休止中の貨物線路を活用する空港アクセス計画
「羽田空港」へのアクセス改善策として、休止中の貨物線を再活用しようという構想が現実味を帯び始めている。現在も「田町」駅付近からは八潮車両基地へ向かう東海道新幹線の引き込み線が走っているので、新幹線が高架線路を通って「東京」駅方面へ回送されていく姿を目にした人も多いだろう。実はこの新幹線線路と平行するように通常軌道の複線線路が設置されているのだ。これは東海道貨物線の支線として利用されていた路線だったが、大井埠頭の東京貨物ターミナルが稼働し始めたことで休止されていたもの。りんかい線の延伸構想で述べたように、東京貨物ターミナルから「羽田空港」の地下へは貨物線が通じて現在も稼働しているので、休止中のこの路線を再活用すれば「東京」駅方面から「羽田空港」への直結アクセス路線を開通させることが可能なのだ。
「上野東京ライン」とつながれば関東北部からも直通運転が可能?
この計画は2000(平成12)年に政府から発表された運輸政策審議会第18号答申においても「東京臨海高速鉄道臨海副都心線の建設及び羽田アクセス新線(仮称)の新設」というかたちで触れられているもので、横浜方面へとの直通構想も想定されているが、具体化の動きに至っていなかった。しかし、オリンピック・パラリンピック開催をきっかけにJR東日本が検討に入ったという報道がなされたので、整備計画が動きだす可能性がある。もし、JR東海道本線が「羽田空港」方面へ乗り入れることになれば、2014(平成26)年度に予定されている東北縦貫線「上野東京ライン」の開通によって関東北部からの直通運転が理論上は可能になる。たとえば大宮発「羽田空港」行き、取手発「羽田空港」行きといった列車が実現するかもしれない。
「羽田空港」へのアクセス改善に関しては「都心連絡線」の構想もあり、すべての構想が実現するかは不透明ではあるが、利用者の数や影響度を考えるとこちらのプランにも大きな魅力が感じられる。具体的な検討が進められることを期待したい。
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■参考■
http://kakyaku.com/t_rootmap.html
■開発種別:新線・新駅
■エリア:東京都・「田町」駅近辺~「羽田空港」
■完成時期:未定(構想)
■事業主体:JR東日本
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