事業主体:首都圏新都市鉄道
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